タイトル*も
監督:James Ivory、製作:イスマエル・マーチャント。
E・M・フォースター原作の小説を映画化。(原作はハッピーエンドを意図して書かれたそうだが?)
20世紀初頭のケンブリッジ。大学で知り合った親友とのプラトニックな愛に悩む主人公…その苦悩を救ったのは意外にも…?
ケンブリッジ・キングズカレッジのチャペル、ケム川でのパンティング(長い棹で川底をついて乗るボート遊び)、クリケット、華麗なカントリーハウス、大英博物館のエントランスなど、イギリス好きが泣いて喜ぶ大道具・小道具に満ちている。宝飾店ガラードも協力。
食事の前にはラテン語で祈りをささげる。教授たちは一段高いハイテーブルで食事。
領主の館(ペンダズレー・ハウス)に住む地主階級。クライブは弁護士として働いているが、将来はこの地方一帯の地主として政治家に。
きちんとした家庭なので、夕食にはディナージャケットを着用することが求められる。朝は執事がベッドまで朝食のお盆を運んでくる。
社会的には中流階級に属し、父は株式仲買人。モーリスも金融街シティで株仲買人として働くようになる。祖父の財産は妹のエイダが継ぐことになっていた。
朝食はテラスに出したガーデンテーブルで。卓上にはトーストラックなどが見える。
猟場番スカダーの父親はオスミントンの肉屋だった。
モーリスがボクシングを教えていたのは、Bermondseyの波止場で働く労働者たち。彼らの鍛え上げられた肉体に心穏やかでないモーリス。(ボクシングはワーキングクラスのスポーツだとみなされている。)
パブで兵隊にいかがわしいことをして逮捕されるRisleyのモデルは文筆家のリットン・ストレイチー(映画『キャリントン』で描かれている)。
同性愛が発覚した彼は、懲役6ヶ月の重労働の刑に処された。
「フランスかイタリアか・・・同性愛が罪とされない国へ行くのだな」
「英国は昔から人間の本性を否定してきた国だ」リズリー卿の逮捕劇からも分かるように、当時のイギリスでは同性愛は犯罪だった。オスカーワイルドなども2年の強制労働の刑に服している。
オリジナル音楽はジェイムズ・アイヴォリー映画の常連、リチャード・ロビンスが担当。
その他、チャイコフスキーの交響曲第6番第二楽章、アレグリの「ミゼレーレ」などが使用されている。
ケンブリッジ大学キングズ・コレッジ、トリニティ・コレッジ
Wilbury Park, Wiltshire(クライヴの屋敷として)
ロンドン:
Wigmore Hall(モーリスとクライブが行ったコンサート会場)
Linley Sambourne house(18 Stafford Terrace)
大英博物館Assyrian Saloon
カフェ・ロワイヤル(リージェントストリート)***冒頭の海岸の場面がどこで撮影されたか、ご存知の方は教えてください。***
ヴェネチア映画祭銀獅子賞、最優秀男優演技賞(ジェイムズ・ウィルビー、ヒュー・グラント)受賞。
James Wilby .... Maurice Hall
Hugh Grant .... Clive Durham
Rupert Graves .... Alec Scudder (クライブの家の森番)Denholm Elliott .... Doctor Barry (医師)
Patrick Godfrey .... Simcox (クライブの家の執事)
Mark Tandy .... Risley卿 (モーリス達の先輩・政治家)
Ben Kingsley .... Lasker-Jones
Mark Payton .... Chapman (モーリス達の学友)Billie Whitelaw .... Mrs Hall (モーリスの母)
Kitty Aldridge .... Kitty Hall (モーリスの妹)
Helena Michell .... Ada Hall (モーリスの妹)Phoebe Nicholls .... Anne Durham (クライブの妻)
Catherine Rabett .... Pippa Durham (クライブの妹)
Judy Parfitt .... Mrs Durham (クライブの母)Alan Whybrow .... Mr Scudder (アレックの父)
Olwen Griffiths .... Mrs Scudder (アレックの母)
Chris Hunter .... Fred Scudder (アレックの兄)Helena Bonham Carter .... (カメオ出演:クリケットの観客)
Simon Callow .... Mr Ducie (モーリスの小学校時代の教師)
www.merchantivory.com/maurice.html
CD:サウンドトラック
書籍:>>E.M.フォースター著書を検索
(1987年 イギリス 140分)
製作総指揮:ジョージ・ハリソン(Handmade Films)
監督・脚本:ニール・ジョーダン
脚本:David Leland・・・『スカートの翼広げて』『あなたがいたら少女リンダ』
ボスの身代わりとなって服役していた冴えない中年男ジョージは、出所後に美しい高級娼婦シモーヌを送迎する運転手の職にありつく。初めは反発しあうふたりだったが、いつのまにかジョージは彼女に恋心を抱くようになる。
暴力を振るうヒモのもとから逃げて来て高級娼婦となったシモーヌだったが、彼のもとに残してきた仲の良い娼婦仲間キャシーのことが気にかかってならない。ジョージは歓楽街に出入りできないシモーヌの代わりにキャシー捜索を引き受けるのだったが・・・
