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タイトル*ひ


『ヒア・マイ・ソング』 Hear My Song (1991)

監督:Peter Chelsom

Story

アイルランド出身の若きプロモーター、ミッキーはリバプールのマーシィサイドにあるクラブ「Heartly's」を中心に、アイルランド移民のネットワークを助けに活躍していた。

脱税事件でお尋ね者となっていた往年の名歌手ジョー(ジョセフ)・ロックのリサイタルを企画し成功を収めるが、ジョーのかつての恋人だったキャサリン(ナンシーの母)に偽者だと見破られ、プロモーターとしての信用ばかりか自分の恋人ナンシーまでも失ってしまう。ミッキーは本物のジョー・ロックを見つけて汚名を返上するために、はるばるアイルランドまで旅に出る。そしてあっと驚く結末が・・・

アイルランドへの旅はジョー・ロック探しの旅であるのと同時に、ミッキー自身の「自分探し」の旅でもあった。荒々しい岸壁に押さつけえられて、初めて自分の本当の気持ちに気付いたのだから。

Check!

ミッキーと友人はアイルランドの荒野を車で移動しているときに、「道に迷ったのは妖精のせいだから」といって、おまじないに上着を裏返しにする。 妖精伝説が今も身近に感じられるアイルランドらしい。 パブや農場、牛のセリ市場の様子も興味深い。

リバプールはアイルランド移民が多い(人口の約40%)ので有名な街。この物語のように移民同士の助け合いコミュニティがあるとか。

ロケ地

リバプール

Davenport Hotel, Merrion Square, Dublin

旧Merrion Hall

www.ocallaghanhotels.ie/davenport
Merrion Square,Dublin 2, Ireland

Howth, Dublin

ダブリン郊外北部

モハーの断崖(Cliffs of Mohar), Co. Clare

O'Briens' Towerなど

 

キャスト

Adrian Dunbar .... Micky O'Neill (アイルランド移民のプロモーター)
Tara Fitzgerald .... Nancy Doyle (ミッキーの恋人)
Shirley Ann Field .... Cathleen Doyle (ナンシーの母)
Donna McReady .... ナンシーの母の若い頃
Ned Beatty .... Josef Locke (お尋ね者の往年の名歌手)
Terry Mulligan .... 歌手ジョー・ロックの若い頃
Phil Kelly .... Ronnie Lavelle
Jean Blanchflower .... Ronnie's Mum
Joe Cuddy .... Franc Cinatra (偽シナトラ)
William Hootkins .... Mr X (偽ジョー・ロック)
David McCallum .... Jim Abbott

参考資料・ソフト

imdb.com

 

(1991年 イギリス 105分)


『ピーターズ・フレンズ』Peter's Friends (1992)

監督:Kenneth Branagh
脚本:Martin Bergmann/Rita Rudner

Story

1982年に大学を卒業した男女6人が、その10年後の1992年の年末のNew Year's Partyに、仲間の一人ピーターのマナーハウスに集まる。それぞれの家庭生活や恋愛の問題を抱えた仲間たちは、やるせない気分になっていくが、そんな彼らに衝撃を与えたのは、大晦日のピーターの重大な告白だった・・・

Check

冒頭の「地下鉄ソング」は、ロンドンの地下鉄の路線図や駅名が頭に入っていれば倍楽しめるので、ぜひ路線図のご用意を。 Mind The Gap!

爵位を持つピーターのお屋敷は典型的なカントリー・サイドのマナー・ハウス。 シックな調度品、壁にかけられた絵画、赤々と火のともる暖炉・・・クリスマス・カードもたくさん暖炉の上に飾られている。(*キリスト教圏では25日を過ぎてもクリスマスの飾りをしばらくおいておくのが一般的)

パーティー料理にもぜひ注目を。ローストビーフのヨークシャー・プディング添え、マッシュルーム・スープなど典型的英国料理。食器やクリスタルも美しい。

きりっとしたハウス・キーパーのヴェラを演じるのは、エマ・トンプソンの実母フィリダ・ロウ。
また、エマ・トンプソンのコメディエンヌぶりは、彼女の本領発揮といったところか。 ←大学時代の彼女は、この作品でも共演しているスティーブン・フライやヒュー・ローリーとともにレビュー(軽喜劇)劇団を主宰していた。
(当時夫だった)ケネス・ブラナーが制作・監督・出演をこなし、このエマ・トンプソン・ファミリーとの抜群の息の合った演技を見せている。

Tears for Fears、 Cindy Lauper、 Eric Clapton、 Bruce Springsteenなど、80年代のヒット曲が山盛りで懐かしい気分にさせられる。

