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5日目

ギュスターヴ・モロー美術館Musee National Gustave Moreau


美術館の外観
神話や聖書等を題材にした幻想的な作風で知られる象徴主義の画家ギュスターヴ・モロー。この建物はモロー自身が晩年まで住んでいた住居兼アトリエ。モローの死後、作品と共に国に遺贈され美術館となった。作品の配置等は生前にモローが指示していた通りのもの。初代館長はモローの教え子で画家のジョルジュ・ルオー。

この日は無料公開なのを知らないで来たお客さんは少なくなかったようで、受付の人が何度か「C'est gratuit(無料ですよ)」と声を掛けていたのが聞こえた。

ギュスターヴ・モロー美術館Musee national Gustave Moreau
14 rue de la Rochefoucauld 75009
毎月第1日曜日は無料公開、ミュージアムパス利用可能
10:00-12:45/14:00-17:15(金・土・日は昼休み無し)、火曜休
http://www.musee-moreau.fr/
 まずはモローが使っていた時代そのままの、愛用の品が展示されている部屋へ。
壁には当時の新聞記事や版画、複製画が掛けられている。またアンティーク家具、コレクションしていたと思われる東洋や西洋の陶磁器が飾られている。
 
   
   

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(クリックで拡大)
絵画の展示室に入ると壁一面に飾られた作品群に圧倒される。上下の階を繋ぐ螺旋階段が印象的。一段一段登りながら下の階の絵画を遠くから眺める。

展示室にはラミネート加工された解説シートがあったので、これを読みながら鑑賞。このシートはフランス語・英語・日本語の3種類用意されていた。日本語もあるのが嬉しい。

他のメジャーな美術館との違いは、ひとりで観に来ている人が多いこと。万人受けする画家ではないので本当に好きな人たちが熱心に見入っているという感じだ。私もじっくり時間をかけてモローの世界に耽溺した。
 
「レダ」
 
 
壁の中に収納されたデッサンや習作をひとつひとつめくっていく幸せ
 
「オルフェウスの首を持つトラキアの娘」のデッサン
壁の中にはこのようなデッサンが収められている。
   

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螺旋階段から下の階を眺める
オルセー美術館にも完成度の高い作品はあったが、画家自身の息遣いが感じられるようなこちらの美術館の魅力は他には代えがたい。

モローの作品は世紀末の芸術家に大いに影響を与えた。私はオスカー・ワイルドが大好きなこともあって、特にサロメをモチーフとした作品群には夢中で見入ってしまった。サロメは新約聖書に登場する女性で、踊りの褒美に洗礼者ヨハネの首を求めたというエピソードは昔から多くの芸術作品の素材となってきた。カラヴァッジョ、ティツィアーノ、クラナッハ・・・と大御所による作品が数ある中で、モローの一連の作品は特に有名である。

帰りにレセプションでポストカードを何枚か購入。
 
「ユピテルとセメレ」
 
左「ソドムの天使たち」、右「サロメ」
 
(クリックで拡大) 「出現」(部分)
 
違った雰囲気の「サロメ」
   

モロー美術館からの帰り


モローの葬儀が行われたサント・トリニテ教会Eglise de la Sainte Trinite
メトロTrinite d'Estienne d'Orves駅のすぐ近くにある
地図を見るとホテルまで歩けそうだったので、ぶらぶら寄り道しながら帰ることにした。
美術館から比較的近くにあるサント・トリニテ教会はモローの葬儀が行われたところ。メトロの駅の近くにあるのでアクセスしやすい。

てくてく歩いていくといつの間にかギャラリーラファイエットの前に。すぐ近くにイギリスのスーパー マークス&スペンサーの小型店があった。パリでも結構プレタ・マンジェ(カフェ)やW. H. Smith等のイギリスのチェーン店を見掛ける。
   
   
   

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