Cinema ロケ地別INDEX 俳優 A to Z 女優 A to Z Home


『リベンジャーズ・トラジディ』Revengers Tragedy (2002)

監督:アレックス・コックス
脚本:フランク・コットレル・ボイス、アレックス・コックス

原作:トーマス・ミドルトン(シリル・ターナー)「The Revenger's Tragedy」(復讐者の悲劇)

『復讐者の悲劇・無神論者の悲劇 エリザベス朝演劇集4』
シリル ターナー (著)小田島 雄志 (翻訳)白水社刊

Story

舞台は近未来のイギリス、リヴァプール。宇宙空間にはこの町を牛耳る権力者デュークの偵察衛星が不気味な光を放ちつつ漂っている。そこへ舞い戻ってきたのは、デュークとその一族への復讐心を燃やす男ヴィンディチ。彼の最愛の恋人グロリアーナはデュークの欲望を拒んだために、ヴィンディチとの結婚式当日に毒殺されていた。
ヴィンディチはデューク一族の警備員として働く兄のカルロと再会し、デュークの長男ルスリオーソに近づく。ヴィンディチはルスリオーソが強い関心を持っている娘が自分の妹カスティーザだったことを知って驚く。ルスリオーソの命令で彼の寵愛を受けるようカスティーザと母を説得するよう派遣されるヴィンディチ。盲目の母はヴィンディチが息子であることに気づかず、金に目がくらんでルスリオーソの求愛を承諾する。

デュークの息子の一人が大物政治家アントニオ卿の美貌の奥方イモジェンをレイプした咎で逮捕され、デューク夫人とその息子スピューリオが肉体関係にあるというスキャンダルが明るみに出る。ヴィンディチはデュークの5人の息子たちを互いに対立させ、好色なデュークを罠にかけるべく動き出す・・・

ジャコビアン朝の戯曲トマス・ミドルトンの「復讐者の悲劇」の舞台をアレックス・コックス監督の故郷である近未来のリヴァプールに移したアナーキーな復讐劇。イングランド北部ならではの雰囲気が興味深い。ハムレットの髑髏のようでありながら、黒々として生前の姿を思わせる豊かな赤毛が不気味さを添える髑髏の使い方が印象的。クリストファー・エクルストンエディ・イザードデレク・ジャコビとキャストも秀逸。

Check!

原作

原作戯曲『The Revenger's Tragedy』1606年に作者不詳でロンドンで出版された。作者は以前はシリル・ターナー(Cyril Tourneur)とされていたが、現在はトマス・ミドルトン(Thomas Middleton 1580-1627)とする説が有力。DVDの特典映像でも語られているが、ジャコビアン朝(エリザベス朝の次の時代)演劇の台詞はシェイクスピアを代表とするエリザベス朝演劇のものと比べると、より現代的な言葉遣いになっている。
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Revenger%27s_Tragedy

http://wikisource.org/wiki/The_Revengers_Tragedy

『復讐者の悲劇・無神論者の悲劇 エリザベス朝演劇集4』
シリル ターナー (著)小田島 雄志 (翻訳)白水社刊

リヴァプール

この作品は監督のアレックス・コックスを筆頭に、クリストファー・エクルストンを始めとするキャストからスタッフまでリヴァプール出身者で固められている。リヴァプールの地元紙「Riverpool Echo」が売られている場面も。

ダブルデッカーバスに乗って10年ぶりに帰郷したヴィンディチは地元のチンピラたちに「よそ者か」とからまれる。この時「よそ者」を表す言葉として「コックニー(ロンドンっ子)」という単語を使っているのも興味深い。

スポーツパブで観戦

それぞれデュークとアントニオ卿の後押しを受けた二人の選手が対決する様を一般庶民がスポーツ・パブで観戦する場面がある。イギリスではこのようにスポーツパブに集まってフットボール(サッカー)等の応援をする風景がよく見られる。もっとも、この時の対決はフットボール(サッカー)ではなく、フットボールゲームだったのだが。

ロケ地:リバプール

St George's Hall

 

Aintree Racecourse

Ormskirk Rd Aintree,Liverpool Merseyside L9 5AS
www.aintree.co.uk

キャスト

Christopher Eccleston .... Vindici
Andrew Schofield .... Carlo (Vindiciの兄)
Carla Henry .... Castiza (Vindiciの妹)
Margi Clarke .... Hannah (Vindiciの母)
Jean Butler .... (Vindiciの妻)

Derek Jacobi .... The Duke
Diana Quick .... The Duchess (DUKEの後妻)
Eddie Izzard .... Lussurioso(DUKEの長男)
Justin Salinger .... Ambitioso (DUKEの次男)
Marc Warren .... Supervacuo (DUKEの三男)
Fraser Ayres .... Spurio (DUKEの四男)
Paul Reynolds .... Junior(DUKEの末の息子)

Anthony Booth .... Lord Antonio(政治家)
Sophie Dahl .... Imogen(アントニオ卿の若妻)

参考資料とソフト

http://us.imdb.com/title/tt0286921/

http://www.revengerstragedy.com/

http://www.cablehogue.co.jp/revengers/index2.html

http://www.alexcox.com/

 


 


Cinema ロケ地別INDEX 俳優 A to Z 女優 A to Z Home

Copyright (c)2005 Cheeky All Rights Reserved
当サイトに掲載されている情報・記事・画像など、全ての内容の無断転載を禁止します。
引用される際は、必ず出典として当サイト名とURLを明示してください。