ロケ地

Wrotham Park, Barnet, Hertfordshire

 

キャスト

Hugh Laurie .... Roger (CMのジングルライター)
Imelda Staunton .... Mary (Rogerの妻・心配性)
Stephen Fry .... Peter (父親の死後、爵位と土地を相続)
Emma Thompson .... Maggie (Peterに想いを寄せる)
Kenneth Branagh .... Andrew (ハリウッドで仕事・Peterの親友)
Alphonsia Emmanuel .... Sarah (恋多き女性)
Rita Rudner .... Carol (Andrewの妻・女優)
Phyllida Law .... Vera (Peterの家のハウスキーパー)
Alex Lowe .... Paul (Veraの息子)
Richard Briers .... Peterの父

参考資料・ソフト

imdb.com

(1992年 英=米 101分)


『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』A Hard Day's Night (1964)
別題:『ハード・デイズ・ナイト』

監督:リチャード・レスター・・・『ナック』、『三銃士』、『Help!四人はアイドル』
脚本:アラン・オーウェン・・・リバプール出身の劇作家
音楽監督:"5人目のビートルズ"といわれた(Sir)ジョージ・マーティン

Story

"人気絶頂のアイドル・グループのある一日"−−−電車に乗っても駅でも通りでも熱狂的なファンに追い回されるビートルズの面々。ホテルに泊まり、リハーサルをし、TV出演に備える・・・そんな過密スケジュールのなかに闖入してきたトラブル・メイカーなポールのおじいちゃんと、ひとりTV局を飛び出したリンゴが巻き起こすちょっとした騒動。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴのそれぞれの個性が際立つスタイリッシュな傑作。60年代のファッションや鮮やかな演奏シーンも見逃せない。

Check!

ビートルマニアの熱狂

人気絶頂のアイドル・グループ、ビートルズ。大勢の女の子たちに追いかけられ、ロンドンの街を駆け巡る有名なオープニングは、映画『オースティン・パワーズ』でもパロディ化されていたような。

列車に乗って

冒頭で乗っった列車はパディントン駅発マインヘッド行きという設定。イングランド南西部行きのBrit Railはパディントン駅が始発駅だが、実際はメリルボーン駅で撮影。日曜日に閉鎖される駅だったので、撮影が容易だったからだそうだ。

食事風景いろいろ

4人とおじいさんがサンドイッチを食べている場面で、そばにはしっかり食卓の定番HPソースとハインツのケチャップの瓶が並んでいる。

リハーサルの合間にリンゴとおじいさんが食堂に行った時にも、HPソースが。

リンゴがひとりで入ったパブのサンドイッチはいかにもまずそう。パブの壁によくかかっているダーツで遊ぼうとするが・・・

お風呂の鼻歌

ジョンがバブル・バスに使って、英国船とUボートごっこで遊んでいる時に、「Rule Britania」を口ずさんでいる。

 

意外なところに

アイルランド系

ポールの祖父が警察に連行された時「アイルランド兵士は・・・」という台詞があるが、ビートルズの4人のうち3人はアイルランド系。彼らが育ったリバプールは、アイルランド系住民が多いことで有名な街で、住民の約4割に達するという。ちなみにジョン・レノンとオノ・ヨーコの息子「ショーン(Sean)」というのも、いかにもアイルランド的響きを持った名前。

ビートルズ映画

ビートルズ出演映画
『Help!四人はアイドル』Help! (1965)リチャード・レスター監督作品
『マジカル・ミステリー・ツアー』Magical Mystery Tour (1967)
『イエロー・サブマリン』Yellow Submarine (1968)ミュージカル・アニメーション
『レット・イット・ビー』Let It Be (1970)・・・アルバム『Let It Be』の製作風景を追ったドキュメンタリー
 
ビートルズを描いた映画
『バックビート』Backbeat (1993)
ビートルズの初期メンバースチュワート(スティーブン・ドーフ)。イアン・ハートがジョン・レノン役を
『僕たちの時間』The Hours and Times (1991) ジョン・レノン(イアン・ハート)と当時のマネージャー、ブライアン・エプスタインがスペインに旅行した時の小景。
 
ビートルズのパロディ
『ラトルズ/四人もアイドル』The Rutles (1978)

