タイトル*ロ
監督:ビル・フォーサイス
テキサスの石油会社ノックス社のエリート社員マックは、ノックス社のアバディーン支社の社員ダニーとともに、石油コンビナート建設用地買収のためにスコットランドの漁村に派遣される。 地元住民の反対にあうかと思いきや、意外にも村の人々は金持ちになれると大はしゃぎ。 最後に残ったのは海岸にあばら屋を建てて隠棲している老人で、彼を説得するために本社から社長が直々にお出ましとあいなったが・・・?
主人公Mac MacIntyreは名字にMacがついているので、スコットランド出張が決まったとき会社の同僚から口々に「故郷に帰れるな」と激励される。本当はハンガリー移民なのだが。(*スコットランド出身者は名字にMacがつくことが多い。Macとはson of 〜の意味)
このスコットランドの村では、みないくつかの職を掛け持ちしている。弁護士はホテルの主人も兼ねているし、彼はパブでビールを注いだりもする。 Post Officeが雑貨屋も兼ねているのは、イギリス中どこでも見られる光景。小さな村ではこのPost Office兼雑貨屋が村人の生活の中心となっている。
数か国語話せるという設定のDannyのあやつる妙な日本語が笑える。 タイヨウ、サカナ、アシカ、セップン・・・
お祭りののテーブルにはしっかりサンドウィッチやスコーン、ケーキなどが用意されている。やっぱりイギリス!
1999年度英国映画協会によるベスト100作品:37位にランクイン
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Morarの海岸 |
Burt Lancaster .... Felix Happer (ノックス社の社長)
Peter Riegert .... Mac MacIntyre (土地買収のためにアメリカから派遣される)
Fulton Mackay .... Ben Knox (海岸のあばら家に住む老人)
Denis Lawson .... Gordon Urquhart (B&Bの主人・兼・弁護士)
Norman Chancer .... Moritz
Peter Capaldi .... Danny Oldsen (ノックス社アバディーン支社の社員・Marinaにひとめぼれ)
Rikki Fulton .... Geddes
Alex Norton .... Watt
Jenny Seagrove .... Marina (ノックス社の研究員の女性)
Jennifer Black .... Stella (Macの妻)
Christopher Rozycki .... Victor
Christopher Asante .... Reverend Macpherson
Dan Ammerman .... Donaldson
John M. Jackson .... Cal
John Gordon Sinclair .... Ricky(アーカート氏を演じたデニス・ローソンの甥が、ユアン・マグレガー)
(1983年 イギリス 105分)
この「ローゼンクランツとギルデンスターン」という人物の名前にピンときたら、あなたもシェイクスピア通? 「ハムレット」の学友として端役で登場する二人を主人公に据え、彼らの目を通して描くハムレットの世界が新鮮。
『ハムレット』の主要登場人物に与えられる劇的な死、そしてローゼンクランツとギルデンスターンのような端役に与えられる死・・・運命とはこうも抗しがたいものかと考えさせられる。
チェコ生まれの戯曲家T.ストッパードの代表作を自ら監督して映画化。
ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞。
ユーゴスラヴィア、スロヴェニア
Gary Oldman .... Rosencrantz (ハムレットの学友)
Tim Roth .... Guildenstern (ハムレットの学友)
Richard Dreyfuss .... 旅芸人一座の座長
Iain Glen .... Hamlet
Donald Sumpter .... Claudius (ハムレットの叔父・デンマーク王)
Joanna Miles .... Gertrude (ハムレットの実母・王妃)
Joanna Roth .... Ophelia
Ian Richardson .... Polonius (オフィーリアの父)
(1990年 イギリス 117分)
監督:Kevin Reynolds
舞台は12世紀末のイングランド。第三次十字軍の遠征でエルサレムにとらわれていた領主の息子ロビンは、一緒に牢獄を脱出したムーア人アジームを連れて故郷のイングランドに帰った。しかしノッティンガムの悪代官によって、ロビンの父は無実の罪で殺されており、領地は没収されていた。彼はシャーウッドの森のアウトローたちとともに義賊となって立ち向かうことにした・・・。スペクタクル・アクション・ロマン大作。
ノッティンガムの悪代官役のAlan Rickman以外のキャストはみなハリウッド勢(アメリカ人)だが、撮影の方はほとんどイギリスで行われているので風景に注目!