シモーヌは一流ホテルのロビーで客と待ち合わせる高級娼婦。顧客にはアラブの富豪など金持ちばかり。そんな彼女を送迎する仕事なのに、ジョージはいかにも安物の趣味の悪い服を着ていって唖然とされる。
彼女を待つ間、高級ホテルでお茶を頼んだ時、ウェイターに「ラプサンスーチョンにしますか?アールグレイにしますか?」と聞かれても、そういった銘柄を知らないので、ただ「紅茶を」と言うしか出来ない。ラプサンスーチョンは中国産のキーマン茶に松柏の香りを付けた少し変わった香りのする紅茶で、アールグレイはキーマン茶にベルガモットの香りを付けた紅茶。どちらも、およそジョージのような男には似つかわしくない紅茶。
自ら歓楽街に足を踏み入れられないシモーヌのために、ジョージはひとり、人探しをする。
ポルノ・ショップやピープショウなどの風俗店が林立するなか、近年日本進出を果たしたピッツァのチェーン店Pizza Expressの看板も見える。
King's Cross付近は街娼が集まるいかがわしい場所として描かれている。この地域は実際夜になると通りに街娼が立つことで有名。観光客は近づかない方がいいとか。
シモーヌを連れてやってきたのが海辺のリゾート地ブライトン。そこはかつてシモーヌが暴力を振るうヒモから逃れて一夏を過ごした場所だった。
ふたりが散歩した桟橋には、ゲームセンターなどの遊戯施設もあり、自分の気持ちを覆い隠すようにここでおどけたサングラスを買う。心乱れるジョージは桟橋を歩きながら「ブライトンの名所を案内してくれ」と口走るが、その時一緒に「Get me some Brighton Rock.」とも言っている。「ブライトン・ロック」とはブライトン名物のお菓子(飴)のことで、グレアム・グリーンの小説のタイトルにもなった。
やっとの思いで見つけ出したシモーヌの友達キャシー。キャシーがひとつ覚えのように口ずさんでいた歌「マイケル・フィネガン」は、ポピュラーな童謡。この歌によって、「娼婦として働いているが、精神的にはまだ童謡を歌うような年齢であること」を端的に表しているのではないか。
Michael Finnegan
There was an old man named Michael Finnegan
He had whiskers on his chinnegan
They fell out and then grew in again
Poor old Michael Finnegan
Begin again.There was an old man named Michael Finnegan
He went fishing with a pinnegan
Caught a fish and dropped it in again
Poor old Michael Finnegan
Begin again.There was an old man named Michael Finnegan
He grew fat and then grew thin again
Then he died and had to begin again
Poor old Michael Finnegan
Begin again.
音楽担当:Michael Kamen
テーマソング:「モナリザ」ナット・キング・コール
その他挿入歌:「When I fall in live」ナット・キング・コール
「In too deep」 Genesis
Ritz Hotel Restaurant
150 Piccadilly, London W1V 9DGKings Cross, London(N1)
St. Olave's Hospital, Rotherhithe, London
(実はマイケル・ケインが産まれた病院でもある)ブライトン・・・桟橋, Royal Albion Hotel
カンヌ国際映画祭:男優賞受賞(ボブ・ホスキンス)
ゴールデン・グローブ賞:男優賞(ドラマ部門)受賞(ボブ・ホスキンス)
LA批評家協会賞:助演女優賞受賞(キャシー・タイソン)
アカデミー賞:主演男優演技賞ノミネート(ボブ・ホスキンス)(その他)1999年度英国映画協会によるベスト100作品:67位にランクイン
Bob Hoskins .... George
Cathy Tyson .... Simone(高級娼婦)
Michael Caine .... Mortwell (裏社会のボス)
Robbie Coltrane .... Thomas (ジョージの友達)
Clarke Peters .... Anderson (Simoneの元ヒモ)
Kate Hardie .... Cathy (少女娼婦・Simoneの妹分)
Zoe Nathenson .... Jeannie (ジョージの娘)
Sammi Davis .... May (アイルランド出身の少女娼婦)
Rod Bedall .... Terry (Mortwellの手下)
Joe Brown .... Dudley (Mortwellの手下)
(1986年 イギリス 104分)
監督:Pen Densham、脚本: Pen Densham
原作はDaniel Defoeの小説。
舞台は18世紀イギリス、孤児院で育てられていたモル・フランダースの遺児フローラのもとに、モルのかつての主人オールワージー夫人から遣わされた男ヒブルが彼女を引き取りに訪れる。夫人の住む新世界アメリカへの道すがら、ヒブルはモルの回想録を読み聞かせる。
