タイトル*ち
製作:David Puttnam
監督:Waris Hussein
原作・脚本:アラン・パーカー
イギリスのパブリックスクールに通う少年少女(10歳くらい?)の初々しい恋心を描いた名作。相思相愛のメロディとダニエルは学校をさぼって遊園地と海岸に遊びに行く。翌日先生にしかられたふたりは「結婚します!」と宣言するのだった・・・「メロディ・フェア」をはじめとするThe Bee Geesの挿入歌も大ヒット。
男子の制服はブレザーにネクタイとお坊ちゃまふう。女子はギンガムチェックのワンピースで、色のバリエーションは数種類ある。当時はまだ体罰が許されていたらしく、教師は靴で生徒の尻を強く叩いたりする。ラテン語の授業も。
ダニエルはメロディの家でTeaをふるまわれる:
この場合の「Tea」の意味は軽い食事を含むので、ハムを食べたりしている。紅茶に肉料理がついた「ハイ・ティー」はもともと労働者階級の習慣。
ロンドン名物の赤いダブルデッカーは、車掌がいる旧式のボンネット型。鳩が群なすトラファルガーSq.、黒塗りオースティンのタクシー・・・ダニエルと友人のオーンショーがコックス(林檎)をかじりながらぶらぶらするロンドンの街並みをご覧ください。
ダニエルの家庭:
おそらく中産階級。母親は息子のダニエルを少年団(Boys' Brigade)に入れたり、少年団の制服を綺麗に整えてやったりするおせっかいな教育ママタイプ。オープンカーを乗り回し、髪を染め(本当の上流階級はやらない)、爪やすりで指先の手入れをしたり、ボランティアや婦人会に参加したりと、典型的中産階級。ダニエルのがさつな友人オーンショーが彼女の車に乗り込んできた時もいい顔をしなかったし、彼が車から降りた時「こんなところに住んでいるのかしら?」とそこに建っていた集合住宅をジロリと見る。
父親の職業は会計士。読んでいる新聞はクオリティ・ペーパーの判型。
おじのジョージとおばのベティも似たようなもの。ジョージは甥のダニエルにタクシー代として小遣いをやったりしており、暮らし向きは楽そう。ただ、みんな揃って「生活に余裕はあるが俗物」というタイプ。家族計画をしないからといってカトリック教徒を馬鹿にしている。メロディの家庭:
ワーキング・クラスとみられる父親はパブに入り浸りで、問題を起こして警察のやっかいになることも。普段家にいるのは母と祖母。もちろん古びた集合住宅。廃品回収屋(古物商)が持っている金魚が欲しくて、メロディは服を持ち出したりする。オーンショーの家庭:
両親はなく、年老いた祖父と二人暮らしで面倒を見ている。ふちの欠けたマグカップでお茶を飲んでいたり、タクシーに乗ろうとダニエルに言われると躊躇したり・・・と、豊かではない様子。
"To Love Somebody"
"Melody Fair"
"First of May"
"Give Your Best"
"Morning of My Life (In The Morning)"
Trafalger Square
Piccadilly
Soho Square
Berwick Street
Greek Street
・・・学校として使われた建物
(Hammersmith RoadとColet Gardensのかど)建物の前は公園になっています。「若葉のころ(First of May)」が流れる中、ダニエルとメロディが手をつないでくぐったレンガ造りのアーチ(建物のまん中にあるアーチ)、2人が通った校門(建物の前にある公園の門)、そしてラスト近くで、校長と他の先生方が結婚式場に向かう際、駆け下りたらせん階段などが、ほぼ撮影当時のまま残っている。(情報提供:RSさん)
・・・教室や講堂のシーン上記の建物と道をはさんで向かい側にあるColet Court(100 Hammersmith Road)で撮影された。現在はオフィスビルで、内部は全面改装されていて、撮影に使われた講堂などは残っていない(情報提供:RSさん)
(地下鉄のLambeth North駅近く)
メロディが金魚と戯れる場面の石の水槽は、Lambeth RoadがKennington Roadと交わるところに今でも残っている。
メロディが金魚と遊んだあと、父親に会いに行くパブは、Kennington RoadとBishop's Terraceのかどにある"The Ship"。このパブと隣の家をしきる壁は、映画の冒頭でオーンショーがダニエルと別れた後、乗り越えていったもの。(情報提供:RSさん)
Mark Lester .... Daniel
Tracy Hyde .... Melody
Jack Wild .... Ornshaw (Danielの友人)
Ken Jones .... Mr Dicks (教師)
Billy Franks .... Burgess
Sheila Steafel .... Mrs Latimer (Danielの母)
Roy Kinnear .... Mr Perkins (Melodyの父)
Kate Williams .... Mrs Perkins(Melodyの母)
Hilda Barry .... (Melodyの祖母)
Colin Barrie .... Chambers
James Cossins .... 校長