ロケ地

Marylebone駅周辺

Marylebone Station, London・・・パディントン駅として
Boston Place, London・・・冒頭の場面

Crowcombe Station, Somerset

・・・ビートルズがプラットフォームを走りながら列車内の紳士をからかう場面

Minehead, Somerset

Newton Abbot, Devon

Gatwick Airport South, West Sussex

・・・4人がヘリポートにいる場面、ラストシーン

Les Ambassadeurs club

5 Hamilton Place, off Park Lane, London(カジノクラブ"Le Circle"とディスコのロケ)ハイドパークコーナー駅近く

ノッティング・ヒル周辺

Notting Hill Gate, London・・・警官との追いかけっこの場面(St. Luke's Road/Lancaster Road/All Saints Road)

St. John's Secondary School, 83 Clarendon road(W11)・・・警察署として

streetmap.co.uk

Heathfield Street

Penzance Place(W11),

Portland Arms, Portland Road(W11),

Scala Theatre, London

・・・TV出演の場面
(Scala Street/Tottenham Street/Charlotte Mews)

2 Goldhawk Road, London(W6)

Hammersmith Odeon Cinema

Hammersmith Odeon Cinema, Queen Caroline Street・・・裏階段を駆け降りる場面

Thornbury Playing Fields, Isleworth

・・・ヘリポートではしゃぐ場面

Turk's Head pub, Winchester Road, Twickenham

・・・リンゴがひとりで入ったパブ

Thames footpath, Nr Twickenham(Kew Bridge)

・・・リンゴが土手を散歩する場面

Edgehill Road(West Ealing)

・・・リンゴが水溜まりにマントをかけてあげる場面

 

音楽

A Hard Day's Night by The Beatles

1. A Hard Day's Night
2. I Should Have Known Better
3. If I Fell
4. I'm Happy Just To Dance With You
5. And I Love Her
6. Tell Me Why
7. Can't Buy Me Love
8. Any Time At All
9. I'll Cry Instead
10. Things We Said Today
11. When I Get Home
12. You Can't Do That
13. I'll Be Back

 

Awards

1999年度英国映画協会によるベスト100作品:88位にランクイン

米アカデミー賞2部門ノミネート
脚本賞:アラン・オーウェン、音楽(編曲賞) :ジョージ・マーティン

キャスト

John Lennon .... John
Paul McCartney .... Paul
George Harrison .... George
Ringo Starr .... Ringo

Wilfrid Brambell .... Paulの祖父
Norman Rossington .... Norm(マネージャー・ちび)
John Junkin .... Shake(マネージャー)
Victor Spinetti .... T.V. Director

参考資料・ソフト

imdb.com

国内盤DVD

official
http://www.miramax-aharddaysnight.com/

オフィシャル・ファンクラブ:B'net

(1964年 イギリス 90分 B&W)


『ビーン』Bean(1997)

監督:Mel Smith
脚本:Richard Curtis / Robin Driscoll

Story

おなじみMr ビーンの映画版で、アメリカを舞台に繰り広げるドタバタコメディ。ホイッスラーの名画がヨーロッパからアメリカに買い戻されるにあたって、ナショナル・ギャラリーから高名な学者として派遣されたビーン。本当はただの監視員なのに、高名な学者と勘違いされ、さらに貴重な絵画にダメージまで与えてしまう。相変わらずのマイ・ペースで周囲をパニックに陥れるが・・・

Check

冒頭でナショナル・ギャラリーの内部や会議室、ハロッズなどが登場するが、舞台はすぐアメリカへ移る。カリフォルニアの青い空があれほど似合わない男も珍しいのでは?

挿入歌にスコットランド出身のバンドWet Wet WetによるThe Beatlesのカバー「Yesterday」が。歌詞の内容があまりに状況にマッチしていて笑える。エンディング曲はBoyzoneの「picture of you」

Mr ビーン独特の「毒」がアメリカ的ハート・ウォーミング映画になっってしまったことで薄められてしまったのがちょっと残念。

ロケ地

ロンドン(ナショナル・ギャラリーなど)

アメリカ

参考資料・ソフト

imdb.com

 


『日蔭のふたり』Jude(1996)

監督:マイケル・ウィンターボトム

Story

19世紀イングランドの片田舎。大学進学を目指す勤勉な若者ジュードは、豚飼いの娘アナベラに誘惑され、やがて妊娠したと告げられて結婚するが、彼女が慣れた手つきで豚を屠殺する姿を見て逃げだす。

大学都市クライストミンスターへ移り、石工として働きながら勉強しているうちに、偶然美しく聡明な従姉妹スーと出会い恋をする。しかしジュードの過去を知った彼女は、彼の少年時代の師フィロットスンのもとへ。

しかし互いに相手を忘れられない二人はすべてを捨てて同棲を始めるが、世間の視線はあまりにも冷たく、悲劇は密かに忍び寄っていた・・・「たとえこの世が滅んでも僕たちは夫婦だ!」ジュードの悲痛な叫びがイングランドの灰色の空にこだまする・・・

Check!