モル・フランダースは窃盗の罪で服役していた母親が看守との間に儲けた子供で、母親はモルが生まれてすぐ処刑されたので、孤児として修道女になるべく育てられた。好色な司祭に逆らって修道院を飛び出した彼女は、篤志家マザワッティ夫人に引き取られるが、諸般の事情で自ら家を出る。
上流階級の為の秘密クラブ(実質は娼館)を経営するオールワージー夫人にメイドとして雇われるが、モルもいつしか娼婦として働くようになり身を持ち崩してゆく。そんな時館に現れた病弱な画家にモデルになり、彼と恋に落ちたことから彼女の運命は・・・あっと驚くどんでん返しが結末に用意されている。
天然痘や阿片のの流行など、当時の世相を反映している。
娼館の客は牧師からイートン校の生徒までと幅広い。
ヒブルはカーディフ(ウェールズ)の刑務所からの脱獄囚。陥れられたオールワージー夫人が入れられたのは有名なニューゲート監獄(ロンドン)。
イギリスの作家。ジャーナリストとしても活躍し、その風刺記事が筆禍事件を起こす。晩年には物語を手がけ、イギリス小説全盛期の先駆をなした。小説『ロビンソン・クルーソー』で知られる
製作がアメリカ=アイルランド共同なので、オスカー女優ブレンダ・フリッカーや実力派ジョン・リンチらのアイルランド勢と、ロビン・ライトやモーガン・フリーマンら(このふたりは、監督のPen Denshamが脚本を書いた『ケビン・コスナーのロビン・フッド』つながりか?)のハリウッド勢から構成されている。
その他、協力企業にウォーターフォード=ウェッジウッドやギネスなどが挙がっている。
Dublin Castle, Dublin, Ireland
Powerscourt House, Enniskerry, Co. Wicklow, Ireland
Robin Wright .... Moll Flanders
Aisling Corcoran .... Flora (モルの娘)Morgan Freeman .... Hibble (Mrs Allworthyの使用人)
Stockard Channing .... Mrs Allworthy (高級娼館の経営者)
Geraldine James .... Edna(Mrs Allworthyの使用人・Hibbleの愛人)John Lynch .... Jonathan Fielding(画家)
Jeremy Brett .... Jonathanの父
Britta Smith .... Jonathanの母
Charlotte Bradley .... シャーロット(Jonathanの妹)Brenda Fricker .... Mrs Mazzawatti (モルを引き取ってくれた篤志家)
Alan Stanford .... Mr Mazzawatti
Nicola Teehan .... Mazzawatti夫人の娘
Eileen McCloskey .... Mazzawatti夫人の娘グラナダTV製作の『シャーロック・ホームズ』シリーズでおなじみのジェレミー・ブレットが、画家ジョナサンの父役で出演。
(1996年 米=アイルランド 124分)
監督:テリー・ギリアム&テリー・ジョーンズ
脚本:グレアム・チャップマン、ジョン・クリーズ、テリー・ギリアム、エリック・アイドル、テリー・ジョーンズ、マイケル・ペイリン
音楽:ニール・イネス
西暦932年のイングランド。ブリテン人の王アーサーは、円卓の騎士たちと共に神の御告げにしたがって聖杯(ホーリー・グレイル)を探す旅に出発した。しかし謎の黒騎士、フランス人たち、ニ!騎士団と、そこには様々な困難が・・・
モンティ・パイソンのメンバーによる「アーサー王と円卓の騎士」伝説のパロディ。馬のかわりにココナッツの殻を鳴らして聖杯を求める騎士たち。
聖杯(ホーリー・グレイル)とはキリストが最後の晩餐に用いた酒杯で、伝説によるとアリマタヤのヨセフがもたらしたといわれている。
一行が"アアアの城"に向かう途中で、アリマタヤのヨセフによって書かれたと思われるメッセージを見つける場面が。
・・・聖杯のある城としてラストシーンに登場。オーバン近く
1540年頃Duncan Stewart によって建築され、ジェームズ4世の狩猟用に献上された城。Official Site
トロイの木馬ならぬトロイのウサギの場面、ランスロット卿が結婚式をぶち壊しにしたSwamp Castleの場面、ガラハッド卿とCastle Anthrax の場面
14世紀末に建てられた城。1580年以来現在に至るまでMoray伯爵の居城となっている。
(3つの質問に答えなければ渡れない死の吊り橋の場面など)
Rannoch Moor, Rannoch Moor,Perth & Kinross グレンコー近く
Graham Chapman .... アーサー王など
John Cleese .... ランスロット卿など
Eric Idle .... ロビン卿など
Terry Gilliam .... アーサーの従者パッツィなど
Terry Jones .... ベデビア卿など
Michael Palin.... 純潔の騎士ガラハッド卿など
Neil Innes .... ロビン卿のお供の吟遊詩人など
Connie Booth .... 魔女裁判にかけられた女性
Carol Cleveland .... Zoot and Dingo (吹き出物城の双子の美女)
(1975年 イギリス 92分)
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