タイトル*ひ
監督:Peter Chelsom
アイルランド出身の若きプロモーター、ミッキーはリバプールのマーシィサイドにあるクラブ「Heartly's」を中心に、アイルランド移民のネットワークを助けに活躍していた。
脱税事件でお尋ね者となっていた往年の名歌手ジョー(ジョセフ)・ロックのリサイタルを企画し成功を収めるが、ジョーのかつての恋人だったキャサリン(ナンシーの母)に偽者だと見破られ、プロモーターとしての信用ばかりか自分の恋人ナンシーまでも失ってしまう。ミッキーは本物のジョー・ロックを見つけて汚名を返上するために、はるばるアイルランドまで旅に出る。そしてあっと驚く結末が・・・
アイルランドへの旅はジョー・ロック探しの旅であるのと同時に、ミッキー自身の「自分探し」の旅でもあった。荒々しい岸壁に押さつけえられて、初めて自分の本当の気持ちに気付いたのだから。
ミッキーと友人はアイルランドの荒野を車で移動しているときに、「道に迷ったのは妖精のせいだから」といって、おまじないに上着を裏返しにする。 妖精伝説が今も身近に感じられるアイルランドらしい。 パブや農場、牛のセリ市場の様子も興味深い。
リバプールはアイルランド移民が多い(人口の約40%)ので有名な街。この物語のように移民同士の助け合いコミュニティがあるとか。
旧Merrion Hall
www.ocallaghanhotels.ie/davenport
Merrion Square,Dublin 2, Ireland
ダブリン郊外北部
O'Briens' Towerなど
Adrian Dunbar .... Micky O'Neill (アイルランド移民のプロモーター)
Tara Fitzgerald .... Nancy Doyle (ミッキーの恋人)
Shirley Ann Field .... Cathleen Doyle (ナンシーの母)
Donna McReady .... ナンシーの母の若い頃
Ned Beatty .... Josef Locke (お尋ね者の往年の名歌手)
Terry Mulligan .... 歌手ジョー・ロックの若い頃
Phil Kelly .... Ronnie Lavelle
Jean Blanchflower .... Ronnie's Mum
Joe Cuddy .... Franc Cinatra (偽シナトラ)
William Hootkins .... Mr X (偽ジョー・ロック)
David McCallum .... Jim Abbott
(1991年 イギリス 105分)
監督:Kenneth Branagh
脚本:Martin Bergmann/Rita Rudner
1982年に大学を卒業した男女6人が、その10年後の1992年の年末のNew Year's Partyに、仲間の一人ピーターのマナーハウスに集まる。それぞれの家庭生活や恋愛の問題を抱えた仲間たちは、やるせない気分になっていくが、そんな彼らに衝撃を与えたのは、大晦日のピーターの重大な告白だった・・・
冒頭の「地下鉄ソング」は、ロンドンの地下鉄の路線図や駅名が頭に入っていれば倍楽しめるので、ぜひ路線図のご用意を。 Mind The Gap!