June C. Ellis .... Miss Dimkins
John Gorman .... 少年団長
Dawn Hope .... Maureen (Melodyの友人)
Robin Hunter .... George (Danielのおじ)
June Jago .... Miss Fairfax
Ashley Knight .... Stacey
書籍:『小さな恋のメロディ』
アラン・パーカー (著), 桐山 洋一 (翻訳)ハヤカワ文庫
(1970年 イギリス106分)
製作総指揮:ガブリエル・バーン
監督・製作・脚本:ジム・シェリダン
共同脚本:テリー・ジョージ
原作:Gerry Conlon 自伝 _Proved Innocent_
撮影:ピーター・ビジウ
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
主題歌:ボノ(U2)
エンドテーマ:シニード・オコナー
1974年10月5日、ロンドン近郊のベッドタウン、サリー州ギルフォード。 警官が集まるパブでIRAによる爆弾テロ事件が起き、たまたまイギリスに来ていたアイルランド人青年ジェリー・コンロンたちはあらぬ容疑をかけられ拘留されてしまう。 その上急遽上京してきたジェリーの父やロンドンのおば一家までテロの共謀者として捕らえられる。 一本気で生真面目な父親への反発からふらふらと不良少年を気取っていたジェリーだったが、地道に無実を訴える活動を続ける父の姿にしだいに心動かされるように。 そして彼らの冤罪を晴らすべく奔走する弁護士は、警察側がコンロン親子の無実を知りながら証拠をひた隠しにしていた事実を知り・・・
1974年に実際に起こった「Guilford Four事件」によって無実の罪で15年間服役したGerry Conlonの自伝を元にした作品。 北アイルランド問題、冤罪が作りあげられていく構造とイギリスのダークサイド、父と子の確執と愛が描き出された社会派ドラマ。
北アイルランド・ベルファストでカトリック系住民(=アイルランド人)は少数派。それゆえ差別されたジェリーの父ジュゼッペは、ペンキ屋くらいしか職がなく、化学物質で肺を病んでしまった。体を壊してからは賭け屋(Bookies)の事務員をしてなんとか一家を養っている。『キャル』 Cal (1984)でもカトリックには屠畜場しか職がないという嘆きが。
差別される側としてカトリック系住民同士の団結は固く、英国軍に追われて逃げるジェリーたちを町の人みんなが協力して匿ってやる。 装甲車に乗ってやってくる英国軍の様子がものものしい。
集団で住まわされているカトリック系住民の居住区(西ベルファスト)は、プロテスタント系住民の住む地域に比べると極端に環境が悪く、ゲットーのような様相を呈している。 通りには「Brits out, IRA Rules.」という落書きが。
ヒッピーたちのコミューンでもアイルランド人を快く思わない男がいたが、ジェリーらが逮捕された警察で、そして裁判の席でのアイルランド人に対する剥き出しの差別意識は並々ならぬものがあった。 そして収容されていた刑務所の中、犯罪者たちさえアイルランド人を見下している。 IRAの闘士ジョーが食事をしようとテーブルに着いたとき、周りにいた囚人たちは次々と席を立ってしまい、物を投げたり、「Paddy(アイルランド人に対する蔑称のひとつ)」と呼んで唾をかけたりする男さえいた。
また警察内でもPavis刑事は、アイルランド人ゆえに見下され自ら汚れ役を買って出ることになる。
アメリカ発のヒッピー文化は、70年代にはイギリスでも花開いた。既成の社会体制や価値観を否定しようとする若者たちの中には、コミューンを形成してドラッグやフリーセックスなどを実践するものもいた。 ジェリーが訪ねた旧友パディもそんな若者の一人。 仲間に入ったジェリーもヒッピーらしい絞り染めのTシャツを着るようになる。
また、ヒッピーたちはしばしばベジタリアン(菜食主義)を標榜することもあり、ジェリーがロンドンに住むアニーおばさんにと言付かったお土産のソーセージとハムを見つけて「豚(pig)食べてる」と嫌がる。「pork」でなく「pig」と表現するのはより強い嫌悪感の現れ。
ロンドンに住む母方のおばアニーは「あの国で誇れるものはソーセージだけね」とジェリーがもってきた手土産のソーセージを喜ぶ。 おばさんの出してくれたお茶は女王の顔のついたマグカップに入っており、壁にも女王の肖像写真が飾ってある。
1974年イギリスでは、テロリスト対策として"容疑者を裁判無しで7日間拘留できる"という非人道的な法律が可決された。 弁護士への面会も許されず、拘留中に警官に拷問や脅しを受けたジェリーは、言われるがままに供述書にサインしてしまう。
1970年代は、北アイルランド紛争が最も過激になっていた時代。 ベルファストでは火炎瓶や爆弾テロが日常化し、イギリスでもテロによって多くの一般市民の命が奪われていた。
この作品のためにデイ=ルイスは完璧な西ベルファスト訛りを習得して周りを驚かせた。
ドン・ベイカーの本業はシンガー・ソング・ライターで、本作が映画初出演。
Gerry Conlonはのちに映画『フェイス』Face(1997) に出演していた!