原作はトマス・ハーディが1895年に書いた小説"Jude the Obscure"(『日蔭者ヂュード』岩波文庫)。きめ細かい描写と大胆な省略(原作と違って物語はすべてイングランド内で展開する)でドラマティックに演出する。

原作テキスト:"Jude the Obscure" by Thomas Hardy

19世紀の倫理観は厳しく、結婚していないジュードとスーに対する世間の風当たりは現在とは比較にならないほど激しかった。

オックスフォードを思わせる(架空の)大学都市クライストミンスターは、町中学生や学者があふれたアカデミックな雰囲気。だがこの頃は階級意識が強く、いくら向学心に燃えても労働者階級が学問を志すには大きな障害があった。

 

ロケ地

ハーディの原作の舞台のウェセックス、ドーセット地方は、現在開発が進んでいたため、撮影はスコットランド各地やイギリス北部で行なわれた。

Richmond, North Yorkshire

London

Surrey, England

County Durham, England

(クライストミンスターの場面)

Beamish Museum, County Durham

Edinburgh, Scotland

(クライストミンスターの場面)・・・ロイヤル・マイルを卒業式の行進の場面に使用。St. Giles Cathedral近くの広場をマーケットとして使用。

Blanchford Village, Northumberland

 

キャスト

Christopher Eccleston .... Jude Fawley
Kate Winslet .... Sue Bridehead (Judeの従姉妹)
Liam Cunningham .... Phillotson (Judeの少年時代の恩師)
Rachel Griffiths .... Arabella (豚飼いの娘)
June Whitfield .... Judeの叔母

参考資料・ソフト

imdb.com

DVD(国内盤)あり

(1996年 イギリス 123分)


『日の名残り』The Remains Of The Day(1993)

監督:ジェイムズ・アイヴォリー
製作:イスマエル・マーチャント
脚本:Ruth Prawer Jhabvala
原作:カズオ・イシグロ・・・ブッカー賞受賞作
撮影:Tony Pierce-Roberts
編集:Andrew Marcus
音楽:リチャード・ロビンス

Story

第一次大戦後、1930年代のオックスフォードシャー、ダーリントン・ホールで執事として主人に仕えていたスティーブンス氏。 戦後にダーリントン卿がナチのシンパとして世間から糾弾され失意のうちに世を去った後、アメリカの大富豪ルイス氏が館を買い取ることになった。 新しく女中頭を雇うにあたって、スティーブンス氏は昔この館に勤めていたMissケントンに来てもらえないかと思案し、ひとり車に乗ってウェスト・カントリーへ向かっているうちに、20年前の記憶が鮮やかに蘇ってゆく・・・。

重厚かつ華麗な英国のマナーハウスを舞台に、執事と女中頭の間に芽生える淡い感情、そして執事とは何かという哲学、古き良き時代への憧憬をあますことなく描いた名作。

 

Check

ダーリントン・ホール

設定ではオックスフォードシャーにあるマナーハウスということになっている。 各国の要人を招いての会合を開いたり、大掛かりなキツネ狩りを催したりと、この地方きってのマナーハウスである様子が描かれている。

本棚や壁のように見える場所に隠し扉があったりするのも面白い。

銀器のコレクションは相当なもので、ピッチャーや銀食器、そしてティーセットにいたるまで見事な銀製品がそろっている。 外国からの賓客をもてなす前には、何人もの使用人が集まって入念に磨いている。

執事の哲学

スティーブンスの口から、理想の執事とは何かという哲学が語られている。

「優秀な執事と呼ばれるための条件とは何か。 品格(dignity)があるかないかだ。」

「執事が真に満足できるのは、雇い主にすべてを捧げて仕えられた時だ。 雇い主が地位と富だけではなく、道徳的にも優れたものを持っていることが条件だがね。」

父の死に目に立ち会うことよりも職務を全うすることを優先し、ミス・ケントンへの想いも秘めたままに・・・執事という職業に誇りを持ちすべてを捧げた男の生き方をアンソニー・ホプキンスが好演。

毎朝新聞にアイロンをかけるのは、見栄えもあるがインクが主人の手につきにくくするため。

『ゴスフォード・パーク』 Gosford Park (2001) にも執事や女中頭たちが屋敷を取り仕切るさまが描かれている。

郵便局

田舎町では雑貨屋が郵便局を兼営していることが多い。 スティーブンス氏がミス・ケントンからの伝言を預かってくれるようにお願いしていた郵便局もそんな形式。

 