爵位を持つピーターのお屋敷は典型的なカントリー・サイドのマナー・ハウス。 シックな調度品、壁にかけられた絵画、赤々と火のともる暖炉・・・クリスマス・カードもたくさん暖炉の上に飾られている。(*キリスト教圏では25日を過ぎてもクリスマスの飾りをしばらくおいておくのが一般的)
パーティー料理にもぜひ注目を。ローストビーフのヨークシャー・プディング添え、マッシュルーム・スープなど典型的英国料理。食器やクリスタルも美しい。
きりっとしたハウス・キーパーのヴェラを演じるのは、エマ・トンプソンの実母フィリダ・ロウ。
また、エマ・トンプソンのコメディエンヌぶりは、彼女の本領発揮といったところか。 ←大学時代の彼女は、この作品でも共演しているスティーブン・フライやヒュー・ローリーとともにレビュー(軽喜劇)劇団を主宰していた。
(当時夫だった)ケネス・ブラナーが制作・監督・出演をこなし、このエマ・トンプソン・ファミリーとの抜群の息の合った演技を見せている。Tears for Fears、 Cindy Lauper、 Eric Clapton、 Bruce Springsteenなど、80年代のヒット曲が山盛りで懐かしい気分にさせられる。
Hugh Laurie .... Roger (CMのジングルライター)
Imelda Staunton .... Mary (Rogerの妻・心配性)
Stephen Fry .... Peter (父親の死後、爵位と土地を相続)
Emma Thompson .... Maggie (Peterに想いを寄せる)
Kenneth Branagh .... Andrew (ハリウッドで仕事・Peterの親友)
Alphonsia Emmanuel .... Sarah (恋多き女性)
Rita Rudner .... Carol (Andrewの妻・女優)
Phyllida Law .... Vera (Peterの家のハウスキーパー)
Alex Lowe .... Paul (Veraの息子)
Richard Briers .... Peterの父
(1992年 英=米 101分)
監督:リチャード・レスター・・・『ナック』、『三銃士』、『Help!四人はアイドル』
脚本:アラン・オーウェン・・・リバプール出身の劇作家
音楽監督:"5人目のビートルズ"といわれた(Sir)ジョージ・マーティン
"人気絶頂のアイドル・グループのある一日"−−−電車に乗っても駅でも通りでも熱狂的なファンに追い回されるビートルズの面々。ホテルに泊まり、リハーサルをし、TV出演に備える・・・そんな過密スケジュールのなかに闖入してきたトラブル・メイカーなポールのおじいちゃんと、ひとりTV局を飛び出したリンゴが巻き起こすちょっとした騒動。ジョン、ポール、ジョージ、リンゴのそれぞれの個性が際立つスタイリッシュな傑作。60年代のファッションや鮮やかな演奏シーンも見逃せない。
人気絶頂のアイドル・グループ、ビートルズ。大勢の女の子たちに追いかけられ、ロンドンの街を駆け巡る有名なオープニングは、映画『オースティン・パワーズ』でもパロディ化されていたような。
冒頭で乗っった列車はパディントン駅発マインヘッド行きという設定。イングランド南西部行きのBrit Railはパディントン駅が始発駅だが、実際はメリルボーン駅で撮影。日曜日に閉鎖される駅だったので、撮影が容易だったからだそうだ。
4人とおじいさんがサンドイッチを食べている場面で、そばにはしっかり食卓の定番HPソースとハインツのケチャップの瓶が並んでいる。
リハーサルの合間にリンゴとおじいさんが食堂に行った時にも、HPソースが。
リンゴがひとりで入ったパブのサンドイッチはいかにもまずそう。パブの壁によくかかっているダーツで遊ぼうとするが・・・
ジョンがバブル・バスに使って、英国船とUボートごっこで遊んでいる時に、「Rule Britania」を口ずさんでいる。
- 4人が乗った列車の中にいた女学生のひとり(ポールの祖父に"囚人なの?"と話し掛ける金髪の娘)は、のちにジョージの最初の妻となるパティ・ボイド。
- 子役時代のフィル・コリンズも、TV出演の場面でファンのひとりとして出演。
- マネージャーのノームとシェイクは、それぞれ実際のマネージャーNeil AspinallとMal Evansがモデルらしい
ポールの祖父が警察に連行された時「アイルランド兵士は・・・」という台詞があるが、ビートルズの4人のうち3人はアイルランド系。彼らが育ったリバプールは、アイルランド系住民が多いことで有名な街で、住民の約4割に達するという。ちなみにジョン・レノンとオノ・ヨーコの息子「ショーン(Sean)」というのも、いかにもアイルランド的響きを持った名前。
- ビートルズ出演映画
- 『Help!四人はアイドル』Help! (1965)リチャード・レスター監督作品