なぜジェリーの父が「ジュゼッペ」なんてイタリア人のような名前なのかは、近所にあったイタリアン・ジェラート(アイスクリーム)屋の名前を取ったからとか。
ベルリン国際映画祭:金熊賞受賞(ジム・シェリダン)
1993年米アカデミー賞、7部門ノミネート
ロケはダブリン、リバプール、マンチェスター、ロンドンなど。大半は本物の刑務所内で撮影されている。
Kilmainham Gaol(刑務所)
・・・コンロン父子が収容されていた牢獄として。
ダブリンにある著名な牢獄で、アイルランド独立運動の闘士らがここに監禁されていたことで知られる。 Kilmainham Gaol, Inchicore Road, Dublin 8 |
St. Patrick's Institution courtyard
Mountjoy Prison
Harcourt Street
Sheriff Street
・・・暴動の場面
Guinness Brewery
・・・ジェリーが屋根の上を逃げる場面
Ringsend
Sir Patrick Dun's Hospital, Merrion Square
Brunswick Vaults, Tithebarn Street
・・・冒頭でパブが爆破される場面
St. George's Hall
・・・ロンドンの中央刑事裁判所の内装として
Liverpool Docks
Falkner Square
Huskisson Street
Liverpool Museum
・・・ロンドンの中央刑事裁判所の外装として
Manchester Town Hall
・・・ロンドンの中央刑事裁判所の外装として
Daniel Day-Lewis .... Gerry Conlon
Pete Postlethwaite .... Giuseppe Conlon
Emma Thompson .... Gareth Peirce (弁護士)John Lynch .... Paul Hill(ジェリーの幼なじみ)
Mark Sheppard .... Paddy Armstrong(ジェリーのヒッピー友達・冤罪に)
Beatie Edney .... Carole Richardson(ヒッピー仲間・冤罪に)
Saffron Burrows .... ヒッピー・コミューンの少女Don Baker .... Joe McAndrew (IRA闘士・パブ爆破事件の真犯人)
Barbara Mulcahy .... Marian (IRA・Joeの部下)Corin Redgrave .... Robert Dixon (事件担当刑事部長)
Gerard McSorley .... Detective Pavis (アイルランド人刑事)
Phil Davis .... Detectiveジェリーの家族・親戚等
Marie Jones .... Sarah Conlon (ジェリーの母)
Anna Meegan .... Granny Conlon (ジェリーの祖母)
Leah McCullagh .... Bridie Conlon (ジェリーの妹)
Joanna Irvine .... Ann Conlon (ジェリーの妹)
Britta Smith .... Annie Maguire(ジェリーのおば)
Ronan Wilmot .... Paddy Maguire (アニーおばさんの夫)
Maclean Burke .... Young Vincent Maguire (アニーおばさんの息子)
Joe Jeffers .... Young Patrick Maguire (アニーおばさんの息子)
Anthony Brophy .... Danny(ベルファストでのジェリーの友達)Joe McPartland .... Charlie Burke (アイルランド人ホームレス)
Aiden Grennell .... Trial Judge
Daniel Massey .... 検事
Bosco Hogan .... 国選弁護人
John Benfield .... 看守長Barker(McAndrewの恨みを買う)
Jer O'Leary .... Prisoner John O'Brien
Denys Hawthorne .... 判事(上告時)
Tom Wilkinson .... 上告検事(上告時)
_On Location_ by Brian Pendreigh
Mainstream Publishing; ISBN: 1851587292 (16 October, 1995)国内盤DVD (2001/09/28) ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
(1993年 英=米 133分)
監督:ハーバート・ロス
脚本:テレンス・ラティガン
原作小説:James Hilton
舞台は1924年、イギリスのパブリックスクールBrookfield校。
お堅い古典教師チップス先生は、昔の教え子Longbridgeに誘われてウェストエンドのミュージカル「フルハムのフロシー」を見に行く。Longbridgeは終演後Savoyホテルで女優のKatherineと待ち合わせをしていたが、彼女はそんな約束は忘れて恋人の近衛兵大尉Calburyと現れる。
夏休みにポンペイの遺跡巡りをしていたチップスは、偶然Calburyと別れて傷心旅行中のKatherineと出会い、戸惑いながらも恋に落ちる。ところが校長やPTAは華やかな元ミュージカル女優は教師の妻にふさわしくないとおお慌て。一度は身を引こうと逃げ出したKatherineだったが、チップスの情熱に・・・
冷静沈着で滅多なことでは取り乱さないチップス先生がマントを翻し走る姿、夫婦の細やかな愛情が胸を打つ。
1999年度英国映画協会によるベスト100作品:12位にランクイン
本当は「Fulhamのフロシー」のような軽いミュージカルではなく、オールド・ヴィク劇場(ロンドンにある有名な劇場)の「メディア」が見たかったのだと主張するあたりが古典教師であるチップス先生らしい。
第二次大戦中の様子:ドイツからの空襲が日に日に激しくなり、授業にも支障が出るほどになっている。チップスの同僚だったドイツ人教師も本国に呼び戻される。妻のケイティも軍の慰問のために基地に通っていたが・・・
