タイトル*さ
監督:パット・オコナー
脚本:Andrew Davies
原作:Maeve Binchyの小説
1949年アイルランド。ダブリン近郊の田舎町ノックグレンで両親の愛情いっぱいに育てられた一人娘のぽっちゃりベニー、修道院育ちの孤児イブ、美人のナンは仲良し三人組。 ナンの引越しで一度は分かれてしまったが、1957年にダブリンの大学に進学して、再び机を並べることに。
ベニーはラグビー部の花形で医者の息子のジャックに一目ぼれ。両親との約束でダブリンに下宿することを許されずバスで遠距離通学していたベニーは、華やかな学生生活に縁遠くなってしまったことを歯がゆさを感じながらも、次第にジャックと親しくなってゆく。
頭の良いイブは、庭師だった亡き父親の雇い主の援助で大学進学を果たし、ジャックの友人エイダンというボーイフレンドもできた。
ナンは子沢山の貧乏な家に生まれたが、父親が家計費を切りつめてなんとか学費を捻出してくれていた。美しい彼女は同年代の学生には目もくれず、故郷のお屋敷の息子サイモンにアプローチをかけていた。結婚すれば自分を労働者階級から引き上げてくれるかもしれないだ。晴れてジャックと恋人同士になり、お互いに性への関心ではちきれそうになりながらも、同時に罪悪感から最後の一線を越えられないふたり。ベニー両親は一人娘に店を継がせるために、店で働いているショーンと結婚させる気になっていた。一方サイモンと肉体関係を結んだナンは妊娠が発覚して捨てられてしまい、思わぬ行動に出るのだが・・・
幼なじみ三人娘の愛と性、友情と裏切りを描いた青春映画。
「アイルランド1949年。うちの一族は先祖代々ノックグレンに住んでいる。アイルランド人は過去を忘れない。私が生まれる少し前まで、この国は1000年も異教徒に支配されてきた。つまりバイキング、ノルマン人、そして英国人。でも運命と教会の力で打ち勝ってきた。」長い間異民族の侵略に堪え忍んできたアイルランド人。映画『マイケル・コリンズ』Michael Collins (1996)に描かれているような混乱を経て、独立への道を勝ち取った。
物語は幼なじみ三人組ベニー、イブ、ナンの堅信礼を教会で執り行うところから始まる。白いベールをかぶって精一杯おしゃれした少女たちが、神妙な顔で聖餅(ウェファースのようなもの)をいただいている。
堅信礼とは、幼児洗礼を受けた者が分別がつく年齢になりその信仰を告白して教会員となる儀式のこと。
ダブリンにある、アイルランド一の名門大学。1592年にイギリスのエリザベス一世によって創設された。アイルランド芸術の至宝、装飾写本「ケルズの書」もここの図書館に展示されている。 |
1997年度のthe Small Luxury Hotel of the Year Award受賞ホテル。ダブリン中心街にある客室数40の小振りながらもエレガントなホテルで、そのサービスには定評がある。料金はダブルで150〜185アイルランドポンド程度。
ベニーがジャックに誘われて参加したダンス・パーティの会場がここ。
また、サイモンと知り合うきっかけを作るために、ナンが偶然を装って席についていたレストランは、このホテルの中にある。ランチでも15.95IRPとなかなかいいお値段。
Eastmoreland Place, Ballsbridge, DUBLIN 4, Republic of Ireland
アイルランドでは日曜日の昼食が一番のごちそう。ベニーの両親は、雇い人のショーンをサンデーランチに招いてベニーと親しくさせようとする。
避妊は忌むべきこととされていたので、カトリックの家庭は一般的に子沢山(モンティ・パイソンのスケッチでも揶揄されているが)。コンドームを手に入れるにはイギリスに買い出しに行くしかなかった。作品中にも使われていたが、コンドームのことは英語のスラングで「French Letter(フランス人の手紙)」という。フランス人が「アングレーズ・シャポー(イギリス人の帽子)」と表現するのと対照的。
アイルランドでは堕胎が違法行為だったので(1996年に合法化)、手術をするにはイギリスに渡らなければならなかった。イギリスでの中絶合法化は1967年だったが、モグリの手術は行われていたようだ。
参考:『アルフィー』 『土曜の夜と日曜の朝』『秘密』カトリック信仰が根強いアイルランドでは人々の考え方も保守的で、婚前交渉さえ罪悪とみなされていた。(参考:『ネフュー』)ベニーがジャックとなかなかベッドを共にできなかったのも、この罪悪感が背景にある。
お屋敷の息子サイモンは、ナンに平気で堕胎を勧めているところなどから推測すると、プロテスタントらしい。
ミニー・ドライバーは役作りのために14キロ近く体重を増やしたとか。
原作者のMaeve Binchyは、1940年にIrelandのDalkeyで生まれたベストセラー作家。ブッシュ元大統領夫人も愛読しているとか。