Awards

1999年度英国映画協会によるベスト100作品:64位にランクイン

英アカデミー賞(BAFTA)5部門ノミネート(作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞)

米アカデミー賞8部門ノミネート(監督賞、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞、美術賞、作曲賞、衣装デザイン賞)

米ゴールデングローブ賞5部門ノミネート 

LA批評家協会賞 男優賞受賞

ロケ地

Dyrham Park

(Durlington Hallの外観として)
1691-1710年までウィリアム3世統治下で、戦時の閣僚及び国務大臣を務めたウィリアム・ブラスウェイトのために作られた邸宅。部屋の様子は当時とほとんど変わっておらず、家具・調度品はすべて管理人の財産目録に記録されている。106haの古来の森はSevern Valleyを見下ろし、その中をファロー鹿の群が遊ぶ。
Dyrham Park, near Chippenham, South Gloucestershire SN14 8ER TEL : 0891 335215
>National Trust

Powderham Castle, Devon

(青い壁の階段ホールの場面)
代々デヴォン伯爵の居城となっている。
Address: Kenton, Exeter, Devon EX6 8JQ (参考サイト)

Corsham Court, Wiltshire

(ダーリントン卿の書斎とダイニングの場面)
サクソン時代は王の館となっていたこともあるマナーハウスで、18世紀中盤よりMethuen卿の屋敷となっている。ファン・ダイク、ルーベンス、カラヴァッジオをはじめとして16-17世紀のイタリアやフランドル絵画のコレクション、チッペンデールの家具など見所も多い。庭園は"ケイパビリティ"ブラウンのデザインにより、後にジョン・ナッシュ、トマス・ベラミーによって完成された。
Address: Corsham, Wiltshire SN13 0BZ(WebSite)

Badminton House, South Gloucestershire

(使用人たちの部屋として)
Chipping Sodbury
近郊にあるBeaufort公爵の館。スポーツのバドミントンは、1873年にこの屋敷で始められたのが起源といわれている。

Chipping Sodbury, South Gloucestershire

参考>>Yate and Chipping Sodbury Guide

The George Inn

イングランド最古のパブのひとつといわれている
Address: High Street, Norton St. Philip, Somerset BA3 6LH
The George Inn - Norton St. Philip

The Hop Pole Inn

Freehouse(パブ)
Address: Woods Hill, Lower Limpley Stoke, Limpley Stoke, Bath, BA3 6HS

Highbury Hotel,

Missケントンの滞在していた下宿屋として

Royal Hotel, Weston-super-Mare, Somerset

The Winter Gardens Pavilion, Weston-super-Mare, Somerset

再会したスティーブンスとケントンがお茶を飲んでいたところ。

Grand Pier, Weston-super-Mare, Somerset

ラストシーンで二人が歩いていた桟橋

 

キャスト

Anthony Hopkins .... James Stevens (ダーリントン・ホールの執事)
Emma Thompson .... Miss Sarah(Sally) Kenton(女中頭)

James Fox .... ダーリントン伯爵
Hugh Grant .... Cardinal (ダーリントン卿の親友の息子・新聞記者)
Christopher Reeve .... Jack Lewis (政界を引退した米国の大富豪・ダーリントン・ホールを買い取る)

Peter Vaughan .... Mr Stevens, Sr. (スティーブンス氏の父親・副執事・75)
Paula Jacobs .... Mrs Mortimer, the cook
Ben Chaplin .... Charlie, Head Footman (
若手の従僕・Lizzieと恋仲に)
Steve Dibben .... George, Second Footman
Abigail Hopkins .... Housemaid

Lena Headey .... Lizzie (新入りの美しいメイド)
Emma Lewis .... Elsa(
ユダヤ難民のメイド)
Joanna Joseph .... Irma(
ユダヤ難民のメイド)

[来客]
Jeffrey Wickham .... Viscount Biggs
Michael Lonsdale .... Dupont D'Ivry(
フランス人)
Brigitte Kahn .... Baroness (
ドイツ人)
Patrick Godfrey .... Spencer
Peter Cellier .... Sir Leonard Bax
Frank Shelley ....
首相
Peter Eyre .... Lord Halifax
Jestyn Phillips ....
外務大臣
Wolf Kahler .... German Ambassador
Frank Holtje .... German Embassy Official
Andreas Tons .... German Embassy Official

Rupert Vansittart .... Sir Geoffrey Wren
Tim Pigott-Smith .... Tom Benn (Sir Geoffrey
に仕える・Missケントンの求婚者)

