朝食は前夜に買ったバターチキンカレー、チキンスライス、洋梨、クロワッサン、スティルトンチーズ
ノッティンガム近郊の炭鉱町イーストウッドに生まれた作家D.H.ロレンス。彼の生家は現在博物館として公開されている。ここはガイデッドツアーのみなのだが、他に見学者はいなかったのでガイドさんに一対一で説明を受けながら案内されるという贅沢な体験をした(ロレンスにさして興味のない夫は車の中で待っていた)。これで入場料6.90ポンドは安いものだ。
ガイドさんに、ロレンスの小説も何作か読んだが、ロレンス原作の映画『レインボウ』、『恋する女たち』、『チャタレイ夫人の恋人』(いずれもケン・ラッセル監督作品)もお気に入りだと伝えると嬉しそうだった。
炭鉱夫の父親と教師だった教養ある母の元に生まれたというロレンスの生い立ちは彼の作品に投影されているように思う。『息子と恋人』には、はずみで炭鉱夫と結婚してしまった中産階級の母に最も愛されていた兄が夭折してしまうというロレンスの家族のエピソードがそのまま出てくる。
当時の炭鉱夫の生活道具がそのまま展示されているのも興味深い。炭鉱に持っていく弁当箱にはドリッピングに浸したパン等を入れていたそうだ(ドリッピングとは肉をローストした時にトレイにたまる肉汁・脂のことで、ロレンスの作品にもしばしば登場する)。水筒にはミルク無しの紅茶を入れる。ミルクを入れると暑い炭鉱の中で変質してしまうからだ。炭鉱夫たちは皆喉が渇くので、仕事が終わるとすぐパブに行って一杯やるのだとか。当時のイギリス人は毎日風呂に入る習慣はなかったが、炭鉱夫は体がひどく汚れるので毎日"ヒップバス"と呼ばれるタライに腰だけ浸かって体を洗う。陶器の湯たんぽが置いてあったが、これは現在でもアンティークショップでよく見かける。
D.H. Lawrence Birthplace Museum
8a Victoria St, Eastwood, Nottingham NG16 3AW
http://www.nottingham.ac.uk/dhlheritage/
D.H.ロレンスの生家、現在は博物館 |
D.H.ロレンスがここで生まれたことを示す看板 |
寝室 |
子供部屋の寝室(この時代はひとつのベッドに5〜6人の 子供がひしめき合って寝るのは普通だったそうだ) |
屋根裏部屋は夏は暑く冬は冷え込んだ |
キッチンとダイニング |
ミシン |
洗濯ものを絞る道具、洗濯バケツとそれに突っ込んでかき混ぜる棒 |
手押しポンプで実際に水を汲ませてもらった |
パーラールームは来客があった時等特別な場合に使われた 表通りからのドアはこのパーラールームに通じているが、家族は普段裏口から出入りしていた |
ピアノがあるのは母に教養があったから |
ロレンスの母リディアは裁縫やレース作品を販売して副収入を得ていた |
展示室 |
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ロレンスの絵 |
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駐車場近くにクラフトセンターが。 キルトをする老婦人たちがいたりして、けっこう人が出入りしている |
博物館の近くにはpay & display駐車場があって、1時間まで無料で駐車できる。ただし券売機で"1時間以内の駐車"のボタンを押して出てきたチケットを外から見える位置に置く必要がある。 博物館の近くには「White Peacock Tearoom」というティールームや、「Lady Chatterley」という店名のパブがあったりと、ロレンスの作品にちなんだ名前の店がいくつか。 |
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