トリニティ・カレッジ(ダブリン)
http://www.tcd.ie/
Hibernian Hotel(ダブリン)
・・・ダンス・パーティーの会場、ナンがサイモンと食事をしたホテルInistioge, Co. Kilkenny, Ireland
Thomastown, Co. Kilkenny, Ireland
Burnham Beeches, Buckinghamshire, England
Minnie Driver .... Bernadette 'Benny' Hogan
Geraldine O'Rawe .... Eve
Saffron Burrows .... Nan
Chris O'Donnell .... Jack Foley (医者の息子・ベニーの恋人)
Alan Cumming .... Sean Walsh (ベニーに言い寄る青年)
Colin Firth.... Simon Westward (お屋敷の跡継ぎ)
Aidan Gillen .... Aidan (イヴの恋人)
Mick Lally .... Dan Hogan (ベニーの父・洋品店経営)
Britta Smith .... Mrs Hogan (ベニーの母)
John Kavanagh .... Brian Mahon (ナンの父)
Ruth McCabe .... Emily Mahon (ナンの母)
Ciaran Hinds .... Flynn教授
Tony Doyle .... Dr. Foley (医師・ジャックの父)
Marie Mullen .... Mrs Foley (ジャックの母)
Tom Hickey .... Maclure教授
Ingrid Craigie .... Celia Westward (サイモンの母)
Major Lambert .... Major Westward (サイモンの父)
Sean McGinley
Aidan Gillen
イギリスの人気ドラマ"Queer as Folk(邦題:『モダンラブ』)のスチュワート役。
Dan Hogan
『フィオナの海』で、フィオナの祖父役を。
サウンドトラック
チーフタンズ、シェイン・マクガワン(元ポーグス)、モイア・ブレナンetc.原作本
Circle of Friends by Maeve Binchy(papereback)サ−クル・オブ・フレンズ (扶桑社ロマンス) 上・下
モ−ヴ・ビンキ著、中俣真知子訳 /扶桑社 ISBN:4594019552
(1995年 米=アイルランド 102分)
監督:デレク・ジャーマン
原子力発電所が見えるイングランドの荒野ダンジネス。デレク・ジャーマン自身の「ガーデン」、そして…
鬼才デレク・ジャーマンが2年間に渡って心象風景と自宅からの眺めを撮影。不思議な世界に引き込まれる黙示録的な作品。音楽はSimon Fisher-Turner。
荒野に咲き乱れる花
原子力発電所(Dungeness Nuclear Power Station)
海キャベツ(クランベ・マリティマ)
Tilda Swinton.... 聖母マリア
Roger Cook .... キリスト
Spencer Leigh .... マグダラのマリア/Adam
Kevin Collins .... 恋人たち
Johnny Mills .... 恋人たち
Michael Gough
Jody Graber .... 少年
Pete Lee-Wilson .... 悪魔
Philip MacDonald .... ヨセフ
Jessica Martin .... 歌手
Stephen McBride
Dawn Archibald
(1990年 英=日=西独 85分)
監督ピアス・ハガード
原作:ノーベル賞作家ゴールズワージーの「The Apple Tree(林檎の樹)」。
20C初頭のイギリス、都会の青年フランクは、徒歩旅行中のダートムーアで出会った村の少女メガンと恋におちる。周囲の反対に駆け落ちを計画するが、銀行に行くために立ち寄った町トーキーで昔の友人に再会したことからフランクの中で何かが変わり始め・・・
ダートムーアらしく宴会では特産のサイダー(りんごから作る発泡酒)が振る舞われていた。当時のトーキーは上流階級の集まる保養地で、瀟洒な街並み、日傘にドレスと着飾った淑女たち・・・と、ダートムーアの素朴な風景と対照的。フランクはウィンチェスター、旧友はイートンと、二人ともパブリックスクール出身であることが会話でも分かる。
ダートムーア(Devon,Somerset)
James Wilby .... Frank Ashton (ロンドンから来た青年)
Imogen Stubbs .... Megan
