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タイトル*リ


『リヴァプールから手紙』Letter to Brezhnev (1985)

監督:Chris Bernard

Story

生真面目なエレインと奔放なテレーザは、リヴァプールに停泊中のロシアの船員ピーターとセルゲイと知り合う。エレインはピーターと、テレサはセルゲイと二組に分かれてそれぞれ一夜を過ごすが、ピーターとエレインは何もせず星の話をしながら語り明かした。出港までの短い時間にエレインはリヴァプールの街を案内し別れを惜しむ。彼が去った後、悩んだ彼女は意を決して当時のソビエト連邦のトップ、ブレジネフ書記長に手紙を書いた・・・

Check

当時の緊張した東西関係を反映した恋愛映画。鉄のカーテンの向こうの国に住む相手と恋をするのは、政治的・経済的にも非常に大きな覚悟が必要だった。地元紙「Liverpool Echo」 をはじめとして「The Times」「Mirror」などの全国紙も一面トップでこのことを報道した。(フィクションだが)

白い作業着に長靴をはいて鶏肉を扱う仕事をしているTeresaは、その格好のままクラブに現れたりする大胆な娘。不況で仕事があるだけ恵まれているが(エレインは失業中)、男性には自分が秘書だと言ったりしているあたりがいじらしい。つっぱっていながら実はセルゲイを愛していた・・・という意外な一面を見せる。

緑色のダブルデッカー、フィッシュ&チップス屋での会話、Bootsや大聖堂などが見えるリヴァプールの街並みにも注目。 エレインの家でクリスマスの飾り付けをしているところを見ると、12月前後の設定なのだろう。

ロケ地 : リヴァプール市内各地

Mount Royal Hotel

(Shaftesbury Hotel

Kirkby

Birkenhead行きのフェリー乗り場

キャスト

Alexandra Pigg .... Elaine Spencer 22歳・失業中)
Margi Clarke .... Teresa (缶詰工場で働く)
Peter Firth .... Peter (ロシア人船員・ソビエト南部出身)
Alfred Molina .... Sergei (ロシア人船員・レニングラード出身)
Tracy Lea .... Tracy Elaineの知人)
Ted Wood .... Mick Tracyの恋人)
Syd Newman .... Dmitri Elaine たちに声をかけてきた男)
Eddie Ross .... Rayner Elaine たちに声をかけてきた男)
Mandy Walsh .... Elaineの母)
Angela Clarke .... Josie Elaineの妹)
Joey Kay .... Elaineの父)
Neil Cunningham .... 外務省の役人

参考資料とソフト

imdb.com

1985年 イギリス 94分)


『リチャード三世』Richard III(1995)

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『リチャードを探して』Looking for Richard(1996)

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『リトル・ヴォイス』 Little Voice(1998)

監督:『ブラス!』Mark Herman
脚本:Jim Cartwright (戯曲"The Rise and Fall of Little Voice"より)
音楽:John Altman・・・『ヒア・マイ・ソング』では英国アカデミー賞音楽賞にノミネート
衣装デザイン:Lindy Hemming・・・『ヒア・マイ・ソング』『マイ・ビューティフル・ランドレット』など。『フォー・ウェディング』では英国アカデミー賞衣装デザイン賞にノミネート

Story

大好きだった父の死を悲しみ、自分の殻に閉じこもって一日中父の愛したレコードを聞いている少女リトル・ヴォイス。亡き夫を馬鹿にして機関銃のようにしゃべりつづける母の前では、一層口も重くなるのだった。

人付き合いの苦手で内気な青年ビリーは、彼女と通じ合うものを感じて心を寄せるようになっていた。ビリーは伝書鳩を飼うのが趣味で、折りに触れてはLVの心を開こうと話し掛ける。

ある日派手好きな母のマリーに連れ込まれた自称"名芸能プロモーター"のレイ・セイは、ヒューズが飛んだ真っ暗な部屋で響き渡る歌声を聞いて驚愕する。それはレコードではなく、あの寡黙な少女LVによるジュディ・ガーランドそっくりの歌声だった!