パブリック・スクールの様子:
カンカン帽をかぶった生徒たち、クリケットやラグビーの試合、クラッシックな趣の車言葉の使い方が面白い:
たとえば「Suitability」などという単語はウェブスター(アメリカの辞書)には載っていてもオックスフォード(イギリスの辞書)には載っていないと主張したりする。また、「jolly good」など古めかしい言い方を好む。
Peter O'Toole .... Arthur Chipping
Petula Clark .... Katherine (通称ケイティ)
George Baker .... Lord Sutterwick (資産家・生徒の父親)
Michael Bryant .... Max Staefel (チップスの友人・ドイツ人)
Michael Redgrave .... 校長
Alison Leggatt .... 校長夫人
Sian Phillips .... Ursula Mossbank (女優・キャサリンの友人)
Michael Culver .... Johnny Longbridge (チップスの昔の教え子)
Clinton Greyn .... Bill Calbury (ホースガーズの大尉)
Jack Hedley .... William Baxter (チップスの同僚)
『チップス先生さようなら』
ヒルトン (著), 菊池 重三郎 (翻訳) 新潮文庫 ヒ 1-1 (1956/07/01)
(1969年 アメリカ 151分)
監督:Ken Russell。 1992年にイギリスでTVシリーズとして製作されたが、1995年に劇場公開用に再編集された。
1920年代、第一次大戦で下半身不随となり車椅子生活を送る夫との生活に満たされないものを感じていた若妻コニーは、野生的な森番(=Gamekeeper)メラーズにいつしか惹かれるようになり関係を持ってしまうが・・・
D.H. Lawrenceの小説『Lady Chatterley's Lover』の映画化で、日本で1950年にこの小説が翻訳されたときに、"わいせつか芸術か"で裁判になったという有名な作品。エロティックなものだけを求めてこの映画をご覧になる方は、多少の失望を味わうかもしれない。それほど美しく悲しく優しげな、イギリス的映像美にあふれた典雅な仕上がりになっているからだ。問題になった小説の"矢車菊の場面"も、矢車菊で作った花輪を首にかけたり頭に載せたり・・・とファンタスティックな表現に。
原作テキスト:"Lady Chatterley's Lover"
炭坑夫を父に持つD.H. Lawrenceの作品には、しばしば坑夫たちが登場する。(i.e.『レインボウ』) クリフォードも炭坑を所有しており、坑夫たちのストライキにあう。
物語は第一次大戦の戦没者慰霊式から始まる。チャタレイ家の長男もこの戦争で命を落とし、次男であるクリフォードも下半身不随となる重傷を負い、兄のかわりに家督を継ぐ。 戦没者慰霊式でクリフォードは花輪を捧げるが、これは激戦地となったフランドルの野に咲いた赤いケシをあらわしており、休戦の象徴でもある。>>『戦争レクイエム』
豪壮な屋敷・Rugby Hallのクラシカルな調度品、美しく手入れされた庭園、お茶道具も銀のティーポット、陶器のティーポットと素敵なものが何種類も登場し(スコーンをつまみつつ・・・)、上流階級の優雅な暮らしが仔細に描かれることで、野生味あふれる猟場番小屋とその周囲の森の醸し出す自然の力強さを感じさせる。この対比が見事!
本能と理性の狭間での葛藤、広大な屋敷と田園風景、猟場番との身分違いの恋、船による新天地への旅立ち・・・と、どこか『モーリス』と通じるものを感じた。(両作品ともJames Wilbyが出演しているし?)
Gaddesden Placeは、James Wyattのデザインによって、1768年から1773年の間に立てられた。 Gade valleyを望む見晴らしの良い場所にある。
Gaddesden Place, Hemel Hempstead, HP2 6EX, ENGLAND
チャタレイ家の屋敷
南仏にあるコニーの父の家
・・・ラストの船出の場面
Joely Richardson .... Lady Chatterley (コニー)
Sean Bean .... Mellors (森番)
James Wilby .... Sir Clifford Chatterley (コニーの夫)
Shirley Ann Field .... Mrs Bolton (教区看護婦)
Amanda Murray .... Mrs Draycott
Soo Drouet .... Mrs Flint
Frank Grimes .... Mr Linley
Hetty Baynes .... Hilda (コニーの姉)
Joanna Crowther .... Betty Mellors (森番メラーズの母)
Roger Hammond .... Duke of Oaklands
Nicholas Hutchison .... Arnold Hammond
Pat Keen .... Mrs Mellors (メラーズの妻)
Breffni McKenna .... Donald Forbes
Jo Powell .... Duchess of Oaklands
Ken Russell .... Sir Michael Reid
Molly Russell .... Molly
Rupert Russell .... Rupert
_On Location_ by Brian Pendreigh
Mainstream Publishing; ISBN: 1851587292 (16 October, 1995)国内盤DVD:
『チャタレイ夫人の恋人〈劇場公開版〉
『チャタレイ夫人の恋人』(BBC-TV放映版)
- 原作書籍:
完訳『チャタレイ夫人の恋人』- D.H.ロレンス/伊藤整・伊藤礼 訳/新潮文庫
- その他書籍:
_Sean Bean : The Biography_ by Laura Jackson- ハードカバー/ペーパーバック
(1995年 イギリス 115分)
制作:Mel Brooks