Susannah York .... Mrs Narracombe (Meganが世話になっている婦人)
Kenneth Colley .... Jim
Jerome Flynn .... Joe
Lee Billett .... Nick
Oliver Perry .... Rick
Harry Burton .... Garton
Sophie Ward .... Stella (友人の妹)
John Elmes .... Halliday
Camilla Power .... Sabina
Juliette Fleming .... Freda
Sukie Smith .... Betsy
(1988年 イギリス 97分)
監督・脚本:Franc Roddam
脚本:Dave Humphries/Martin Stellman/Pete Townshend
イギリスのロック・バンドThe Whoの1973年のアルバム「Quadrophenia(四重人格)」をベースにした作品。
1964年の夏、3つボタンのスーツにネクタイにオリーブ色のパーカーを羽織ってスクーターに乗ったモッズと、黒い皮ジャンにリーゼントのロッカーズの対立、モッズたちの青春や恋、夢と挫折を、The Whoの音楽にのせて描いている。あの時代に青春を送った人にはたまらない作品。
モッズが好むスーツは細身で三つボタン、サイドベンツ入り。ジミーの仲間のひとりが仕立て屋で仮縫いしてもらっている時に、ぎりぎりまで細身にしてくれるように頼んでいた。ジミーも週末のブライトン行きのために、スーツを新調していた。
彼らがバイクでなく、ベスパのようなスクーターに乗るのは、スーツを汚さないため。スクーターといってもかなり大型のもので、バックミラーをいくつもつけて各人が工夫を凝らしている。主人公の大事なスクーターは後に赤いRoyal Mail(郵便局)の車に轢かれて壊れてしまうのだが。
ジミーが部屋で夢中になって観ていたのは、1963-1966の毎週金曜夕方に放映されていた人気番組「Ready, Steady, Go!」。お父さんがやってきて、"何だあのギターは"などと文句を並べる。
この番組は、英国映画協会によるテレビ番組ベスト100でも62位にランキングされている。
Brighton, East Sussex
Shepherds Bush, London
Alfredo's Cafe, Essex Road, Islington, London
Bramley Arms, London(パブ"the Brighton" として)
LA Fitness Centre, Winchmore Hill Road, Southgate, London
Outside former Wellington PH, North Hill, Highgate, London
Beachy Head(ホワイトクリフ)
有名な保養地ブライトンのPalace Pier、ホワイト・クリフの断崖、ロンドンのShepherds Bushあたりの街並み、何気ないカフェの風景などひとつひとつが印象に残る。
ブライトンPalace Pier
ここでエースのバイクを盗んだ
ラストシーンBeachy Head
The Whoのアルバム「四重人格」のナンバーを中心に、ジェームズ・ブラウン、キングス・メン、シュープリームスなど。
パーティーでかかっていたカスケーズの「Rhythm of the Rain」を、ジミーがサッとThe Whoの「My Generation」のレコードに替えてしまうところが何ともいえない。
Phil Davis .... James Michael "Jimmy" Cooper
Leslie Ash .... Steph
Phil Davis .... Chalky (ジミーのモッズ仲間)
Mark Wingett .... Dave(ジミーのモッズ仲間)
Sting.... Ace(ジミーが憧れるかっこいいモッズ青年)
Ray Winstone .... Kevin(ジミーの旧友・ロッカー)
Garry Cooper .... Pete(ステフの最初の彼氏)
Gary Shail .... Spider (ジミーのモッズ仲間)
Toyah Willcox .... Monkey(ジミーのモッズ仲間・金髪のモンチッチ頭)
Trevor Laird .... Ferdy(ドラッグ・ディーラー)
Kate Williams .... ジミーの母
Michael Elphick .... ジミーの父
Benjamin Whitrow .... Mr Fulford
Hugh Lloyd .... Mr Cale (ジミーの上司)
Timothy Spall .... 映写技師(ジミーの職場の)