この作品のパロディ映画『ロビン・フッド〜伝説のタイツ男〜』 も一緒に観ると楽しさ倍増 ?!
ヨーロッパよりイスラム圏の方が文化的に先進地域であったため、十字軍の遠征は西洋に多大な文化的恩恵をもたらした。(ナイフやフォークを使い始めたのもイスラム圏の方がずっと早い)
この作品中でも、ムーア人のアジームはイギリス人に野蛮人扱いされていながらも、「西洋人は無学なものだ」と彼らの知らない当時の先端技術(望遠鏡や爆薬)を次々に披露する。
ロビン・フッドたちにてこずっているノッティンガム公は、魔女に「北から"けだもの(=beasts)"を連れて来てくればいい。」と、ケルト人を使うよう入れ智恵される。彼もケルト人に対し「死人の血を飲む連中だ」と差別意識むき出し。
自分たちの手を直接汚さず、"夷をもって夷を制す"やり方は、『ブレイブハート』でスコットランド討伐にアイルランド人を使ったイングランド王と同じか。
主題歌はBrian Adamsの "I do it for you"
Kevin Costner .... Robin of Locksley
Morgan Freeman .... Azeem(ムーア人)
Mary Elizabeth Mastrantonio .... Marian(Peterの妹・Richard王の従姉妹)
Christian Slater .... Will Scarlett(シャーウッドの森の住人)
Alan Rickman .... Sheriff of Nottingham
Geraldine McEwan .... Mortianna (魔女)
Michael McShane .... Friar Tuck 修道僧
Brian Blessed .... Lord Locksley (ロビンの父)
Michael Wincott .... Guy of Gisborne(ノッティンガム公の従兄弟)
Nick Brimble .... Little John (シャーウッドの森の住人)
Soo Drouet .... Fanny(Little Johnの妻)
Daniel Newman .... Wulf (Little Johnの息子)
Walter Sparrow .... Duncan (ロビンの従者)
Harold Innocent .... 司教
Liam Halligan .... Peter Dubois (ロビンの親友)
Imogen Bain .... Sarah (マリアンの侍女)
Pat Roach .... ケルト人の首領
Sean Connery .... リチャード獅子心王(カメオ出演)*リチャード王については『冬のライオン』The Lion in Winter (1968) の項に詳しい歴史解説を載せました。
(1991年 アメリカ 144分)
監督・脚本:Mel Brooks
主にケビン・コスナーの『ロビンフッド』を徹底的におちょくったパロディ映画。緑色のタイツをはいたシャーウッドの森の仲間たちが歌い踊り、ロビンとともにノッティンガムの悪代官をやっつけてマリアン姫を助け出す。
監督のメル・ブルックスが割礼の得意なユダヤ教のラビを演じている。ジョン王子(獅子心王リチャードの弟)に、"みながおまえの言うことに耳を貸すと思うのか?"と挑発されたロビン・フッドは、「他のロビンと違って、この私は英国式アクセントで話せるからな」と、得意げに答える。
(Because, unlike some other Robin Hoods, I can speak with an English accent.)