[現在]
Caroline Hunt .... Miss
ケントンの下宿屋の奥さん
Tony Aitken .... Postmaster
Paul Copley .... Harry Smith(
パブの客)
Ian Redford ....
パブの主人
Jo Kendall .... パブの奥さん
Steven Beard .... Andrews
Pip Torrens .... Doctor Carlisle (
ガス欠になったスティーブンスを助けてくれる)

参考資料・ソフト

imdb.com

書籍:『日の名残り』カズオ イシグロ ()
文庫 (2001/05/01) 早川書房
土屋 政雄 (翻訳) 文庫 (1994/01/01) 中央公論
土屋 政雄 (翻訳) 単行本 (1990/07/01) 中央公論社

ビデオ:日の名残り(廉価版・字幕)2,408

DVD国内盤コレクターズエディション

 

(1993年 アメリカ 134分)


『ひと月の夏』 A Month in the Country(1987)

監督:パット・オコーナー
脚本:サイモン・グレイ
原作:J.L. Carr 小説 _A Month in the Country_
撮影:ケネス・マクミラン
音楽:ハワード・ブレイク

Story

舞台は1920年夏、ヨークシャー。 500年前の教会の壁画を修復するためにロンドンから招かれた退役軍人のバーキン氏(コリン・ファース)は、墓の発掘作業をしていた同じく戦争帰りのムーン氏(ケネス・ブラナー)に出会い、田舎の小さな村Oxgodbyで一夏を過ごす。牧師の妻や駅長の家族との触れ合い、戦争の心の傷・・・やがて夏が終わり、ムーン氏の見つけた墓の副葬品は教会の絵画の謎を解き、二人はそれぞれの場所へ帰っていく。

 

Check

ヨークシャー田園風景

小さな教会を中心にした典型的なイギリスの村が舞台。バーキンは、駅にいた男があまりに強いヨークシャー鉛で話すので、戸惑っていた。

子供たちがパイを差し入れてくれたり、薔薇の咲き乱れる庭があったり・・・

戦争とシェルショック(戦争神経症)

バーキンは第一次大戦でベルギー戦線(Ypresなど)に従軍しシェル・ショック(第一次大戦の従軍した際の精神的ショック)で、悪夢に悩まされており、吃音気味である。

駅長スカイ氏の息子も19歳で従軍し,帰らぬ人となっていた。テーブルには息子の写真が飾ってある。

宗教心の薄いイギリス人

キーチ牧師は、イギリス人の宗教心の薄さを嘆く。 牧師とは洗礼と、結婚と、葬式のためだけの便利な存在に過ぎないと。 イギリスの宗教は主に英国国教会(アングリカン・チャーチ)だが、牧師が嘆くように一般に宗教に熱心でない人々が多い。「クリスマスやイースターも季節の変わり目を祝うだけだ」と。

十字軍

ムーン氏が探していた墓は、この教会に寄付した資産家ヘブロン嬢の先祖である十字軍に参加した男ピアのもの。 十字軍とは、11世紀末から13世紀にかけて"イスラム教徒から聖地エルサレムを取り戻す"という名目で、キリスト教国から中近東に向けて行った軍事遠征。 13世紀から16世紀のキリスト教国とオスマントルコの戦争も、十字軍に含める解釈もある。

十字軍によって、進んだイスラム圏の文化がもたらされたという側面もある。

パブ

バーキンとムーンは、村のパブでビールを飲みながら戦争の思い出話をする。

リンゴ

アリスがしばしば手にしていたこの村のリンゴは「Ribston Pippins」という品種。 イギリスのリンゴはこのような小ぶりのタイプが多い。

 

キャスト

Colin Firth .... Tom Birkin(退役軍人)
Kenneth Branagh .... Charles Moon(退役軍人・元砲兵隊大尉)

Natasha Richardson .... Alice Keach(牧師の妻)
Patrick Malahide .... Keach 牧師
Tim Barker .... Mossop

Jim Carter .... Ellerbeck (牧師・駅長)
Eileen O'Brien .... Mrs Ellerbeck
Vicki Arundale .... Kathy Ellerbeck (子供)
Martin O'Neil .... Edgar Ellerbeck(子供)

Tony Haygarth .... Douthwaite(鍛冶屋)
Richard Vernon .... Colonel Hebron (地元の名士・ヘブロン嬢の親戚)

Kenneth Kitson .... Mr Sykes
Barbara Marten .... Mrs Sykes
Elizabeth Anson .... Lucy Sykes

Judy Gridley .... Mrs Clough
Lisa Taylor .... Emily Clough(不治の病にかかった娘)

参考資料・ソフト

http://us.imdb.com/Title?0093562

原作:「ひと月の夏」  J・L・カー著 小野寺健訳 白水社
(白水Uブックス103 海外小説の誘惑)

(1987年 イギリス 97分)


『秘密と嘘』 Secret and Lies(1996)

監督・脚本:Mike Leigh

家族のためを思って積み重ねた秘密と嘘の間で揺れ動く人々、すべての秘密と嘘が明らかになった時に溢れ出る真実とは・・・Secrets and lies. We're all in pain.