The Policeのスティングや、パンク・シンガーのトーヤ・ウィルコックスが脇役ながら好演。
(1979年 イギリス 107分)
監督:Janet Meyers
脚本:Robert Rodat
1888年ロンドン・イーストエンド。スコットランド・ヤードのハンセン警部補は娼婦の惨殺事件を担当していた。恐るべき"切り裂きジャック"と見られる容疑者が逃げていくところを偶然目撃した娼婦フロシーの証言をもとに捜査に全力を尽くすが、やがて恐るべき犯人像が浮かび上がる。そして唯一の目撃者であるフロシーに魔の手が・・・
19世紀末のロンドンを震撼させた「切り裂きジャック(Jack The Ripper)」をめぐるサイコ・サスペンス。
貧民街イーストエンド出身だが、ネクタイの結び方の研究に時間を費やしたり、1ヶ月分の給与を靴につぎ込んだり、上流階級の人々とのコネクションを作ろうとしていたり・・・と、上昇志向の強い人物像がうかがえる。
本名はPrince Albert Victor Edward。"ヴィクトリア女王の長男の長男"として未来の王位継承者の位置にある。名誉あるガーター勲章を受けている。イートン校からケンブリッジのキングス・コレッジへと進むエリートだが・・・。
「ベントン・クラブ」は会員専用ステッキがあるような高級なクラブで、貴族や王族も会員に名を連ねていた。
治療には砒素を用いたが、根本的な治療法はまだ確立されていなかった。症状が進むと精神障害を引き起こす。
巡査部長トミーの発音は典型的コックニー。eiがaiに変化し、「th」音が「f」に置き換わる。
オーストラリア・メルボルン
Patrick Bergin .... Inspector Jim Hansen (イーストエンド育ち)
Gabrielle Anwar .... Florry(娼婦)
Samuel West .... Prince Eddie
Michael York .... Sir Charles Warren (警察署長)
Olivia Hamnett .... Lady Margaret (警察署長夫人)
Adam Couper .... Sgt. Tommy Bell (Jimの同僚・巡査部長)
Damien Pree .... Peters(警官・Jimの部下)
Essie Davis .... Lady Evelyn Bookman (Jimに引き合わされた女性・父親が署長夫人の秘書)
Karen Davitt .... Mary Kelly
Stewart Morritt .... Cyllen
Kevin Miles .... Sir William Fraizer
John Gregg .... Dr. William Gull (王室担当医師)
Frank Whitten .... Dr. Pearce
(1997年)
原作は有名なオスカー・ワイルドの聖書を題材にした戯曲を鬼才ケン・ラッセル監督がアレンジ。ワイルドの原作はフランス語の脚本だが、監督の妻であるVivian Russellが英語に翻訳した。
1892年のガイ・フォークス・デイ(11月5日)にワイルドの恋人・ボジーが仲間を集めて彼の戯曲を上演してみせるという劇中劇の趣向。ところが思いがけない結末へと… 恋は時として狂気に変わる―――劇中劇でも劇の外の世界でも。
「Give me the head of John the Baptist!(洗礼者ヨハネの首をちょうだい!)」と叫ぶ舌足らずなコックニー訛りのキッチュなサロメ。ヘロデア役のグレンダ・ジャクソンの存在感がすごい。
ガイ・フォークス・ナイトにはしゃぐ子供たち(詳しくはこちらをご覧ください。)、19世紀末の退廃した雰囲気…グリーグの「ペール・ギュント」、ドビュッシーの「月の光」、サティなどの音楽がわざと通俗的に使われている。
Royal College of Physicians(WebSite)など。
11 St Andrews Place, Regent's Park, London NW1 4LE
Glenda Jackson .... Herodias (ユダヤの王妃) / Lady Alice
Stratford Johns .... Herod (ユダヤの王) / Alfred Taylor (娼館の主人)
Nickolas Grace .... Oscar Wilde (作家)
Douglas Hodge .... 洗礼者ヨハネ / Lord Alfred "Bosey" Douglas (ワイルドの愛人・ボジー)
Imogen Millais-Scott .... Salome(ユダヤの王女) / Rose (屋敷の小間使い)
Denis Lill .... Tigellenus / Chilvers (執事)
Russell Lee Nash .... 小姓