監督:David Hugh Jones
脚本:Hugh Whitemore
原作:Helene Hanff
「ニューヨークの古書店といったら高価な稀覯本を扱っているようなところばかりで、私が探しているようなイギリス文学の在庫もなきに等しい。」文学好きの駆け出しの脚本家ヘレーヌ・ハンフは絶版本を扱っているロンドンの古書店の広告に目を留め、注文の手紙をしたためる。驚いたことに、丁寧な手紙と共にお目当ての本が送られてきた!これをきっかけにしてロンドンのMarks & Co.社のフランクと20年(1949-1969)にもわたる友情と文通が続いて行くことになる・・・。
遠く離れていながら、書簡を通じて友情以上の理解を育んでいったふたり。古書への情熱によって結び付けられた人間の絆を描いた佳作。
古書店が軒を連ねていることで有名な通り。アメリカでイギリス文学を手に入れにくかったことから、へレーヌは広告で見たロンドンのマークス社に手紙を書き送って、注文していくことになる。
Charing Cross Roadの位置>UK Street Map
当時のイギリスでは、ポンド、シリング、ペンスが貨幣単位として使われていた。
1ポンド=20シリング=240ペンス(1シリング=12ペンス)という変則的なもの。サマセット・モームの『月と6ペンス』も、このようあ貨幣単位が用いられていた時代に書かれたもの(現在6ペンスコインはない)。現在シリング貨は廃止されており、1ポンド=100ペンス。
ヘレンがいちいち英国人のブライアンにドルからポンドへの換算を頼んでいたのも、こうした複雑な貨幣単位が使われていたため。イギリスへの注文に、彼女がドル紙幣をそのまま封筒に入れて送っていたのも、第二次大戦の戦勝国アメリカの通貨、ドルの強さを端的に表している。
戦中のイギリスは食糧難から配給制になっており、割り当て以上の食料が必要な者は、闇市に行かなければならなかった。ちなみに当時の割当ては、肉が一世帯当たり1週間で60g、卵が1ヶ月に1人1個だったとか。この映画でも、肉屋の店先に配給で決められている量以上の肉を売れないお詫びの看板が出ている。
クリスマス・プレゼントにハムを送った後に、ヘレーヌは慌てて「ユダヤ教の戒律に厳しい方?(Are they kosher?)」とフランクに確認する。Marks & Co.社の送り状に"マークスとコーエンの共同経営"と書いてあったからだ。"マークス"も"コーエン"も、典型的なユダヤ人の姓。(Marks & SpencerのMarks氏もポーランド出身のユダヤ人)ユダヤ教の戒律では豚を食べることは固く禁じられているし、ユダヤ人の掟に従って正常に料理されたもの(kosher food)しか口に出来ない。ちなみにベーグル・パンもルーツはkosher foodにある。
へレーヌ自身もユダヤ人だが、彼女の義理の姉はそれぞれカソリックやメソジスト派で、NY在住ということもあってか、それほど戒律に気を遣っていないようだ。
Marks社の秘書がお茶を入れる用意をしているところに、ろうそくで保温するタイプのケトルが出て来る。そこを通りがかった経営者は「お茶なしの人生なんて耐えられない」と、ティータイムを楽しみにしている様子。
*ポットに注ぐ直前まで湯を熱々に(情報提供:ユリノキマリさん)
オーウェルは「やかんをポットに近づけるのではなく、ポットをやかんに近づけて湯を注ぐ」と、注ぐ直前まで湯が熱々である必要性を説いていましたが、この映画の中で、マークス&コーエン社のセシリアがお茶をいれるシーンを見ていたら、コンロの火を切らず、やかんの底が炎に当たった状態で湯を注いでいました。
確かに!以下にオーウェルの記述を引用します:
「第六は、ポットのほうを薬缶のそばへ持っていくべきで、その逆ではだめだということ。お湯は葉にぶつかる、まさにその瞬間にも沸騰していなければだめで、となれば注いでいるあいだにも下から炎があたっていなければいけないのだ。」
『一杯のおいしい紅茶』
ジョージ・オーウェル (著)小野寺健(訳)朔北社 ; ISBN: 4931284051 ; (1995/01)
ヘレーヌは、イギリスへの想いを募らせるあまり、イギリスを舞台にした映画をたくさん観に行っていたようだ。最後のほうでも手紙に「I used to go English movie just to look at the streets.」と書いている。
デヴィッド・リーン監督作品『逢びき』Brief Encounter (1946)を映画館で見ている場面がある。この映画の後、「ジョン・ダンが説教をしたセント・ポール寺院や、エリザベス一世が入るのを拒んだロンドン塔の石段に腰を下ろしてみたい」と、手紙に書き綴る。
へレーヌのアングロファイルぶりをあらわすエピソードとして、英国人ブライアンの誕生日に、ヨークシャープディングを焼いてあげた場面がある。彼女はぷっくりふくらんで中に空洞が明いたプディングが焼けて、とても喜んでいる。
>>Recipe
ヘレーヌが次々と注文していく名著のタイトルを聞いているだけでも面白い。
Q(クイラー・クーチ)の『オックスフォード名詩選』、サミュエル・ピープスの日記、ジョン・ダン、チョーサー・・・
店にふらっと訪れたアメリカ人女性をヘレーヌと勘違いしていたフランクが、自分の思い過ごしだったことに気付いた後に開いた詩集に載っていたのは、アイルランドの詩人イエイツによるもの。
HE WISHES FOR THE CLOTHS OF HEAVEN
William Butler Yeats (1865-1939)Had I the heavens' embroidered cloths,
Enwrought with golden and silver light
The blue and the dim and the dark cloths
Of night and light and the half-light,
I would spread the cloths under your feet.But I, being poor, have only my dreams.
I have spread my dreams under your feet,
Tread softly because you tread on my dreams.
