2日目
Minffordd(ミンフォース)を過ぎ今回の旅行のメインイベントの一つPortmeirion村へ。建築家のクロー・ウィリアムエリス卿 (Sir Clough Williams-Ellis)が生涯をかけて作り上げた彼の理想郷で、ノエル・カワードが村内のホテルに滞在し『陽気な幽霊(Blithe Spirit)』を書き上げたエピソードは有名だが、他にも建築家のフランク・ロイド・ライト、ポール・マッカートニーにジョージ・ハリソン(50歳の誕生日をここで祝っている)、そしてビートルズのマネージャーのブライアン・プスタイン(エプスタインはジョン・レノンと一緒に滞在したかったそうだが叶わず)、グレゴリー・ペックやイングリッド・バーグマン、H.G.ウェルズ、バーナード・ショウ、バートランド・ラッセル、ケネス・クラーク等この村を訪れた有名人は数知れず。
年間10万人もの観光客が訪れるそうだが確かに平日にもかかわらず人・人・人・・・観光客が大挙してやってきている。北ウェールズはイギリスの中でもマイナーな地域ということもあるが、今回の旅行で訪れた観光施設の中ではボドナント・ガーデンに次ぐ観光客密度だった。しかしボドナントガーデンやコンウィ城等と大きく異なる点は、客層がほとんどイギリス人ばかりだということ。現地から取り寄せた北部〜中部ウェールズの観光案内の必見ポイント(To do List)のいの一番に「Portmeirionに行ってNo.6 Shopに行くこと」が挙げられているくらいイギリス人にとってはとても人気のある場所なのだが、非・英国人から見たら「何じゃこりゃ!」という印象を持たれかねない妙ちきりんな村なのだ。
日本人にお勧めできるかというと・・・この村にある種の「萌え」を持たない人にとっては変なテーマパークに見えるかもしれない。だが、一部の人にとってはまさに聖地。私にとっての「萌え」は主にPortmeirionブランドの陶器とドラマ「プリズナー No.6(The Prisoner)」だった。
Portmeirion オフィシャルサイト
http://www.portmeirion-village.com/ドラマ「プリズナー No.6(The Prisoner)」
イギリスの諜報部員である主人公がロンドンの自宅から拉致され連れてこられた「村」がこのポートメイリオンという設定。村の風景がふんだんに登場する。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Prisoner
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%8A%E3%83%BCNo.6
Portmeirionには2つのホテルがあるが、The Hotel Portmeirionはクラシカルな内装、Castell Deudraethはモダンなインテリア・・・と、宿泊客の好みにより使い分けができるようになっている。メインの建物の他、村内に独立したコテージも点在していてセルフ・ケータリングでの宿泊も可能。質の高いホテルのみが加盟を許されているという「Welsh Rarebit」の一員で、「Best Beloved Hotels」にも掲載されていた。The Hotel Portmeirion内のレストランはなんとテレンス・コンラン卿のプロデュースでAAのロゼット2つ、Castell Deudraeth内のガストロ・パブはロゼット1つとそれぞれ料理の質も高く評価されている。 今回の旅行の日程を決める前にまず最上の部屋Peacock Suiteの空いている日を探し(人気があるので数ヶ月前から埋まってしまう)、それに合わせて日程を組んで航空券を取った。ノエル・カワードが1941年の春に滞在していたUpper Fountain 2(Village De-Luxe Double Room)の予約も検討していたが、こちらはネット予約で部屋を指定できなかった。 |
Toll Gateで宿泊客であることを告げると「Let me guess...Mrs●●でしょ!」とすぐに名前を当てられた。東洋人の宿泊客は珍しいのかもしれない(観光客はほとんどイギリス人のように見える。
ゲートを上げてくれたので車でホテルの前まで乗りつけることが出来た。通常は入村料が必要(大人7.50ポンド)だが、宿泊客やレストランの予約客は無料で入れるのだ。
ホテルに近づくとボーイ(お年寄りだが)がすぐやってきてトランクを運んでくれたが、引きずって擦り傷を付けてしまった。門番から連絡がいっていたらしくフロントでこちらの名前を印刷した宿帳が用意されていた。
ピーコックスイートはインドシルクのファブリックで統一された部屋で、ベッド周りやカーテン等がお揃い。家具は木目の美しいマホガニーのアンティーク。テーブルの上にはシェリー酒が用意されていたのでそのイギリスっぽさに萌えた。TVはシャープ アクオスの大型液晶。スタフォードシャーフィギュアや本物の胡蝶蘭が飾られている。冷蔵庫がついていたので、早速部屋に用意されていたミネラルウォーターの瓶4本(スティルとスパークリング各2本、それぞれポートメイリオンオリジナルラベル付き)を入れておいた。テーブルの上にはインテリア雑誌や写真集。バスローブやアイロン掛けセットが用意され、アメニティもポートメイリオン オリジナルのもの(気に入ったら売店でも販売されているそうだ)。レターセットやポストカードも用意されている。
この部屋はホテル・ポートメイリオンの中でも特上のスイートで、ベッドルームの他に広々したシッティングルームがある。エドワード7世が1936年のウェールズ視察旅行の際にこの部屋に宿泊したそうだ。1泊朝食付きで252ポンド(ネット割引価格)。通常価格は280ポンド(日曜〜木曜)、または300ポンド(金・土と8月中)。
ホテルの建物はドラマ「プリズナー No.6(The Prisoner)」で引退した元スパイたちの老人ホームして使用されている。
スイートの居間部分 |
ベッドルームが奥に見える |
インドシルクのファブリック。天蓋付きベッドの柱もぐりぐり。 |
「シェリーでもどうかね?」 |
Portmeirion印のミネラルウォーター |
ホテルの廊下には赤々と燃える暖炉 |
宿泊客用の居間 |
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