Story

育ての親を亡くしたHortense(黒人)はふと自分の産みの母親を知りたくなり、出生管理局で調べているうちに実の母親が白人だったという驚くべき事実を知る。実の母親Cynthiaは16歳の時に彼女を生んで、諸般の事情からそのまま顔も見ずに養女に出したのだ。Cynthiaにはもうひとり、やはり未婚の母として産んだ娘Roxanne(道路清掃員をしている)と下町のフラットに住んでおり、最近は何かと反抗期の娘に手を焼いている。あのとき養女に出した娘が黒人だったという事実に最初は驚愕しながらも、モデルのようにスラッと美しく大卒で検眼師という専門職についているHortenseに惹かれ、「自慢の娘」に会いに出かけるのを楽しみにするようになる。

一方Cynthiaの弟Mauriceは写真家で、室内装飾に凝りエステに通う妻Monicaと新築の美しい家に住んでいる。Roxanneの誕生日パーティをMauriceの家で開くことになり、CynthiaはHortenseを自分の友人だと偽ってパーティーに連れて行くのだが・・・?

Check!

Monicaの室内装飾に賭ける情熱

MonicaとMauriceの暮らす家は、まるでイギリスの雑誌から抜け出だしたような、ため息が出るほど素敵なインテリア。壁はステンシルで装飾し(決してアメリカン・カントリー調ではなく、ヨーロッパ風の格調高いステンシル)、ボーダー・テープを貼り、家具もペイントして自分の好みに仕上げている。バスルームの壁紙はローラ・アシュレイ製。暖炉にもレリーフがついて高級感を醸し出している。冷蔵庫の扉も木製で一見すると家具の一部のよう。夫婦でバスルームが別にあり、さらに階下にもトイレが別にある。ベッドはfour-posteresd(ベッドの四隅に柱がついた豪華なもの)。

ネタバレになるといけないので詳細は書けないが、Monicaのような悩みがあったらあのように室内装飾に執念を燃やすのもわからないでもない。

CynthiaとRoxanneの暮らす生活臭の漂う貧しそうな下町のフラットや、Hortenseの暮らすモノトーンでまとめたシンプルで都会的なフラットと比べてみるのも面白いだろう。

Hortenseの育ての親

彼女が育ての両親から出生の秘密を知ったのは「バルバドスからの帰りの飛行機」だったことを考え合わせると、彼女の育ての親はバルバドスからの移民だったのかもしれない。葬式に集まった一族のきちんとした服装や、養女を引き取る経済的余裕があったことから、そこそこ裕福な層だったのだろう。

バルバドス…カリブ海に浮かぶ西インド諸島の最東端にある島で、1625〜1966年まで英国領でカリブ海での経済活動の基地として繁栄した。

イギリスには生みの親を知る権利ができたらしく、出生記録も自分で調べられるようになっている。

キルバーン

ロンドン西部の街キルバーンは、アイルランド移民が多いことから家賃の相場が安く、低所得者が住む地域とみなされている。(アイルランド人はイングランドで差別されているので) Hortenseのフラットがキルバーンにあることを聞いたMauriceが、ちょっとひいた様子で「あそこは不便じゃないのか?」と尋ねたのには、そういう背景がある。

London A to Z

HortenseがCynthiaの住所を知って車でフラットを見に行った時に見ていた地図は「London A to Z」。これさえあれば通りの名前からすぐ目的地がどこにあるか調べられて便利。

日の長さ

HortenseとCynthiaは初めて会った時にHolborn駅で午後7:30に待ち合わせをしたが、7月なので緯度の高いイギリスではその時間でもまだかなり明るい。

 

Awards

カンヌ映画祭パルムドール大賞、主演女優賞(Brenda Blethyn)
国際映画批評家連盟賞

(その他)1999年度英国映画協会によるベスト100作品:40位にランクイン

ロケ地(ロンドン)

地下鉄Holborn駅

Bethnal Green (Quilter Street)

・・・Cynthiaの家

The Green Winchmore Hill

・・・Mauriceの写真館

Whitehouse Way, Southgate

・・・Mauriceの自宅

Southgate Town Hall

Green Lanes, Palmers Green, London

Muswell Hill, Broadway, London(N10)