フランクは、子供たちに手伝ってもらいながら自らクリスマスツリーの飾り付けをしたり、ヒイラギを吊るしたりしている。妻のノーラは、イギリスのクリスマスで伝統的に食べられているミンスパイを焼いている。
フランクの自宅の住所はOakfield Court(N8)。
フランクはマークス社のチーフ・バイヤーだったので、時にはカントリーサイドの豪邸まで本を買いつけに行くことも。お屋敷の書斎にはたくさんの革表紙の本が並べられていた。
ヘレーヌの会場に住むケイは、英国人のブライアンと結婚した。貨幣単位を計算する手伝いをしてもらった関係で、このカップルと仲良くなったへレーヌは、彼らが留守の間ベビーシッターを買って出ることも。ブライアンの書斎だろうか、本棚にはイギリスのアンティークマーケットでよく見かけるタイプの、一対の狛犬のような陶器の置物(Staffordshire Figure)が見える。
国王ジョージ六世が逝去して、現女王エリザベス二世が戴冠したのは、1952年のこと。フランクは友人たちを家に招いて、TVでエリザベス二世の戴冠式の様子を見る。ヘレーヌからのプレゼントのハムを使ったサンドイッチを嬉しそうに振る舞う。国歌「God save the Queen」が流れると、その場にいたもの全員が起立して敬意を表していたのが印象的。
ヘレーヌがごひいきの野球チーム「ブルックリン・ドジャース」の応援をして欲しいとフランクに書き送ると、フランクは「トッテナム・ホット・スパーズ」を応援して欲しいと伝える。
>Tottenham Hotspur F.C. (WebSite)
Swingin' Londonと呼ばれた1960年代後半のロンドンは、ミニスカートとビートルズが席捲した時代。ミニスカートの女性を見て眉を顰める老婆も出て来る。
フランクの妻ノーラはアイルランド人。(me, with my Irish background)
「主人と違って私はアイルランド気質で・・・」と、手紙に書き綴っている。
アン・バンクロフトの夫メル・ブルックスは、21回目の結婚記念日の贈り物とこの作品の映画化権を獲得したとか。
Helene Hanff(1916-1997)
1949年から1969年までの20年間にもわたるフランク・ドウェル氏との文通は彼の氏によって終わりを告げたが、1970年にこの文通についての回想録「チャリングクロス街84番地」は大きな反響を呼び、イギリスの舞台、ブロードウェイ、映画に翻案され大ヒットとなった。現在チャリングクロス街84番地に古書店はないが、店があった場所には記念に真鍮のプレートが掲げられているという。
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ニューヨーク
Richmond, London
(Frank Doelの自宅として)*この映画が作られた時チャリングクロス84番地にはすでにレコード店になっていたため、シェパートンスタジオに古書店のセットを作って撮影した。
1988年英アカデミー賞 主演女優賞受賞/助演女優賞(JudiDench)、脚色賞ノミネート
(NY)
Anne Bancroft .... Helene Hanff (脚本家)
Jean De Baer .... Maxine Bellamy (Heleneの友人・女優)
Mercedes Ruehl .... Kay (Heleneと同じアパートの住人)
Daniel Gerroll .... Brian (英国人・Kayの恋人)(ロンドン)
Anthony Hopkins .... Frank P. Doel (Marks & Co.のチーフバイヤー)
Judi Dench .... Nora Doel (Frankの妻・アイルランド人)
Maurice Denham .... George Martin (Marks & Co.社員)
Eleanor David .... Cecily Farr (Marks & Co.社員)
Wendy Morgan .... Megan Wells (Marks & Co.社員)
Ian McNeice .... Bill Humphries (Marks & Co.社員)
Gwen Nelson .... Billの大叔母
Anne Dyson .... Mrs Boulton (刺繍をしてくれた老婦人)
フランクが一瞬ヘレーヌかと勘違いしたアメリカ人女性を演じているのは、ジョン・クリーズ元夫人のコニー・ブース。
『チャリング・クロス街84番地〜書物を愛する人のための本 』
ヘレーン・ハンフ著;江藤淳・訳/中公文庫/中央公論新社 1984/10出版 ISBN:4122011639_84 Charing Cross Road_ by Helene Hanff (Papaerback)
Video(輸入版ビデオ・字幕なし)
(1986年 アメリカ 95分)
"チューブ"の愛称で親しまれているロンドンの地下鉄を舞台に、9話のオムニバスから構成されるクールな物語。ロンドン版「ぴあ」こと、Time Out誌がアイデアを募集したところ、なんと3,000通以上の応募が寄せられたとか。ユアン・マクレガーやジュード・ロウをはじめとした英国映画界のホープも、監督として参加。
ロンドンは世界で最初に(1863年)地下鉄が走った都市。当時は蒸気機関車だった。チューブのように円筒状になったトンネルにあわせて、車体の屋根もチューブ状に丸くなっていることから名づけられたもの。英語では地下鉄のことを「Underground」または「Tube」と呼ぶ。米語で地下鉄を意味する「Subway」は、英語では「地下道」の意味になる。
>>よろしかったらこちらのチューブの項もご覧ください。
- 上から下がっているのは吊り輪でなく「吊り玉」。最近の新型車両には吊り玉がついていないが、この作品に出てくる車両はすべて吊り玉がついているタイプ。
- 乗っていると突然「この列車は回送です」というアナウンスが流れ、次の列車に乗り換えなければならないこともある。("Mr Cool")
- ホームに降りるための長いエスカレーター脇の壁には、色とりどりのポスターがたくさん貼られている。
