ペンバリー(Pemberley)を訪ねて『高慢と偏見』Pride and
Prejudice (1995)、 |
宿泊したB&Bで「ライムパークに行く」と言ったら、即座に「あのジェーン・オースティンの!」という反応が返ってきた。 放映後何年たっても、ライムパークといえばオースティン原作の『高慢と偏見』Pride and Prejudice (1995)が撮影されたところと連想する人が多いらしい。 | ライム・パーク入り口 |
『高慢と偏見』は、伝説的な視聴率と熱狂的な支持を獲得したBBCのTVシリーズだが、今でも繰り返し放映され(私の滞在中もちょうど放映されていた)、"ミスター・ダーシーのお屋敷"をひと目見ようとやってくるファンは後を絶たない。 実際、放映後ここの入場者数は一気に倍増したとか。 駐車場前の案内所にもMr ダーシー役のコリン・ファースのポスターと、額に入れた小さなポートレートが飾ってある。
帰ろうとするリジーを追って、Mr ダーシーが急いで服を着て出てくるドア。
一般旅行者から見たらただのドアと階段にすぎないこの場所で、記念撮影する婦女子があまりにも多し! ここで写真を撮っている人=『高慢と偏見』のファンと判断していいだろう。
このお屋敷の代々の当主は少し変わった趣味の持ち主だったのか、インテリアの趣が他のマナーハウスとは異なっている。 シャンデリアや暖炉飾りが木彫なのだ。 また狩猟を好んでいたためか、狩関係の絵画やトロフィー(獲物の鹿首を剥製にしたもの)が壁一面を所覆っていて、気が弱い女性だったら眩暈がするかも。 絵といっても"まさに鹿の首を掻ききった瞬間、血がドピューッ"といったグロテスクなものもいくつか。 『高慢と偏見』のロケにあたって屋敷内部の撮影については許可が下りなかったため、内部の撮影はSudbury Hall というマナーハウスを使用し、スタッフは窓から見える景色が違和感ないように調整するのに苦労したとのこと。 しかしSudbury Hallのロマンティックで華やかな内装と、Lyme Hallの内装を見比べてみると、かえってその方が良かったかもしれないと思うようになった。
「この館の女主人になれるなら・・・」 |
リジーたちが歩いていたFormal Garden |
庭園側に出ると、前の池に映りこんだ建物がたいへんフォトジェニック。 鮮やかなピンクの花をつけたシャクナゲや林の向こうに赤鹿の群れが。 売店の一番目立つ位置に陳列されているのは、やはりドラマ『高慢と偏見』関連商品。 原作、メイキング本The Making of "Pride and Prejudice"、ビデオとてんこもり。 考えてみればすごい経済効果。
『高慢と偏見』でイギリス中の、いや世界中のの女性をとりこにしたのは、"池に飛び込んだMr ダーシーが濡れたシャツで歩く姿"なのだそうだ。 この池をひと目見てみたかったので、庭園の入口にいた切符もぎりのお兄さんにおそるおそる尋ねてみた。 私と同じような質問をする人がよほど多いのか、「ああ、あの池ね!」とサラサラと慣れた手つきで地図を描いてくれた。 撮影時のエピソードも嬉しそうに話してくれたりして。 その池は思ったより離れたところにあり、途中で迷って他の人にも聞いたが「Mr ダーシーの池」というだけで、すぐわかってくれたのには驚き。 屋敷から出て羊が放牧されている牧場のフットパス(といってもケモノ道のような)を、ひたすら歩いていくことになった。 丈高く生い茂った雑草や牧草を踏み分け、羊のオトシモノを踏まないように地雷原でも歩くように慎重かつ迅速に進んでいくことになる。 本当に羊が多くて、すぐ手が触れそうな位置でのんびりと草を食んでいた。
館からこの池までは意外に距離が離れていた。 ドラマの中でもMr ダーシーは馬に乗って池までやってくる。
Mr ダーシーの池 |
こんなfootpathをひたすら歩く |
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「ペンバリー」の内部として撮影に使われたのが、ここSudbury
Hall。 この館の外観は左の写真のようにこじんまりとしているが、内部はため息がでるほどロマンティック。 売店には 『高慢と偏見』のメイキング本など関連商品も売られている。 |
この館は「イングランドで最も美しい階段のひとつ」があることで有名なのだそうだ。 噂にたがわず見事! 女中頭に案内されたリジーが、この階段のそばでMr ダーシーやウィッカムのミニチュアール(細密画)に見入る場面が撮影されている。
その他見どころとしては:
音楽室・・・招待されて遊びに来たリジーがジョージアナのリクエストでピアノを弾き、その姿にMr ダーシーがうっとりと見入っている場面
書斎・・・牧師禄のかわりに金を要求するウィッカムのために、Mr ダーシーが書きものをする場面
廊下・・・久しぶりにペンバリーを訪れたウィッカムが、ジョージアナとすれ違って目を合わせる場面
ロング・ギャラリー・・・女中頭に案内されたリジーとガードナー夫妻が歩いているところ。 ここでMr ダーシーの大きな肖像画を見せられる。
Queen's Bedroom・・・Mr ダーシーが従僕に手伝わせて服を選ぶ場面(ちなみにQueenとはウィリアム四世妃アデレイドのこと)
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このふたつのお屋敷からそう離れていない町ベイクウェルに、ジェーン・オースティンが滞在して『高慢と偏見』を書き上げたという由緒あるRutland Arms Hotelがある。 この町でしか食べられないベイクウェル・プディングというお菓子を発明したのは、諸説あるがRutland Arms Hotelのシェフだといわれている。 マナーハウス巡りの合間にぜひ寄ってみて。
さらに、ペンバリー訪問をためらうリジーに「チャッツワースやブレナム宮殿も見せてもらったが問題なかったぞ」とガードナー氏が話す場面があるが、そのチャッツワース・ハウスもベイクウェルからすぐ近く。
Rutland Arms Hotel (Website) ベイクウェルの中心にあるので 場所はすぐわかります |
Rutland ArmsのBakewell Pudding |
レンタカー(Herz)はマンチェスターの営業所で借り、返却をマンチェスター空港にしたのですが、各社(バジェットとか)ともに返却用駐車場が一般の立体駐車場にありました。当然チケットを取らないと中に入れず、ちょっとうろたえました。結局最上階の一角がレンタカーの駐車場になっていて、その入り口の機械に再度チケットを入れれば無料でゲートが開く仕組みだったのです。(情報提供:Megumiさん)
私もeasycarという会社のマンチェスター営業所で借りたのですが、やはり立体駐車場の中に営業所があり、借り出し時は事務所でもらったチケットを出口のゲートに挿入し、返却時はゲートでチケットを取って入る方式でした。これまで利用した他の都市や空港では平面駐車場ばかりだったので戸惑いました。(Cheeky)
これから『高慢と偏見』の聖地(ペンバリー)巡礼をなさる方のために、役立つ情報があったら教えてくださいませ!
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