『マジカル・ミステリー・ツアー』Magical Mystery Tour (1967)
『イエロー・サブマリン』Yellow Submarine (1968)ミュージカル・アニメーション
『レット・イット・ビー』Let It Be (1970)・・・アルバム『Let It Be』の製作風景を追ったドキュメンタリー- ビートルズを描いた映画
- 『バックビート』Backbeat (1993)
ビートルズの初期メンバースチュワート(スティーブン・ドーフ)。イアン・ハートがジョン・レノン役を
『僕たちの時間』The Hours and Times (1991) ジョン・レノン(イアン・ハート)と当時のマネージャー、ブライアン・エプスタインがスペインに旅行した時の小景。- ビートルズのパロディ
- 『ラトルズ/四人もアイドル』The Rutles (1978)
Marylebone Station, London・・・パディントン駅として
Boston Place, London・・・冒頭の場面
・・・ビートルズがプラットフォームを走りながら列車内の紳士をからかう場面
・・・4人がヘリポートにいる場面、ラストシーン
5 Hamilton Place, off Park Lane, London(カジノクラブ"Le Circle"とディスコのロケ)ハイドパークコーナー駅近く
Notting Hill Gate, London・・・警官との追いかけっこの場面(St. Luke's Road/Lancaster Road/All Saints Road)
St. John's Secondary School, 83 Clarendon road(W11)・・・警察署として
Heathfield Street
Penzance Place(W11),
Portland Arms, Portland Road(W11),
・・・TV出演の場面
(Scala Street/Tottenham Street/Charlotte Mews)
Hammersmith Odeon Cinema, Queen Caroline Street・・・裏階段を駆け降りる場面
・・・ヘリポートではしゃぐ場面
・・・リンゴがひとりで入ったパブ
・・・リンゴが土手を散歩する場面
・・・リンゴが水溜まりにマントをかけてあげる場面
A Hard Day's Night by The Beatles
1. A Hard Day's Night
2. I Should Have Known Better
3. If I Fell
4. I'm Happy Just To Dance With You
5. And I Love Her
6. Tell Me Why
7. Can't Buy Me Love
8. Any Time At All
9. I'll Cry Instead
10. Things We Said Today
11. When I Get Home
12. You Can't Do That
13. I'll Be Back
1999年度英国映画協会によるベスト100作品:88位にランクイン
- 米アカデミー賞2部門ノミネート
- 脚本賞:アラン・オーウェン、音楽(編曲賞) :ジョージ・マーティン
John Lennon .... John
Paul McCartney .... Paul
George Harrison .... George
Ringo Starr .... RingoWilfrid Brambell .... Paulの祖父
Norman Rossington .... Norm(マネージャー・ちび)
John Junkin .... Shake(マネージャー)
Victor Spinetti .... T.V. Director
official
http://www.miramax-aharddaysnight.com/オフィシャル・ファンクラブ:B'net
(1964年 イギリス 90分 B&W)
監督:Mel Smith
脚本:Richard Curtis / Robin Driscoll
おなじみMr ビーンの映画版で、アメリカを舞台に繰り広げるドタバタコメディ。ホイッスラーの名画がヨーロッパからアメリカに買い戻されるにあたって、ナショナル・ギャラリーから高名な学者として派遣されたビーン。本当はただの監視員なのに、高名な学者と勘違いされ、さらに貴重な絵画にダメージまで与えてしまう。相変わらずのマイ・ペースで周囲をパニックに陥れるが・・・
冒頭でナショナル・ギャラリーの内部や会議室、ハロッズなどが登場するが、舞台はすぐアメリカへ移る。カリフォルニアの青い空があれほど似合わない男も珍しいのでは?
