監督:Dominic Anciano/ Ray Burdis
1999年2月15日、イギリスの人気若手俳優ジュード・ロウが急死した。彼の葬儀には映画学校時代からの友人達が集まり、若くして夫を失ったジュードの妻、女優のセイディ・フロストを口々に慰めるのだった。
不思議なことにジュードの家には何人かのカメラマンが待機しており、哀しみに沈む弔問客を撮影していた。皆が集まったところで、セイディは、ジュードが生前ひそかに撮影していたプライベート・フィルムを発見したことを告げる。決して愉快な内容ばかりではないが、彼を理解するためには皆に観てもらうことが必要だと、そしてその様子を撮影してこのプライベート・フィルムを完成させたいと。
ところが仲間たちが目にした映像は恐るべきもので、仲間の間に動揺が走る。そして恐るべき真実が明らかになった時・・・!どこまでが虚構でどこまでが現実か。 出演者全員が実名で登場する驚異的な作品。
□ジュードの家
ジュードとセイディが暮す家は、人気俳優の家だけあって瀟洒で美しい建物。 台詞によると「200年は経っている」そうだ。
台詞によるとセイディが身に付けている下着は、イタリアの高級下着メーカー"ラ・ペルラ"のものだとか。さすが!
□ドラッグ
ジュードやレイを含め、仲間たちはごく日常的にドラッグを吸っている様子。ジュードが悪戯に使ったベーキング・パウダーはSchwartz社のもので、よくイギリスのスーパーで見かけるタイプ。
□フィクションかノン・フィクションか
登場人物は全員実名だが、"ジュード・ロウが急死"という虚構の設定に加え、他にも微妙に現実とは違っている。
セイディとジュードの間に子供がなかったことになっているが、実際はセイディの連れ子(前夫Gary Kempとの子)に加え、ジュードの子がふたり、合計3人の子供がいる。
レイ・ウィンストンの妻は、実際はElaine Winstone。
Jude Law .... Jude
Sadie Frost .... Sadie (ジュードの妻)
Ray Winstone .... Ray
Lisa Marsh .... Lisa (Rayの妻)
John Beckett .... John
Mark Burdis .... Mark
Perry Benson .... Perry
Bill Scully .... William
Ray Burdis .... Ray
Dominic Anciano .... Dominic (ジュードの映画学校時代からの親友)
.... Holy(セイディの妹)(1998年 イギリス)
監督・脚本:Michael Austin
脚本:John Wells
撮影:Freddie Francis
1817年イングランド南西部の小さな村に、ひとりの奇妙だが美しい少女が迷い込んできた。頭にターバンを巻き、皆が聞いたこともないような変わった言葉をしゃべる彼女は「カラブー」と名乗り、銀行家の妻の優しいウォラス夫人の館に身を寄せる。"海賊にさらわれた東洋の王女様"と語るカラブーは村中の評判となり、ついには舞踏会で摂政皇太子と踊るまでに。疑念を抱いたブリストルのジャーナリスト、ガッチ氏はひとり地道な調査を続けていたが・・・?
世間を騒がせたうそのような本当の話。
□美しいマナーハウス
Worral邸や、プリンス・リージェントを招いた舞踏会など、美しいマナーハウスがふんだんに登場する。詳しくはロケ地紹介へ↓
□キャストにも注目
スティーブン・レイ、ジム・ブロードベント、ピーター・エア、ジョン・ススゴー…といったベテランから、ダグレイ・スコット(カラブーが男か女か確かめようと股間を触ってひんしゅくを買った竜騎兵)、スティーブン・マッキントッシュ、ジョン・リンチ(馬車に乗ってカラブーに出会ったふたり組)など、端役にも人気俳優が。
カラブー役のフィービー・ケイツと、執事のケビン・クラインで夫婦共演。
□宿無しは死刑、物乞いは禁固刑
当時はジョージ3世の治世。宿無しや浮浪者、物乞いは社会の治安を乱す元として、厳しい罰を科せられる法律があったらしい。
□フランス、ナポレオンとの関係
英語を話せない怪しい少女カラブーは、竜騎兵に「コルシカ島からのスパイか?」と疑われたが、これは1815年にワーテルローの戦いで、(コルシカ島出身の)ナポレオンがウェリントン公に敗れたばかりという、イギリスとフランスの関係が緊迫していた情勢から。後に彼女が船出する際に嵐で流されて、セント・ヘレナ島(ナポレオンの流刑地)でナポレオンに会ったという新聞記事も出た。(ナポレオンは1821年没)
□外国への憧れ〜クック船長の『太平洋航海記』
執事のフリクソスは、航海家のキャプテン・クック(1728-1779)が著した『太平洋航海記』を持ってきて、東洋の風俗に見入る。
□香辛料貿易をめぐる利権
当時のオランダは、インドネシアをはじめとして東洋の国々や島を植民地化しており、香辛料貿易で莫大な利益を上げていた。カラブーがアジアのとある国の王女かもしれないと思い始めたWorrall氏や周囲の人々が、貿易に関する投資に心が動き始めたのには、そういった歴史的背景も。
□プリンス・リージェント
父王であるジョージ3世が精神錯乱のため政務を執れる状態でなかったため、皇太子が摂政として(=摂政皇太子:Prince Regent)外交・社交の中心にいた。
参考『英国万歳!』The Madness of King George(1994)建築好き、女好き、美食家(だから太っている)としても有名で、カラブーを「ブライトンの新しい宮殿(Royal Pavillionのこと)が出来たらおいで」と誘う。おつきの男ふたりが持っているのは、ブライトンのロイヤル・パビリオンの模型。
□ゲール語
カラブーを追いかけていったガッチ氏がささやいたのは、アイルランドの言葉ゲール語。ガッチを演じるスティーブン・レイは北アイルランド出身だが、ガッチ氏もアイルランド出身ということか。
イングランド南西部
ウェールズ
ロンドンWrotham Park, Barnet, Hertfordshire・・・Worral邸
Luton Hoo, Luton, Bedfordshire・・・摂政皇太子を招いた舞踏会の場面
Gunnersbury Park Museum, London・・・Worral邸のキッチンとして