- 日本のように乗り越し精算ができないので、自分が買った切符より遠くに行きたい場合は、一度下車して切符を買い直さなければならない。抜き打ち検査もあり、乗り越しやキセルなどで違反すると高額な罰金を科せられる。("Grasshopper"、"A Bird in the Hand")
- 列車の床は木製。エスカレーターも木製の駅もある。
- 地下鉄大火災の教訓か、禁煙が厳しく実施されている("My Father the Liar")し、列車のドアには大きく「No Smoking」という表示が。
- 車内で飲食している人がやたらに多い。("Mouth")
- ありとあらゆる人種・階層(超上流階級は除くが)が乗り合わせている。
- 座席は汚れていることが多いので、いい服を着ている時は座る前に注意。向かい合った座席に靴のまま足を投げ出している男もいる。("Grasshopper")
- トラベルカードと呼ばれる定期券(1週間以上〜)には写真を貼る。("Bone")
- 通路で楽器を演奏している人(禁止されているが)や、小銭をねだる物乞いの姿も時折見掛ける。
(1999年 イギリス 89分)
オフィシャルサイト: Sky Pictures / アミューズ
監督・脚本: Amy Jenkins
Story:
会社帰りにエマは出口のところで青年に声をかけられるが、地下鉄で帰るという彼に自分はあくまでもバスを使うとつれない返事。そこへやってきた彼女の上司ルークは送ってあげようと車に乗せるが、露骨に口説こうとする態度に腹を立てたエマはすぐさま脱出。ルークは彼女を追って地下鉄のホームを駆け抜けるが・・・?地下鉄では突然「この列車は回送です」というアナウンスが流れ、次の列車に乗り換えなければならないことも多々ある。
ロケ地:
ホルボーン駅
キャスト:
Jason Flemyng .... Luke (Emmaの上司)
Dexter Fletcher .... Joe
Kelly MacDonald .... Emma
監督・脚本:Stephen Hopkins・・・『ロスト・イン・スペース』
Story:
暑い夏の日に、胸の大きく開いた挑発的な服を身にまとった女性が地下鉄に乗り込む。近くに立っていた紳士に対し、わざとお尻を突き出したり胸を持ち上げてみたりと逆セクハラ行為を始めたため、しだいに紳士の股間の変化が現れるが・・・タイトル"Horny"は、タブロイド紙"The Sun"のトップ記事というデザインで現れる。
WebSite>>The Sunセクシー美女に逆セクハラされる紳士が読んでいるのは、ピンクがかった紙ですぐそれと分かる高級経済紙「フィナンシャル・タイムズ」。ピンストライプのビシッと決まった三つ揃いのスーツといういでたち。
WebSite>>Financial Times「Horny」とは、「性的に興奮して」「好色な」という意味。紳士のズボンの中もツノ(Horn)のように・・・なんとかそれを抑えようと、彼が必死に想像していたのはサッチャー首相やエリザベス女王、汚いトイレなどの映像。
ロケ地:セントラル・ライン
ベスナル・グリーン(女性が乗車してきた駅)〜リバプール・ストリート駅(トンネルの出口に唇の絵が描かれていたところ)〜バンク駅(紳士が慌てて降りた駅)キャスト:
Denise Van Outen .... Alex
Tom Bell .... 紳士
Leah Fitzgerald .... 少女
Frank Harper .... 検札官
Liz Smith .... 老女
監督:Menhaj Huda
脚本:Harsha PatelStory:
大量のドラッグを隠し持つ男、切符を買わずに乗り込んだ大声で喋りつづける男ふたり、一緒に乗り合わせた謎めいた女性。自分が何者かに目を付けられていると感じたドラッグを持った男は必死に逃げるが追手が迫り絶体絶命・・・?「Grasshopper」とはバッタやイナゴのことだが、「grass」はスラングでマリファナ、麻薬も意味する。麻薬(grass)を持って飛んで(hop)逃げる、麻薬で興奮して(hop)いるという意味を含ませているのだろう。
ロケ地:ベーカールー・ライン
うるさい女たちが乗ってきたのがMarylebone駅。ドラッグの売人の青年、騒がしい男2人、謎の黒人女性が降りた駅がピカデリー・サーカス。容疑者を追っている男二人はそのひとつ前の駅オックスフォード・サーカスで待機。キャスト:
Stephen Da Costa .... Mr X
Alicia Eyo .... Shantel
Roger Griffiths .... Charlie
Dele Johnson .... Stevie
Peter McNamara .... Roy
監督:Bob Hoskins
脚本:Paul FraserStory:
今日は離婚した妻の元においてきた息子をつれて遊びに行く日。駅に向かう途中で、ひとりごとをつぶやきつづける奇妙な男を見掛ける。競馬新聞(Racing Post)を買って、子供の切符は買わずに柵からこっそり通した彼は、ホームでさきほどの男を見掛けるが・・・子供が持って来たトーストの上に塗ってある黒いペーストは、マーマイト。ビール酵母から作られるもので、イギリス人の大好物。
参考:マーマイトについて地下鉄大火災の教訓か禁煙が厳しく実施されているため、煙草を吸っているのを検札官に注意される。文句を言うと、「悪態はこれに」と、Heinzのベイクドビーンズの空缶で作った貯金箱を差し出される。 ベイクドビーンズもイギリス人の大好物。大豆をトマトソースで煮たもの。
WebSite>>Heinzロケ地:
East London Lineのショーディッチ駅。平日はピーク時のみ、土曜日は閉鎖、日曜日はブリックレーンマーケットがあるため朝8時から午後2時まで運行するという、あまり使い勝手のない寂れた駅。キャスト:
Ray Winstone .... 父
Tom Watson .... 息子
William Hoyland .... 奇妙な男
Frank Harper .... 検札官
Richard Jobson .... 商人
Edna Dore .... 女性
