監督:チャールズ・スターリッジ ・・・『フェアリーテイル』(1997),『ブライズヘッドふたたび』(1981)
1912年のイギリス。Sirアーネスト・シャクルトンは2度目の南極探検を試みる。既にアムンゼンが1911年12月14日に南極点到達を果たしていたため、南極大陸横断を成功させるために。 家族は何とか説得したものの、資金集めは難航を極める。さらに第一次大戦の勃発も重なって、出発自体が危ぶまれたが、1914年に総員28名の男たちは"不屈の精神"という名を持つエンデュアランス号で旅立つ。
南極を目の前にして流氷の中で動けなくなり、氷が解けるまで何ヶ月も船内で待機する隊員たち。しかし氷に圧迫されたエンデュアランス号は浸水し、ついに隊員たちは船を捨て3艘のボートを引きずって脱出することに・・・
極寒の南極圏で21ヶ月もの間耐え抜いた28人の壮絶な記録。
Sir Ernest Henry Shackleton (1874 - 1922)
シャクルトンの先祖はヨークシャーからアイルランドに移民したクエーカー教徒だったが、父ヘンリーは英国国教徒。詐欺事件で問題を起こす不肖の弟フランシスのほかに、姉妹が8人もいた。"アイルランド出身で子沢山"というとカトリックのように思われがちだが、実はアングリカン(英国国教徒)。1909年にナイトの称号を与えられる。試みた三度の南極探検はいずれも失敗に終わったが、エンデュアランス号の名のごとく不屈の精神を称えられている。
「部下をひとりも失うことなく生還させた奇跡の男」ということで、ビジネスセミナー等(注)でも取り上げられ大ブームとなった。
注:"反抗的な部下をどうコントロールするか"、"リストラなしに事業を成功させる方法"といった教訓として、理想のリーダー像としてビジネスマン向けのビジネス書やセミナーで使われているらしい。
シャクルトンが2回目の冒険に旅立とうとしていた時、ちょうど世界は戦争に向かって突き進んでい頃で、8月3日に国王に謁見した時も、イギリス政府は翌日に宣戦布告を控えていたと言う緊迫した状況にあった。イギリスが参戦するとなるとシャクルトンらも冒険どころではなくなるのだが、海軍に打診したところ、海軍大臣ウィンストン・チャーチルから「Proceed(進め)」という電報が届き、計画を続けられることにあった。
6/28 オーストリア皇太子がサラエボで暗殺される
7/28オーストリア、セルビアに宣戦布告
8/1 ドイツ、ロシアに宣戦布告
8/3ドイツ、フランスに宣戦布告
8/4 イギリス、ドイツに宣戦布告
アイルランド出身(アングロ=アイリッシュ)であるシャクルトンの姉妹たちはアイルランドの歌を歌っている。
隊員にもアイルランド出資者がいるらしく、「Tipperary(It's a Long way to Tipperary〜)」を始めとするアイルランドの歌をいくつか歌っている。
スコットランドの歌「Scotland Blave」を歌うと、それに合わせてペンギンが行進。
スポンサーになってくれるようStancombe Wills夫人の家を訪ねたシャクルトン。 ちょうど紅茶を出されたところだったので、計画を説明するのに銀製の豪華なポットやスコーンなどの美味しそうな茶菓子を並べてみせる。
航海、そしてエンデュアランス号を失った氷上でも、隊員たちは紅茶をよく飲んでいる。
シャクルトンはバッキンガム宮殿に出向き、国王に謁見する。時の国王はジョージ5世(エドワード7世の次男)。また、当時の首相はアスキス。
ジョージ5世
www.bbc.co.uk/history/historic_figures/george_v_king.shtmlHerbert Asquith(首相:1908-1916)
www.bbc.co.uk/history/historic_figures/asquith_herbert.shtml
船内で迎えた最初のクリスマスには隊員にウィスキーやが振舞われ、紙で作った王冠をかぶって祝う。イギリス人らしく「Happy Christmas」と(Merry ChristmasよりHappy Christmasという人が多い)。
撃ったアザラシを取りに行くために船を停止させ皆で氷上に降りた時、乗組員たちはフットボール(サッカー)に興じていた。審判もしっかり「オフサイド!」と叫んでいたりして。
沈没するエンデュアランス号を置いてめいめいの手荷物を処分することになった時、クリケットのバットを振っている船員の姿が。
グリーンランド
アイスランド
ロンドン
Whitby, North Yorkshire
Kenneth Branagh .... Sir Ernest Henry Shackleton(冒険家・隊長)
[シャクルトンの周辺の人々]
Phoebe Nicholls .... Emily Shackleton (妻)
Cicely Delaney .... Cecily Shackleton(娘)
Christian Young .... Raymond Shackleton (息子)
Mark Tandy .... Frank Shackleton (不肖の弟)
Eve Best .... Eleanor Shackleton (妹・従軍看護婦)
Embeth Davidtz .... Rosalind Chetwynd(愛人・米国人)[エンデュアランス号乗組員]
Lorcan Cranitch .... Frank Wild(副隊長)
Kevin McNally .... Frank Worsley(船長)
Mark McGann .... Tom Crean(二等航海士)
Nicholas Rowe .... Thomas Orde-Lees(エンジニア)
Paul Bigley .... Charles Green(コック)
Pip Torrens .... James McIlroy(医師)
Nicholas Hewetson .... Alexander Macklin (医師)
Ken Drury .... Henry McNish(船大工)
Matt Day .... Frank Hurley(写真家・映画撮影担当)
Chris Larkin .... George Marston(画家)
Shaun Dooley .... Hubert Hudson(ナビゲーター)
Celyn Jones .... Perce Blackborow(19歳、ウェールズ人)
Nigel Whitmey .... William Bakewell(カナダ人)
Jamie Lee .... James Wordie, Geologist
Christian Steel .... Leonard Hussey, Meteorologist
Rick Warden .... John Vincent, Boatswain
Craig Cheetham .... Walter How, Seaman
Ian Mercer .... Ernest Holness, Stoker[スポンサー]
Elizabeth Spriggs .... Janet Stancombe Wills (スポンサー・優しい老婦人)
Robert Hardy .... Sir James Caird(スポンサー・エディンバラ在住)
Mark Williams .... Dudley Docker(スポンサー)[その他]
Rupert Frazer .... 英国王ジョージ5世
Danny Webb .... Perris (デイリー・クロニクル編集長)
Corin Redgrave .... Lord Curzon卿
Abby Ford .... Marcie (シャクルトン隊事務所の事務員)
www3.nhk.or.jp/kaigai/shackleton/
www.aetv.com/tv/shows/shackleton/www.jamescairdsociety.com
www.bbc.co.uk/history/historic_figures/shackleton_ernest.shtml
209.207.189.31/antarctic/shackleton/shackleton.htm
www.firstworldwar.comVHS
amazon.co.jp / amazon.com海外盤DVD(リージョン1)
2枚組スタンダードエディション
-amazon.com
3枚組コレクターズエディション
-amazon.co.jp / -amazon.com『エンデュアランス号漂流記』
アーネスト・シャクルトン (著)中公文庫BIBLIO
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