挿入歌にスコットランド出身のバンドWet Wet WetによるThe Beatlesのカバー「Yesterday」が。歌詞の内容があまりに状況にマッチしていて笑える。エンディング曲はBoyzoneの「picture of you」
Mr ビーン独特の「毒」がアメリカ的ハート・ウォーミング映画になっってしまったことで薄められてしまったのがちょっと残念。
ロンドン(ナショナル・ギャラリーなど)
アメリカ
19世紀イングランドの片田舎。大学進学を目指す勤勉な若者ジュードは、豚飼いの娘アナベラに誘惑され、やがて妊娠したと告げられて結婚するが、彼女が慣れた手つきで豚を屠殺する姿を見て逃げだす。
大学都市クライストミンスターへ移り、石工として働きながら勉強しているうちに、偶然美しく聡明な従姉妹スーと出会い恋をする。しかしジュードの過去を知った彼女は、彼の少年時代の師フィロットスンのもとへ。
しかし互いに相手を忘れられない二人はすべてを捨てて同棲を始めるが、世間の視線はあまりにも冷たく、悲劇は密かに忍び寄っていた・・・「たとえこの世が滅んでも僕たちは夫婦だ!」ジュードの悲痛な叫びがイングランドの灰色の空にこだまする・・・
原作はトマス・ハーディが1895年に書いた小説"Jude the Obscure"(『日蔭者ヂュード』岩波文庫)。きめ細かい描写と大胆な省略(原作と違って物語はすべてイングランド内で展開する)でドラマティックに演出する。
原作テキスト:"Jude the Obscure" by Thomas Hardy
19世紀の倫理観は厳しく、結婚していないジュードとスーに対する世間の風当たりは現在とは比較にならないほど激しかった。
オックスフォードを思わせる(架空の)大学都市クライストミンスターは、町中学生や学者があふれたアカデミックな雰囲気。だがこの頃は階級意識が強く、いくら向学心に燃えても労働者階級が学問を志すには大きな障害があった。
ハーディの原作の舞台のウェセックス、ドーセット地方は、現在開発が進んでいたため、撮影はスコットランド各地やイギリス北部で行なわれた。
(クライストミンスターの場面)
(クライストミンスターの場面)・・・ロイヤル・マイルを卒業式の行進の場面に使用。St. Giles Cathedral近くの広場をマーケットとして使用。
Christopher Eccleston .... Jude Fawley
Kate Winslet .... Sue Bridehead (Judeの従姉妹)
Liam Cunningham .... Phillotson (Judeの少年時代の恩師)
Rachel Griffiths .... Arabella (豚飼いの娘)
June Whitfield .... Judeの叔母
(1996年 イギリス 123分)
監督:ジェイムズ・アイヴォリー
製作:イスマエル・マーチャント
脚本:Ruth Prawer Jhabvala
原作:カズオ・イシグロ・・・ブッカー賞受賞作
撮影:Tony Pierce-Roberts
編集:Andrew Marcus
音楽:リチャード・ロビンス
第一次大戦後、1930年代のオックスフォードシャー、ダーリントン・ホールで執事として主人に仕えていたスティーブンス氏。 戦後にダーリントン卿がナチのシンパとして世間から糾弾され失意のうちに世を去った後、アメリカの大富豪ルイス氏が館を買い取ることになった。 新しく女中頭を雇うにあたって、スティーブンス氏は昔この館に勤めていたMissケントンに来てもらえないかと思案し、ひとり車に乗ってウェスト・カントリーへ向かっているうちに、20年前の記憶が鮮やかに蘇ってゆく・・・。
重厚かつ華麗な英国のマナーハウスを舞台に、執事と女中頭の間に芽生える淡い感情、そして執事とは何かという哲学、古き良き時代への憧憬をあますことなく描いた名作。
設定ではオックスフォードシャーにあるマナーハウスということになっている。 各国の要人を招いての会合を開いたり、大掛かりなキツネ狩りを催したりと、この地方きってのマナーハウスである様子が描かれている。
本棚や壁のように見える場所に隠し扉があったりするのも面白い。
銀器のコレクションは相当なもので、ピッチャーや銀食器、そしてティーセットにいたるまで見事な銀製品がそろっている。 外国からの賓客をもてなす前には、何人もの使用人が集まって入念に磨いている。
スティーブンスの口から、理想の執事とは何かという哲学が語られている。
「優秀な執事と呼ばれるための条件とは何か。 品格(dignity)があるかないかだ。」
「執事が真に満足できるのは、雇い主にすべてを捧げて仕えられた時だ。 雇い主が地位と富だけではなく、道徳的にも優れたものを持っていることが条件だがね。」
父の死に目に立ち会うことよりも職務を全うすることを優先し、ミス・ケントンへの想いも秘めたままに・・・執事という職業に誇りを持ちすべてを捧げた男の生き方をアンソニー・ホプキンスが好演。
毎朝新聞にアイロンをかけるのは、見栄えもあるがインクが主人の手につきにくくするため。
『ゴスフォード・パーク』 Gosford Park (2001) にも執事や女中頭たちが屋敷を取り仕切るさまが描かれている。