このロビンを演じるCary Elwesはイギリス人(しかも名門パブリック・スクールのハロー校出身)なので、こてこてのアメリカ英語のケビン・コスナー演じるロビン・フッドを揶揄しているのだ。イングランドの海岸に泳ぎ着いたロビンは"My Kingdom for a horse !"と言うが、これはシェイクスピアの『リチャードIII』の台詞。
リチャード王については『冬のライオン』The Lion in Winter (1968) の項に詳しい歴史解説を載せました。
Cary Elwes .... Robin Hood
Richard Lewis .... Prince John
Roger Rees .... Sheriff of Rottingham
Amy Yasbeck .... Maid Marian
Mark Blankfield .... Blinkin (ロビンの従者・盲目)
David Chappelle .... Ahchoo (ムーア人・名前は"ハクション"という意味)
Isaac Hayes .... Asneeze (Ahchooの父)
Megan Cavanagh .... Broomhilde (Marianの侍女)
Eric Allan Kramer .... Little John (Robin Hoodの従者)
Matthew Porretta .... Will Scarlet O'Hara (Little Johnの仲間)
Tracey Ullman .... Latrine (魔女・名前は"トイレ"の意味)
Patrick Stewart .... Richard 2世
Dick Van Patten .... Abbot (司教)
Robert Ridgely .... Hangman
Dom DeLuise .... Don Giovanni (ジャージー島から来た)
Steve Tancora .... Filthy Luca (Donの部下・弓の名手)
Joe Dimmick .... Dirty Ezio (Donの部下)
Mel Brooks .... Rabbi Tuckman (ユダヤ教のラビ)
(1993年 アメリカ)
監督マイケル・ケイトン・ジョーンズ。原作はSir Walter Scottの小説。
18Cの貧困と飢餓に苦しむスコットランドのハイランド地方が舞台。ロブ・ロイたちは牛の商いのためにモントローズ侯爵から借りた大金を、侯爵の食客である放蕩者のアーチボルト・カニンガムに奪われるが…
時代背景にスチュワート王派(ジャコバイト)蜂起の絡みが出てくる。
『ロブ・ロイ』はゲール語で「赤毛のロバート(Red Robert)」の意味。ハイランド地方のアウトローRobert MacGregor(またはCampbell)(1671-1734)のニックネーム。ロブ・ロイはStirlingのBuchananに生まれる。元々は牧畜を営んでいたが、1712年頃に初代モントローズ公爵James Grahamへの借金から、略奪行為をはじめる。ジャコバイトの反乱の頃には両陣営から敵視されていた。乱の後もモントローズ公爵に対する襲撃を続け、時には捕らえられロンドンで投獄されたが、1727年に国外追放と引き換えに釈免される。
アーチボルト(ティム・ロス)の不気味な悪役ぶりが見もの。主役より目立つ。巻き毛のカツラに化粧、つけぼくろ…貴族の退廃ぶりと民衆の粗末なキルト姿が対照的。
バグパイプ音楽が美しい。ハイランド地方独特の、茶色くて角の長い牛がたくさん出て来て嬉しい。
2002年オンライン映画批評家協会(OFCS)による「映画史上最も偉大な悪役Top 100」:
(The Greatest Screen Villain Of All Time Top 100, by The Online Film Critics Society)
ティム・ロス演じるカニンガム役が第83位にランクイン
Glen Nevis
Glencoe
Glen Tarbert
Loch Morar
Loch Leven
Caig Falls Bridge, Loch Arkaig
Rannoch Moor
Drummond Castle, Crieff・・・モントローズ侯爵の屋敷
Megginch Castle, Errol
Castle Tioram, Morar
Liam Neeson .... Robert Roy McGregor
Jessica Lange .... Mary McGregor (ロブ・ロイの妻)
John Hurt .... Montrose侯爵
Tim Roth .... Archibald Cunningham (Montrose侯爵の客)
Eric Stoltz .... Alan McDonald
Andrew Keir .... Argyll公爵
Brian Cox .... Killearn
Brian McCardie .... Alasdair McGregor