監督:Ewan McGregor
脚本:Mark GreigStory:
コンサートが終わって地下鉄で家路につくトロンボーン奏者。切符売場の窓口に落とし物として掲示してあった定期券に貼ってある写真の女性に一目ぼれし、彼女の面影が脳裏からはなれない。地下鉄に乗るたびに彼女がいるような錯覚に教われていたが、ある日彼の前に本人が現れた・・・主人公は、地下通路でテナーサックスを吹くミュージシャンにコインをあげようとするが、その男はそのまま行ってしまう。このように地下通路で演奏しているミュージシャンは足元に帽子を置いていたりして、音楽が気に入った人に小銭をもらうことが多いのだが。(しかし地下通路で演奏したりする行為は本来は禁止)
ロケ地:
慌てて楽器を社内に置き忘れてしまったのはオックスフォード・サーカス駅。夢の女性に現実に会えた後下車した駅がグレート・ポートランド・ストリート駅。キャスト:
Kay Curram .... Luise
Nicholas Tennant .... Gordon
監督・脚本:Armando Iannucci
Story:
車内でオニオンリングやチップス(フライドポテトのこと)を食べる恋人たち、パーティー帰りの仮装した女たち、女装したおじさんたち、大きな犬を連れた人。夜の地下鉄には様々な人々が乗り合わせている。そこへ乗り込んできたキャリアウーマン風の大人の魅力溢れる女性に、男性陣は注目。みなそれぞれに想像力を働かせてうっとりしていたが、彼女は突然信じられないような行動に出る・・・!イギリスでも携帯電話に着メロを入れている人もいるようだ。
ロケ地:
ノーザン・ラインのイースト・フィンチリー駅。地下鉄も郊外に出るとここのように地上に駅舎が出て来る。このひとつ前のハイゲイト駅までは地下にあるのだが。フィンチリー地区は比較的治安も良いため、ひとつ次の駅フィンチリー・セントラル周辺には、裕福なユダヤ人や日本人駐在員などが多く住むことでも知られる。キャスト:
Daniela Nardini .... 皆のファンタジーをかきたてる美女
Mark Frost .... 気取り屋
Helen Coker .... 花嫁になる女性
Matthew Xia .... 恋人
Sky Glover .... ガールフレンド
Simon Greenhall .... ビジネスマン
Dominic Holland .... チェロ奏者
監督:Jude Law
脚本:Ed AllenStory:
地下鉄に乗り込んだひとりの哀しげな老人。頭に小鳥が止まっていたのに気付いた女性がパニックになり、その大声に驚いた小鳥は窓にあたって落ちてしまう。乗客たちは誰も生死の分からない小鳥に近づこうとしなかったが、老人が拾い上げて手のひらで温めているうちに意識が戻る。ほっとした老人はそこで下車し・・・定期券が切れていた女性が、出口のところで検札官に罰金10ポンドを請求されていた。乗り越しする場合は途中下車して切符を買い直さなければならない。
駅の出口ではサックス、トロンボーン、ユーフォニウムの3人組が演奏していた。
ロケ地:
老人が下車したのがハイゲイト駅。マルクスの墓があることで有名なハイゲイト墓地が近くにあり、緑豊かなエリア。老人が必死に長い階段を上っていたことからもわかるように、この駅はかなり地中深くに位置する。(周囲が丘になっているため)キャスト:
Alan Miller .... 老人
Ed Allen .... 若者
Morgan Jones .... 若者
Cleo Sylvestre .... 女
Frank Harper .... 検札官傷ついた小鳥を助ける老人を演じたアラン・ミラーは、ジョニー・リー・ミラーの父。
監督・脚本:Gaby Dellal
Story:
フラフープを持った7歳の少女ローズバッド。彼女は母親が地下鉄から降りそこなってしまったため、ひとりで駅構内を飛び回り、自分だけの世界を楽しむ。一方で母親の方は可愛い娘が誘拐されてはたいへんだと大パニック・・・"A Bird in the Hand"にも登場したサックス、トロンボーン、ユーフォニウムの3人組は、地下通路で演奏しているところを職員に注意される。こうした行為は現在では禁止されているにもかかわらず、時折それでも演奏しているミュージシャンを見かけることがある。
ロケ地:
少女がひとりさまよっているのがノーザン・ラインのモーニントン・クレセント駅。キャスト:
Rachel Weisz .... Angela (少女Rosebudの母親)
Leonie Elliott .... Rosebud
Dona Croll .... Elizabeth(親切な黒人女性)
Frank Harper .... 検札官
監督・脚本:Charles McDougall・・・『Heart』
脚本:Nick PerryStory:
地下鉄Bank駅近くの交差点で止まった車から大金の入ったアタッシェ・ケースを強奪したマイケルとその恋人。駅の中に逃げ込み無理矢理カバンをこじ開けると、盗難防止装置が働いて塗料で真っ赤に染まってしまう。そこへやってきた列車に乗り込むと、神の教えを説く男と彼の弟子と思われる青年がいて、奇跡が起こる。"Steal Away"は、「まんまと盗み出す、手に入れる」という意味だが、もうひとつ車内で黒人宣教師が歌っているゴスペルの歌詞"Steal away to Jesus ..."のように、「そっと静かに行く」という意味もかけている。
Michaelたちが乗り込んだ車内には、ハンディカムを持ってはしゃぐ3人の日本人の女の子も。
ロケ地:
バンク駅改札、駅構内、出口。出口近くにはイングランド銀行などの建物も見える。キャスト:
Hans Matheson .... Michael
Carmen Ejogo .... Michaelの恋人
Jim Carter .... 検札官
Sean Pertwee .... 運転手
Don Warrington .... 牧師
Darren Carr .... 黒人の青年
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