Ken Russell .... カッパドキア人 / Kenneth (カメラマン) :カメオ出演
David Doyle .... A. Nubin
Warren Saire .... 若きシリア人
Kenny Ireland .... 第一の兵士
Michael Van Wijk .... 第二の兵士
Paul Clayton .... 第一のナザレ人
Imogen Claire .... 第二のナザレ人
Tim Potter .... パリサイ人
Matthew Taylor .... サドカイ人
Linzi Drew .... 第一の奴隷
Tina Shaw .... 第二の奴隷
Caron Anne Kelly .... 第三の奴隷
Mike Edmonds .... 第一のユダヤ人
Willie Coppen .... 第二のユダヤ人
Anthony Georghiou .... 第三のユダヤ人
Leon Herbert .... Namaan (首切り役人)
Dougie Howes .... ダンスの中の男性版サロメ
『オスカー・ワイルド全集』西村孝次・訳/青土社
・・・現在絶版?『サロメ』
オスカー・ワイルド/福田恒存・訳/岩波文庫『サロメ,ウィンダミア卿夫人の扇』
オスカー・ワイルド/西村孝次・訳/新潮文庫 (1953/04/01)『サロメと名言集』
オスカー・ワイルド/川崎 淳之助・荒井 良雄 編・訳『オスカー・ワイルドの生涯』
平井博・著/松柏社『オスカー・ワイルドの生涯―愛と美の殉教者』
山田 勝・著/NHKブックス(1999/11/01) 日本放送出版協会
(1987年 アメリカ 89分)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:John Buchan(→こちらのサイトで全文が読める)
外交官ハネイは、何でも記憶してしまう男のショーを見に行った帰りに、謎めいた美女アナベラと知り合い、彼女を自分のフラットに連れ帰る。アナベラは実はスパイであることを告白し、追手の影におびえる。その夜彼女が何者かに殺されてしまったことから、ハネイは彼女が遺した言葉"39階段"と、その手に握られていた地図を頼りに、イギリス空軍の機密を守るために一路スコットランドへ。ところがアナベラの殺人容疑までかけられたハネイは、警察とスパイ組織の両方から追われることに。
ハネイは無事に機密の国外流出を防げるのか?彼の殺人容疑は?そして"39階段"の意味とは?
1999年度英国映画協会によるベスト100作品:4位にランクイン
ハネイが借りているフラットの住所はPortland Place。地下鉄リージェント・パーク駅とオックスフォード・サーカス駅を結ぶ通りにある好立地。
お腹が空いたアナベラに、冷蔵庫から大きなハドック(タラの一種)をひょいとだして、焼いてやる。
フラットから脱出する時には、やってきたミルクマンの制服を借りる。
ロンドンのキングス・クロス駅とスコットランドを結ぶ鉄道の愛称。(この映画では蒸気機関車。)
ドアの取っ手は外側に付いているので、窓から腕を出して開閉する。
一夜の宿を求めた家で、夕食に出てきたのは、スコットランド名物のヘリング(=にしん)。
主人の妻マーガレットはグラスゴー出身。
ハネイたちがスパイ組織のアジト(?)インベラリーに移送される時に、行く手を遮ったのは羊の群れ。実際カントリーサイドでは、羊の群れが道路を横断することが良くあるらしい。
この作品は2回リメイクされている。
『三十九階段』(1959)・・・監督:ラルフ・トーマス、出演:ケネス・モア、ダイナ・エルグ
『39階段』(1978)・・・監督:ドン・シャープ、出演:ロバート・パウエル、デヴイッド・ワーナー
ロンドン(パラディウム劇場など)
Forth Bridge(鉄橋), South Queensferry, Scotland
Robert Donat .... Richard Hannay
Madeleine Carroll .... Pamela
Lucie Mannheim .... Annabella Smith(秘密工作員)
Godfrey Tearle .... Jordan教授
Helen Haye .... Jordan夫人
John Laurie .... John
Peggy Ashcroft .... Margaret (スコットランドで宿を借りた家の女性)
Wylie Watson .... 記憶力の良い男
監督のヒッチコックは、ミュージックホールの外でハネイとアナベラがバスに乗ろうとしていた時に、ごみを捨てていた男としてカメオ出演。
(1935年 イギリス B&W 88分)
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