田舎町では雑貨屋が郵便局を兼営していることが多い。 スティーブンス氏がミス・ケントンからの伝言を預かってくれるようにお願いしていた郵便局もそんな形式。
1999年度英国映画協会によるベスト100作品:64位にランクイン
英アカデミー賞(BAFTA)5部門ノミネート(作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞)
米アカデミー賞8部門ノミネート(監督賞、作品賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞、美術賞、作曲賞、衣装デザイン賞)
米ゴールデングローブ賞5部門ノミネート
LA批評家協会賞 男優賞受賞
(Durlington Hallの外観として)
1691-1710年までウィリアム3世統治下で、戦時の閣僚及び国務大臣を務めたウィリアム・ブラスウェイトのために作られた邸宅。部屋の様子は当時とほとんど変わっておらず、家具・調度品はすべて管理人の財産目録に記録されている。106haの古来の森はSevern Valleyを見下ろし、その中をファロー鹿の群が遊ぶ。
Dyrham Park, near Chippenham, South Gloucestershire SN14 8ER TEL : 0891 335215
>National Trust
(青い壁の階段ホールの場面)
代々デヴォン伯爵の居城となっている。
Address: Kenton, Exeter, Devon EX6 8JQ (参考サイト)
(ダーリントン卿の書斎とダイニングの場面)
サクソン時代は王の館となっていたこともあるマナーハウスで、18世紀中盤よりMethuen卿の屋敷となっている。ファン・ダイク、ルーベンス、カラヴァッジオをはじめとして16-17世紀のイタリアやフランドル絵画のコレクション、チッペンデールの家具など見所も多い。庭園は"ケイパビリティ"ブラウンのデザインにより、後にジョン・ナッシュ、トマス・ベラミーによって完成された。
Address: Corsham, Wiltshire SN13 0BZ(WebSite)
(使用人たちの部屋として)
Chipping Sodbury近郊にあるBeaufort公爵の館。スポーツのバドミントンは、1873年にこの屋敷で始められたのが起源といわれている。
イングランド最古のパブのひとつといわれている
Address: High Street, Norton St. Philip, Somerset BA3 6LH
The George Inn - Norton St. Philip
Freehouse(パブ)
Address: Woods Hill, Lower Limpley Stoke, Limpley Stoke, Bath, BA3 6HS
Missケントンの滞在していた下宿屋として
再会したスティーブンスとケントンがお茶を飲んでいたところ。
ラストシーンで二人が歩いていた桟橋
Anthony Hopkins .... James Stevens (ダーリントン・ホールの執事)
Emma Thompson .... Miss Sarah(Sally) Kenton(女中頭)James Fox .... ダーリントン伯爵
Hugh Grant .... Cardinal (ダーリントン卿の親友の息子・新聞記者)
Christopher Reeve .... Jack Lewis (政界を引退した米国の大富豪・ダーリントン・ホールを買い取る)Peter Vaughan .... Mr Stevens, Sr. (スティーブンス氏の父親・副執事・75歳)
Paula Jacobs .... Mrs Mortimer, the cook
Ben Chaplin .... Charlie, Head Footman (若手の従僕・Lizzieと恋仲に)
Steve Dibben .... George, Second Footman
Abigail Hopkins .... Housemaid
Lena Headey .... Lizzie (新入りの美しいメイド)
Emma Lewis .... Elsa(ユダヤ難民のメイド)
Joanna Joseph .... Irma(ユダヤ難民のメイド)[来客]
Jeffrey Wickham .... Viscount Biggs
Michael Lonsdale .... Dupont D'Ivry(フランス人)
Brigitte Kahn .... Baroness (ドイツ人)
Patrick Godfrey .... Spencer
Peter Cellier .... Sir Leonard Bax
Frank Shelley .... 首相
Peter Eyre .... Lord Halifax
Jestyn Phillips .... 外務大臣
Wolf Kahler .... German Ambassador
Frank Holtje .... German Embassy Official
Andreas Tons .... German Embassy OfficialRupert Vansittart .... Sir Geoffrey Wren