Brian McArthur .... Ranald McGregor
David Brooks Palmer .... Duncan McGregor
Gilbert Martin .... Will Guthrie
Vicki Masson .... Betty
Gilly Gilchrist .... Iain
Jason Flemyng .... Gregor
Ewan Stewart .... Coll
David Hayman .... Sibbald
Shirley Henderson
Official Site(MGM)
Rob Roy- Original Motion Picture Soundtrack From The Film
『スコットランド王国史話』森 護 (著) 中公文庫 (2002/03/01)
『とびきり愉快なイギリス史』
ジョン・ファーマン (著), 尾崎 寔 (翻訳) ちくま文庫 (1997/04/01) 筑摩書房『とびきり哀しいスコットランド史』フランク・レンウィック・著/ちくま文庫
なかなか専門の歴史書にお目にかかることが少ないスコットランド史。ユーモアたっぷりの解説が楽しい。『英国王室史話』(上) 森 護・著/中公文庫
王室にまつわるさまざまなエピソードをわかりやすく紹介している。
(1995年 アメリカ 139分)
監督・脚本:Hanif Kureishi
ドラッグの売人をしていたホームレスの青年クリントは、借金取りに袋叩きにされたことなどから現在の生活に嫌気が差し、20歳の誕生日にカタギの生活に戻る決心をする。なんとかカフェのウェイターとして雇ってもらえることになったが、それには身だしなみを整えることが必要。店長にきれいな靴を履かないと働かせないと通告され、クリントは靴を手に入れるために必死に走りまわるが・・・
□スコターズ
空き家などに勝手に住み着いてしまう人たちのこと。マフやクリントたちは、空き家になっていたフラットにしのびこみ、勝手に自分たちの住処にしてしまう。彼らのフラットの住所は「White Hall Gardens14番地」。(西ロンドンアクトンのあたり?)
□クリントの不幸な家庭環境
クリントは幼い頃にドラッグ中毒の父親に性的虐待を受け、ヘロインまで打たれていた。母親の再婚相手ともなじめず、家を出て何年もストリート・キッズの暮らしをしていた。
□クリントの実家
再婚したクリントの母親はレディング郊外の一軒家に住んでおり、周りが畑なので、庭の木に紐を引っかけて洗濯物を干している。義父と力を合わせて廃屋を改造したらしいが、たいへん心地の良いつくりになっている。イギリス人はこのように自分で、壁紙や家具に手を加えるのを好む。
□瞑想集団
クリントやマフがアジトにしたフラットの下の階には、ベッパが指導する瞑想集団がつねに裸足で歌を歌いながら踊っている。
□シェイクスピアのソネット
クリントの年上の女友達(微妙な関係?)ヘドリーは、彼女の部屋にやってきたクリントの顔にできた湿疹を見て、シェイクスピアのソネット(Sonnet LXVIII)の一節を口ずさむ。
「かくて彼の頬は過ぎし日々を刻み、花が枯れるがごとく美もまた枯れん」
Thus is his cheek the map of days outworn,
When beauty lived and died as flowers do now
ロンドンのノッティング・ヒル(ポートベロー・ロード、The Electric Cinemaなど)
レディング
Justin Chadwick .... Clint
Steven Mackintosh .... Muffdiver (クリントの友人)
Emer McCourt .... Sylvie (クリント&マフの仲間)
Naveen Andrews .... Bike (クリント&マフの仲間)
Alun Armstrong .... Stone (クリント&マフの仲間)
Stevan Rimkus .... Tom Tom (クリント&マフの仲間)
Fiona Shaw .... Headley (クリントの友人)
Roshan Seth .... Dr. Bubba(宗教団体の指導者)
Garry Cooper .... Mr G. (ドラッグ売人の元締め)
Eleanor David .... Lily
Evelyn Doggart .... Mr G's Girl
Brad Dourif .... Hemingway(カフェの店長)
Nick Dunning .... Faulkner
Tony Haygarth .... Burns (ドラッグ売人)
Sean Pertwee .... ドイツ人旅行者
Pippa Hinchley .... ドイツ人旅行者
(1991年 イギリス 106分)
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