Bishop's Palace, Fulham, London(SW6)・・・ガッチ氏のオフィスとして、裁判所のとして
(最寄り駅:PutneyBridge)
Stephen Rea .... Gutch
Phoebe Cates .... Princess Caraboo/Mary
Jim Broadbent .... Mr Worrall (銀行家)
Wendy Hughes .... Mrs. Worrall
Kevin Kline .... Frixos (執事・ギリシャ出身)
Arkie Whiteley .... Betty(小間使い)
Kate Ashfield .... Ella(小間使い)Peter Eyre .... Lord Apthorpe (王室とも親しい貴族)
Jacqueline Pearce .... Lady Apthorpe
John Sessions .... 摂政皇太子(後のジョージ4世)John Lithgow .... Wilkinson教授
John Wells .... Hunt牧師
Anna Chancellor .... Mrs. Peake ("Mary"の元里親)
Roger Lloyd-Pack .... Magistrate Haythorne (ブリストルの裁判長)
Dougray Scott .... Dragoon Captain
John Lynch .... Amon McCarthy(流れ者)
Steven Mackintosh .... Harold (流れ者)
David Sibley .... Harrison (更正院の養護監視官)(1994年 アメリカ 96分)
Book
_Caraboo : The Servant Girl Princess : The Real Story of the Grand Hoax_
by Jennifer Raison, Michael Goldie
別題:"The Public Eye"
監督:キャロル・リード
原作・脚本:ピーター・シェーファー
音楽:ジョン・バリー
エリート公認会計士チャールズは、身分の違いを乗り越えてレストランで出会ったアメリカ人旅行者ベリンダと恋に落ち結婚。しかし最近の妻の様子に疑問を抱いた彼は、私立探偵クリストフォルに依頼して、妻を尾行させる。毎日ロンドンの街中をあてもなくさまよっていたベリンダは、尾行に気づくと次第にこのおかしな男に好意を抱くようになっていくが・・・
ピーター・シェーファーの戯曲の映画化。
□階級の違い
「違うバックグラウンドのものとは結婚するべきではない」
ベリンダはアメリカ出身で、インドなど世界を放浪してきた元ヒッピー(服装にその片鱗が)。レストランのウェイトレスなどという、ワーキング・クラスの女性が就く職業。いわゆる"知識も教養もないアメリカ娘"なので、結婚披露パーティーに集まったチャールズ側のposhな賓客たちは、ベリンダを一段も二段も低く見ている様子。
□クリストフォル
父はロードス島出身、母はイギリス人という設定で、いつも白いコートを着てマカロン(フランス菓子の一種で、メレンゲをたっぷり使った焼き菓子。字幕ではクッキーと訳されているが)を食べているので、よく目立つ。
□郊外にピクニック
結婚前のチャールズとベリンダ。ヘンリー8世がアン・ブーリンと出会ったという趣あるチューダー朝のマナーハウスに遊びに行く。バスケットにワインなどを入れてピクニックの準備をしてきたところが微笑ましい。
- ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
- Royal Opera House, Covent Garden(ロンドン)
- タワーブリッジ(ロンドン)
- ロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)
- ケンジントン・ガーデンズのピーターパンの像
- ハンプトン・コート宮殿のMaze(迷路)
- Royal Windsor Safari Park, Windsor, Berkshire
- Sutton Place, Guilford, Surrey
- Syon House & Garden, Brentford, Middlesex
- Kew Gardenのグリーンハウス・・・家出したミアを見付け出した場所
- テムズ・リバー・ボートのウェストミンスター橋乗り場
(情報提供:TCさん)
- クリストフォルと一緒に巡った食べ物の名前がついた通り
*通りの名前をクリックすると地図が出ます- Milk Street(EC2)
Bacon street(E2)
Ham Yard (W1)
Pepper street (SE1)=胡椒
Salter street (E14)=塩
Fish street hill (EC3)
Artichoke Hill(E1)=アーティチョーク(野菜の一種)
Vinegar Street(E1)=酢
Pudding Lane(EC3)=プディング
Poultly (EC2)=家禽、鳥類
Haunch of Venison yard (W1)=鹿の尻肉
Duck lane (W1)=あひる
Goose yard (EC)=ガチョウ
1972年サン・セバスチャン国際映画祭:男優賞(トポル)、女優賞(ミア・ファロー)受賞
Mia Farrow .... Belinda (チャールズの妻・元ヒッピー)
Topol .... Julian Cristoforou (探偵・)
Michael Jayston .... Charles Sidley (一流の公認会計士)
Margaret Rawlings .... Mrs. Sidley (チャールズの母・上流階級)
Annette Crosbie .... Miss Framer
Dudley Foster .... Mr Mayhew (探偵事務所の所長)
Michael Aldridge .... Sir Philip Crouch
Michael Barrington .... Mr Scrampton (チャールズの顧客)
(1972年 イギリス 93分)
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