Tim Pigott-Smith .... Tom Benn (Sir Geoffreyに仕える・Missケントンの求婚者)[現在]
Caroline Hunt .... Missケントンの下宿屋の奥さん
Tony Aitken .... Postmaster
Paul Copley .... Harry Smith(パブの客)
Ian Redford .... パブの主人
Jo Kendall .... パブの奥さん
Steven Beard .... Andrews
Pip Torrens .... Doctor Carlisle (ガス欠になったスティーブンスを助けてくれる)
書籍:『日の名残り』カズオ イシグロ (著)
文庫 (2001/05/01) 早川書房
土屋 政雄 (翻訳) 文庫 (1994/01/01) 中央公論
土屋 政雄 (翻訳) 単行本 (1990/07/01) 中央公論社ビデオ:日の名残り(廉価版・字幕)¥2,408
DVD国内盤コレクターズエディション
(1993年 アメリカ 134分)
監督:パット・オコーナー
脚本:サイモン・グレイ
原作:J.L. Carr 小説 _A Month in the Country_
撮影:ケネス・マクミラン
音楽:ハワード・ブレイク
舞台は1920年夏、ヨークシャー。 500年前の教会の壁画を修復するためにロンドンから招かれた退役軍人のバーキン氏(コリン・ファース)は、墓の発掘作業をしていた同じく戦争帰りのムーン氏(ケネス・ブラナー)に出会い、田舎の小さな村Oxgodbyで一夏を過ごす。牧師の妻や駅長の家族との触れ合い、戦争の心の傷・・・やがて夏が終わり、ムーン氏の見つけた墓の副葬品は教会の絵画の謎を解き、二人はそれぞれの場所へ帰っていく。 |
小さな教会を中心にした典型的なイギリスの村が舞台。バーキンは、駅にいた男があまりに強いヨークシャー鉛で話すので、戸惑っていた。
子供たちがパイを差し入れてくれたり、薔薇の咲き乱れる庭があったり・・・
バーキンは第一次大戦でベルギー戦線(Ypresなど)に従軍しシェル・ショック(第一次大戦の従軍した際の精神的ショック)で、悪夢に悩まされており、吃音気味である。
駅長スカイ氏の息子も19歳で従軍し,帰らぬ人となっていた。テーブルには息子の写真が飾ってある。
キーチ牧師は、イギリス人の宗教心の薄さを嘆く。 牧師とは洗礼と、結婚と、葬式のためだけの便利な存在に過ぎないと。 イギリスの宗教は主に英国国教会(アングリカン・チャーチ)だが、牧師が嘆くように一般に宗教に熱心でない人々が多い。「クリスマスやイースターも季節の変わり目を祝うだけだ」と。
ムーン氏が探していた墓は、この教会に寄付した資産家ヘブロン嬢の先祖である十字軍に参加した男ピアのもの。 十字軍とは、11世紀末から13世紀にかけて"イスラム教徒から聖地エルサレムを取り戻す"という名目で、キリスト教国から中近東に向けて行った軍事遠征。 13世紀から16世紀のキリスト教国とオスマントルコの戦争も、十字軍に含める解釈もある。
十字軍によって、進んだイスラム圏の文化がもたらされたという側面もある。
バーキンとムーンは、村のパブでビールを飲みながら戦争の思い出話をする。
アリスがしばしば手にしていたこの村のリンゴは「Ribston Pippins」という品種。 イギリスのリンゴはこのような小ぶりのタイプが多い。
Colin Firth .... Tom Birkin(退役軍人)
Kenneth Branagh .... Charles Moon(退役軍人・元砲兵隊大尉)Natasha Richardson .... Alice Keach(牧師の妻)
Patrick Malahide .... Keach 牧師
Tim Barker .... MossopJim Carter .... Ellerbeck (牧師・駅長)
Eileen O'Brien .... Mrs Ellerbeck
Vicki Arundale .... Kathy Ellerbeck (子供)
Martin O'Neil .... Edgar Ellerbeck(子供)Tony Haygarth .... Douthwaite(鍛冶屋)
Richard Vernon .... Colonel Hebron (地元の名士・ヘブロン嬢の親戚)Kenneth Kitson .... Mr Sykes
Barbara Marten .... Mrs Sykes
Elizabeth Anson .... Lucy SykesJudy Gridley .... Mrs Clough
Lisa Taylor .... Emily Clough(不治の病にかかった娘)
http://us.imdb.com/Title?0093562
原作:「ひと月の夏」 J・L・カー著 小野寺健訳 白水社
(白水Uブックス103 海外小説の誘惑)
(1987年 イギリス 97分)
監督・脚本:Mike Leigh
家族のためを思って積み重ねた秘密と嘘の間で揺れ動く人々、すべての秘密と嘘が明らかになった時に溢れ出る真実とは・・・Secrets and lies. We're all in pain.
