UsseからHuismes経由でChinonへ。
シャンボール城等とは違い、いかにも「要塞」といった風情のシノン城はヴィエンヌ川とロワール川の合流地点の高台にある。954年にブロワ伯ティボー1世によって最初に築かれ、1152年にアンジュー伯かつ英国王のヘンリー2世(プランタジネット朝の祖)によって現在の形となった。ピーターオトゥール演じるヘンリー2世とその家族との葛藤劇を描いた映画『冬のライオン』The
Lion in Winter (1968)の舞台となったのはこのシノン城。妻や息子たちの反抗に遭ったヘンリー2世は後にこの城で息を引き取った。
この城で起こった最も有名なエピソードの一つは、1429年にジャンヌダルクが後にシャルル7世となる王太子に謁見した事件。王太子は家来の一人に自分の服を着せ、自らは身をやつして家臣たちの間に混じっていたが、ジャンヌダルクは初対面であるにもかかわらず一目で王太子を見分けたとされている。
シノン城 Forteresse Royale de Chinon
開館9時〜19時(最終入場30分前)、料金7EUR、駐車場無料(2011年6月のデータ)
http://www.forteressechinon.fr/
シノンはまたワインの産地としても名高い。城から道路を隔てた向かいにも葡萄畑が広がっていた。右下の写真でブドウの樹のすぐそばに薔薇が咲いているのがご覧頂けるだろう。薔薇は真っ先に病気や害虫の被害に遭いやすい植物なので、葡萄を病害虫から守るために植えているのだそうだ。
シノン城 |
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シノン城を見た後、車で更に高台に登ってみた。ここにも野には真っ赤なポピーの群生が。 「ああ皐月仏蘭西の野は火の色す 君も雛罌粟われも雛罌粟(コクリコ)」 今回の旅行ではあちこちで赤いひなげしの花を見掛けた。その度に思い出していたのは上記の与謝野晶子のコクリコ(=フランス語でひなげしのこと)の歌である。皐月(5月)ではなく水無月(6月)だが、晶子の時代もこのように野を赤く染めるようにひなげしが咲いていたのだろうか。 |
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