ロンドン北部Alexandra Parkの隣

キャスト

Timothy Spall .... Maurice (写真家・Monicaの夫で Cynthiaの弟)
Phyllis Logan .... Monica (Mauriceの妻)
Brenda Blethyn .... Cynthia (Mauriceの姉・HortenseとRoxanneの母)

Claire Rushbrook .... Roxanne ( Cynthiaの娘)
Marianne Jean-Baptiste .... Hortense ( 検眼師・Cynthiaの娘)
Michele Austin .... Dionne (Hortenseの友人)
Elizabeth Berrington .... Jane (Mauriceのアシスタント)
Lee Ross .... Paul (Roxanneの彼氏)
Ron Cook .... Stuart (Mauriceの写真館の元オーナー)
Phil Davis
Alison Steadman

参考資料・ソフト

imdb.com

Amazon.Japan
国内盤DVD

Amazon.UK
Screenplay

(1996年 イギリス 142分)


『秘密の花園』The Secret Garden(1993)

監督:Agnieszka Holland
脚本:Caroline Thompson
原作:Frances Hodgson Burnett

Story

植民地下のインドで暮らしていた主人公メアリーは、両親を亡くしたためにヨークシャーにある叔父の屋敷に引き取られる。わがままで陰気だった"つむじまがりのメアリー"は、亡き叔母の秘密の花園を手入れしているうちに笑顔と明るさを取り戻し、また病弱ないとこや亡き妻の死を悲しんでいた叔父の心もなごませていった・・・誰でも子供の頃一度は読んだことがある名作ではないだろうか。

バーネットの名作をポーランド出身の女流監督アニエスカ・ホランドが映画化。「秘密の花園」は彼女のハリウッド進出第一作。製作総指揮はF・コッポラ。

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マザーグース

マザー・グースの「Mistress Mary, quite contrary, How does your garden grow ?(意地っ張りのメアリー女王様、あなたのお庭はどんなふう?)」が作品の中で2度歌われ、重要なモチーフとなっている。一度目はインドからリバプールへの船中で、意地っ張りな主人公メアリーを他の子供たちがはやし立てる場面。2度目はディコンと一緒に花園に球根を植えている場面。

ヨークシャーの自然

ヨークシャーの雲が重く垂れ込め、ムーアも荒れ果てた陰気な冬から、春が来て一気に花が咲き出す映像が秀逸。イギリスでは冬が長くて暗い分、春になるとみな戸外に出てガーデニングに精を出す。

お屋敷の様子

メアリーが引き取られたクレイブン卿のお屋敷、Misselthwaite Manor。古めかしいタペストリー、アンティークの銀食器、シノワズリ(中国趣味)の茶道具、子供服のレースづかいの美しさなど目にも楽しい。そしてヨークシャーのあたりでは朝食にポリッジ(オートミールのおかゆ)をとることも多いとか。メアリーが何度か食べるシーンがある。

ロケ地

Fountains Abbey & Studley Royal water garden

12世紀の寺院跡、エリザベス朝の豪邸、ジョージアン朝のものとしては最も保存状態が良いウォーターガーデンなど、見所もいっぱい。
Address: Fountains, Ripon, North Yorkshire HG4 3DY
Official WebSite

Allerton Park

MobrayおよびSegrave、Stourton卿が先祖代々住居としてきた、ゴシック様式を模した館。18世紀にはヨーク公フレデリック(ジョージ4世の弟)が所有していた。マザーグースの'The Grand Old Duke of York'に唄われた丘があることでも知られる。1982年にDr. Gerald Arthur Rolphによって買い取られ、大掛かりな修繕が施された。
Address: Allerton Park, Nr. Knaresborough, North Yorkshire, HG5 0SE

イートン校(Eton College, Windsor, Berkshire)

ハロー校(Harrow School, London)

St. Pancras Chambers, St. Pancras Station, London

 

キャスト

Kate Maberly .... Mary Lennox
Heydon Prowse .... Colin Craven(メアリーのいとこ)
Andrew Knott .... Dickon (野性的な少年・Marthaの弟)
Maggie Smith .... Mrs Medlock(女中頭)
Laura Crossley .... Martha(お屋敷の女中・Dickonの姉)
John Lynch .... クレイブン卿(メアリーのおじ・コリンの父)
Walter Sparrow .... Ben Weatherstaff
Irene Jacob .... メアリーの母

参考資料・ソフト

imdb.com

Project Gutenberg

 

(1993年 アメリカ 105分)


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