育ての親を亡くしたHortense(黒人)はふと自分の産みの母親を知りたくなり、出生管理局で調べているうちに実の母親が白人だったという驚くべき事実を知る。実の母親Cynthiaは16歳の時に彼女を生んで、諸般の事情からそのまま顔も見ずに養女に出したのだ。Cynthiaにはもうひとり、やはり未婚の母として産んだ娘Roxanne(道路清掃員をしている)と下町のフラットに住んでおり、最近は何かと反抗期の娘に手を焼いている。あのとき養女に出した娘が黒人だったという事実に最初は驚愕しながらも、モデルのようにスラッと美しく大卒で検眼師という専門職についているHortenseに惹かれ、「自慢の娘」に会いに出かけるのを楽しみにするようになる。
一方Cynthiaの弟Mauriceは写真家で、室内装飾に凝りエステに通う妻Monicaと新築の美しい家に住んでいる。Roxanneの誕生日パーティをMauriceの家で開くことになり、CynthiaはHortenseを自分の友人だと偽ってパーティーに連れて行くのだが・・・?
MonicaとMauriceの暮らす家は、まるでイギリスの雑誌から抜け出だしたような、ため息が出るほど素敵なインテリア。壁はステンシルで装飾し(決してアメリカン・カントリー調ではなく、ヨーロッパ風の格調高いステンシル)、ボーダー・テープを貼り、家具もペイントして自分の好みに仕上げている。バスルームの壁紙はローラ・アシュレイ製。暖炉にもレリーフがついて高級感を醸し出している。冷蔵庫の扉も木製で一見すると家具の一部のよう。夫婦でバスルームが別にあり、さらに階下にもトイレが別にある。ベッドはfour-posteresd(ベッドの四隅に柱がついた豪華なもの)。
ネタバレになるといけないので詳細は書けないが、Monicaのような悩みがあったらあのように室内装飾に執念を燃やすのもわからないでもない。
CynthiaとRoxanneの暮らす生活臭の漂う貧しそうな下町のフラットや、Hortenseの暮らすモノトーンでまとめたシンプルで都会的なフラットと比べてみるのも面白いだろう。
彼女が育ての両親から出生の秘密を知ったのは「バルバドスからの帰りの飛行機」だったことを考え合わせると、彼女の育ての親はバルバドスからの移民だったのかもしれない。葬式に集まった一族のきちんとした服装や、養女を引き取る経済的余裕があったことから、そこそこ裕福な層だったのだろう。
バルバドス…カリブ海に浮かぶ西インド諸島の最東端にある島で、1625〜1966年まで英国領でカリブ海での経済活動の基地として繁栄した。
イギリスには生みの親を知る権利ができたらしく、出生記録も自分で調べられるようになっている。
ロンドン西部の街キルバーンは、アイルランド移民が多いことから家賃の相場が安く、低所得者が住む地域とみなされている。(アイルランド人はイングランドで差別されているので) Hortenseのフラットがキルバーンにあることを聞いたMauriceが、ちょっとひいた様子で「あそこは不便じゃないのか?」と尋ねたのには、そういう背景がある。
HortenseがCynthiaの住所を知って車でフラットを見に行った時に見ていた地図は「London A to Z」。これさえあれば通りの名前からすぐ目的地がどこにあるか調べられて便利。
HortenseとCynthiaは初めて会った時にHolborn駅で午後7:30に待ち合わせをしたが、7月なので緯度の高いイギリスではその時間でもまだかなり明るい。
カンヌ映画祭パルムドール大賞、主演女優賞(Brenda Blethyn)
国際映画批評家連盟賞(その他)1999年度英国映画協会によるベスト100作品:40位にランクイン
・・・Cynthiaの家
・・・Mauriceの写真館
・・・Mauriceの自宅
Green Lanes, Palmers Green, London
ロンドン北部Alexandra Parkの隣
Timothy Spall .... Maurice (写真家・Monicaの夫で Cynthiaの弟)
Phyllis Logan .... Monica (Mauriceの妻)
Brenda Blethyn .... Cynthia (Mauriceの姉・HortenseとRoxanneの母)Claire Rushbrook .... Roxanne ( Cynthiaの娘)
