タイトル*
製作・監督・脚本:Michael Powell /Emeric Pressburger
音楽:Brian Easdale/Kenny Baker
撮影:Jack Cardiff
編集:Reginald Mills
振付:ロバート・ヘルプマン、レオニード・マシーン
カリスマ的興行主ボリス・レルモントフ率いるバレエ団のロンドン公演の折、バレリーナのヴィッキーと、作曲家志望の青年ジュリアンが新たに一座に加わる。 プリマのボロンスカヤは結婚したことで芸術至上主義のレルモントフの不興をかい、間もなく退団。 かわって主役に抜擢されたのは彼に才能を見出されたヴィッキーだった。「一度履いたら死ぬまで踊り続けなければならないという魔力を秘めた赤い靴」というアンデルセンの童話を題材にした新作バレエで、ヴィッキーは大成功を収める。 ところが彼女は『赤い靴』の作曲を担当したジュリアンと恋に落ち、"芸術か愛か"の狭間で逡巡した末、バレエ団を追放されたジュリアンに従って一緒にレルモントフの元を離れるが・・・
約15分に及ぶ幻想的な『赤い靴』上演シーンが圧巻。
レールモントフのモデルとなったのは、ロシア・バレエ団(バレエ・リュス)を率いたセルゲイ・ディアギレフといわれている。
ディアギレフとニジンスキーの愛憎劇は映画『ニジンスキー』(imdb.com)でも描かれていたが、ニジンスキーが女性と結婚してバレエ・リュスを追放された後、ディアギレフに見出されてスターダンサー 兼 恋人となったのは、本作でグリーシャ("赤い靴"では靴屋の役)を演じているレオニード・マシーンだった。
マシーンをはじめ、この作品に出演しているのは当代きっての踊り手たち。
撮影当時サドラーズ・ウェルズ・バレエ(現ロイヤル・バレエ)のプリンシパルだったロバート・ヘルプマン、リュドミラ・チェリーナ、そしてモイラ・シアラー。 モイラ・シアラーはスコットランド出身で、サドラーズ・ウェルズ・バレエのプリマ。 燃えるような赤毛と透き通るように白い肌が大変印象的。 映画『ホフマン物語』やカルト的スリラー『血を吸うカメラ』 Peeping Tom (1960)にも出演。他にもサドラーズ・ウェルズ・バレエ団のダンサーたちが多数出演している。
コヴェント・ガーデンにあるロイヤル・オペラ・ハウスは、当時サドラーズ・ウェルズ・バレエ団(現ロイヤル・オペラ・バレエ団)の本拠。ジュリアンたち、アカデミーの学生たちは一番安い天井桟敷でより見やすい席を取るために6時間も並んでいた。 会場と同時にダッシュで狭い階段を駆け上がる。
オペラハウスの近くには青物市場が。
www.royaloperahouse.org
ヴィッキーことヴィクトリア・ペイジは、ネストン伯爵夫人の姪という上流階級の出身。 伯爵夫人主催のパーティーでヴィッキーが踊ろうとしたのだが・・・
ジュリアンが手紙(パーマー教授が自分の作品を盗作したという訴え)を取り返しに、ロンドン公演中のレルモントフの元を訪れた時、彼はちょうど朝食のテーブルに。 銀製(?)のトーストラック、そしてシフタースプーン(穴のあいた砂糖を振り掛けるためのもの)で、グレープフルーツにさらさらと砂糖をまぶしている。
米アカデミー賞:劇・喜劇映画音楽賞(ブライアン・イースデイル)、美術賞受賞
3部門ノミネート(作品賞、原案賞、編集賞)
米ゴールデングローブ賞: 音楽賞(ブライアン・イースデイル)受賞(その他)1999年度英国映画協会によるベスト100作品:9位にランクイン
フランス(パリ・オペラ座、モンテ・カルロなど)
Anton Walbrook .... Boris Lermontov(興行主)
Marius Goring .... Julian Craster(音楽専攻の学生、のち作曲家に)
Moira Shearer .... Victoria Page(バレリーナ)Robert Helpmann .... Ivan Boleslawsky(ダンサー)
Leonide Massine .... Grischa Ljubov(ダンサー"赤い靴"では靴屋の役)
Ludmilla Tcherina .... Irina Boronskaja(プリマ・結婚して退団)
Albert Bassermann .... S. Ratov
(1948年 イギリス 133分)
監督:Nick Hamm
脚本:Ben Court & Caroline Ip
原作:Guy Burt 小説_After the Hole_