Marianne Jean-Baptiste .... Hortense ( 検眼師・Cynthiaの娘)
Michele Austin .... Dionne (Hortenseの友人)
Elizabeth Berrington .... Jane (Mauriceのアシスタント)
Lee Ross .... Paul (Roxanneの彼氏)
Ron Cook .... Stuart (Mauriceの写真館の元オーナー)
Phil Davis
Alison Steadman
Amazon.Japan
国内盤DVDAmazon.UK
Screenplay
(1996年 イギリス 142分)
監督:Agnieszka Holland
脚本:Caroline Thompson
原作:Frances Hodgson Burnett
植民地下のインドで暮らしていた主人公メアリーは、両親を亡くしたためにヨークシャーにある叔父の屋敷に引き取られる。わがままで陰気だった"つむじまがりのメアリー"は、亡き叔母の秘密の花園を手入れしているうちに笑顔と明るさを取り戻し、また病弱ないとこや亡き妻の死を悲しんでいた叔父の心もなごませていった・・・誰でも子供の頃一度は読んだことがある名作ではないだろうか。
バーネットの名作をポーランド出身の女流監督アニエスカ・ホランドが映画化。「秘密の花園」は彼女のハリウッド進出第一作。製作総指揮はF・コッポラ。
マザー・グースの「Mistress Mary, quite contrary, How does your garden grow ?(意地っ張りのメアリー女王様、あなたのお庭はどんなふう?)」が作品の中で2度歌われ、重要なモチーフとなっている。一度目はインドからリバプールへの船中で、意地っ張りな主人公メアリーを他の子供たちがはやし立てる場面。2度目はディコンと一緒に花園に球根を植えている場面。
ヨークシャーの雲が重く垂れ込め、ムーアも荒れ果てた陰気な冬から、春が来て一気に花が咲き出す映像が秀逸。イギリスでは冬が長くて暗い分、春になるとみな戸外に出てガーデニングに精を出す。
メアリーが引き取られたクレイブン卿のお屋敷、Misselthwaite Manor。古めかしいタペストリー、アンティークの銀食器、シノワズリ(中国趣味)の茶道具、子供服のレースづかいの美しさなど目にも楽しい。そしてヨークシャーのあたりでは朝食にポリッジ(オートミールのおかゆ)をとることも多いとか。メアリーが何度か食べるシーンがある。
12世紀の寺院跡、エリザベス朝の豪邸、ジョージアン朝のものとしては最も保存状態が良いウォーターガーデンなど、見所もいっぱい。
Address: Fountains, Ripon, North Yorkshire HG4 3DY
Official WebSite
MobrayおよびSegrave、Stourton卿が先祖代々住居としてきた、ゴシック様式を模した館。18世紀にはヨーク公フレデリック(ジョージ4世の弟)が所有していた。マザーグースの'The Grand Old Duke of York'に唄われた丘があることでも知られる。1982年にDr. Gerald Arthur Rolphによって買い取られ、大掛かりな修繕が施された。
Address: Allerton Park, Nr. Knaresborough, North Yorkshire, HG5 0SE
Kate Maberly .... Mary Lennox
Heydon Prowse .... Colin Craven(メアリーのいとこ)
Andrew Knott .... Dickon (野性的な少年・Marthaの弟)
Maggie Smith .... Mrs Medlock(女中頭)
Laura Crossley .... Martha(お屋敷の女中・Dickonの姉)
John Lynch .... クレイブン卿(メアリーのおじ・コリンの父)
Walter Sparrow .... Ben Weatherstaff
Irene Jacob .... メアリーの母
(1993年 アメリカ 105分)
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