パブリックスクール、ブレイボーン校から4人の生徒が忽然と姿を消し、18日後にただひとりの生存者リズは憔悴しきった血まみれの姿で発見された。良家の子女が多く在籍する名門パブリックスクールで起こった事件なだけに押し寄せたマスコミと警察で騒然となる。 警察は重要参考人として、リズの友人マーティンを逮捕するが証拠不十分のまま釈放。リズは精神科の医師フィリッパのカウンセリングを受け、少しずつ悪夢のような体験を語り始める。 しかしまるで"藪の中"のように二点、三転する真実とは・・・。
原作はオックスフォード在籍中わずか18歳で書き上げたというガイ・バートの小説『After The Hole』。『アメリカン・ビューティー』のゾーラ・バーチが思春期の少女の心の闇を熱演。
ブレイボーン校は、ニュースレポーター曰く「年間3万ドル以上もの授業料がかかる」名門パブリックスクール。 緑豊かなカントリー際のなかに、ゴシック風の建築物がそびえている。アメリカのロックスターの息子マイクが留学先に選んだのも当然と言うべきか。
体育の授業でラグビーの試合をしている場面があるが、ラグビーはこのような裕福な階級の好むスポーツ(反対に、サッカーは労働者階級の好むもの)。マーティンは男の子たちがラグビーで激しくぶつかり合ったり、一緒にシャワーを浴びたりするのがエロティックだなどと意味深なことを言っている。
マイク、ジェフ、フランキーが穴の中に隠れていようという提案に乗ったのは、ウェールズへの研究旅行をサボりたいから。
のちにマーティンがロンドンで両親と待ち合わせるのにチャリングクロス駅まで行ったと証言していることから考えると、この学校はイングランド南東部にあることがわかる。
食料としてリズが持ち込んだのは、ソーセージや豆(ベイクドビーンズ缶?)、ヌードルなど。 どこに行ってもベイクドビーンズというところがイギリス人らしい
Daniel Brocklebank(マーティン役)
『恋に落ちたシェイクスピア』でジュリエット役の少年俳優、『ザ・クリミナル』で若い男娼役、エクスカリバー 聖剣伝説』 では主人公マーリンの若い頃。『めぐりあう時間たち』ではNYの花屋の場面にちょっと顔を出している
www.dbonline.org
エンベス・デイビッツ(女医フィリッパ役)
アメリカ出身だがイギリス映画への出演も多い。『ブリジット・ジョーンズ』でブリジットのライバルとなる美女役他、『シンドラーのリスト』でレイフ・ファインズに仕えるユダヤ人メイド、ケネス・ブラナーの『シャクルトン』にも出演。
imdb.com/Name?Davidtz,+Embeth
Keira Knightley
『ベッカムに恋して』でヒロインの親友役の他、『スター・ウォーズ エピソード1』など
imdb.com/Name?Knightley,+Keira
Benenden School, Cranbrook, Kent TN17 4AA
www.benenden.kent.sch.uk
Stratton-on-the-Fosse,Radstock,BATH, BA3 4RJ
www.downsideabbey.co.uk/school/
Reading Blue Coat School, Holme Park, Sonning, Berkshire, RG4 6SU
www.blue-coat.reading.sch.uk
The Royal Grammar School, Amersham Road, High Wycombe, Bucks, HP13 6QT
www.rgshw.com
Thora Birch .... Liz
Daniel Brocklebank .... Martin Taylor (リズの幼なじみ)
Desmond Harrington .... Mike Steel (米国人ロックスターの息子、リズが片思いしている男性)
Laurence Fox .... Geoff(マイクの親友)
Keira Knightley .... Frankie(リズの友人)Embeth Davidtz .... Dr. Philippa Horwood(犯罪精神科の女医)
Steven Waddington .... DCS Tom Howard(刑事)
原作:
『穴』 BOOK PLUS
ガイ バート (著), Guy Burt (原著), 矢野 浩三郎 (翻訳)
『体験のあと』
ガイ バート (著), Guy Burt (原著), 矢野 浩三郎 (翻訳)
(2001年 イギリス 102分)
Copyright (c)1998
Cheeky All Rights Reserved
当サイトに掲載されている情報・記事・画像など、全ての内容の無断転載を禁止します。
引用される際は、必ず出典として当サイト名とURLを明示してください。