夢よ、もう一度・・・LVの才能に惚れ込んだレイ・セイは、LVをステージに立たせるために走り回る。お父さんへのトリビュートだと思って!彼の言葉は、内気な少女LVを動かした。一世一代のステージのためにレイ・セイは愛車のシボレーから時計、指輪まで全財産をなげうってしまう。

やがてショウ当日。緊張でガチガチになったLVだったが、客席に浮かぶ父の幻を目にすると、人が変わったように伸び伸びと歌い出す。ジュディー・ガーランド、マリリン・モンロー、シャーリー・バッシー・・・変幻自在なレインボー・ヴォイスに、会場は熱気と興奮のるつぼと化す・・・。

 

Check!

ミュージカル

イギリスで大ヒットしたミュージカルを映画化。(初演は1992年6月・ロンドンのナショナルシアター)この戯曲はジェイン・ホロックスの才能に惚れ込んだ作家が、彼女のために書き下ろしたもの。

LVの家

ジョージとビリーはBritish Telecomの車に乗って、シプリー通りにあるLV母子の住む「ホフ・レコード店」の看板を掲げる家に電話回線工事にやってくる。家全体の電気系統がいかれているらしく、お湯を沸かそうとするだけで火花が飛び、すぐヒューズが飛んでしまう。

マリーが愛飲しているお酒の中に、ココナッツ風味のラム酒マリブー(白い瓶)が。
Malibu WebSite

電話の追跡サービス

イギリスでは、問い合わせ番号「1471」にかけると、最後にかかってきた相手の電話番号を調べられるようになっている。

街並み

Mr Boo経営のナイトクラブ、マリーとセイディがおしゃべりするカフェ、マリーやレイ・セイたちがやってくるフィッシュ&チップス店、パブなど、生活感にあふれた空間が広がる。

海辺の町

漁業が盛んな町らしく、LVの母マリとその友達セイディは魚市場のようなところで働いている。大きく湾曲した入り江が印象的なこの町は、イングランド北部のリゾート地スカーボロ。ジェレミー・アイアンズ主演のコメディ『浮気なシナリオ』でも、この美しい湾が見られる。

Lass

LVのことを指して使われた言葉「Lass」は、北部でよく使われるもので「娘」という意味。男性は「Lad」で、こちらのほうは一般的によく用いられる表現。

 

Music

この作品中でLVが歌う曲は、すべてジェイン・ホロックス自身の歌声であるというのも驚異的。

マイケル・ケインが熱唱する"It's Over"は、ロイ・オービンソンのカバー。

父親を想って聴くコールポーターの名曲"My Heart belongs to Daddy"、金策に奔走するレイ・セイのバックに流れているのは"Gold Finger"、炎の中で歌われる"Some Like it Hot(お熱いのがお好き)"・・・と、選曲も心憎い演出。

サウンドトラックはこちらで試聴をどうぞ>Soundtrack

追記:ジェーン・ホロックスによるCD「Further Adventure of Little Voice」が新しく出ました。

 

ロケ地

Scarborough, North Yorkshire
丘の上にある廃城(Scarborough Castle)の一部が、ユアンの鳩小屋として使われている(情報提供:LVさん)

ピカデリー・サーカス(バニー・モリスが電話でLVの声を聞いている場面)

 

Awards

ゴールデングローブ賞主演男優賞(マイケル・ケイン

 

キャスト

Jane Horrocks .... Laura Hoff (通称LV=Little Voice)
Brenda Blethyn .... Mari Hoff
Michael Caine .... Ray Say(芸能マネージャー)
Ewan McGregor .... Billy (鳩を飼うのが趣味の青年)
Philip Jackson .... George (Billyの仕事仲間・電気工事技術者)
Annette Badland .... Sadie(Mariの友達)
Jim Broadbent .... Mr Boo(クラブ経営者)
Graham Turner .... LVの父
Alex Norton .... Bunnie Morris (スカウト界のドン)

参考資料とソフト

imdb.com

Official Site
Miramax(英語)/アスミック

国内盤DVD

VHS(輸入版・字幕なし)

Soundtrack(輸入盤)

CD: Further Adventure of Little Voice
ジェーン・ホロックス本人による歌の数々。
Amazon.co.jp/Amazon.com

原作脚本:The Rise and Fall of Little Voice
by Jim Cartwright

(1998年 イギリス 99分)


『リフ・ラフ』Riff-Raff(1990)

監督:ケン・ローチ
脚本:Bill Jesse

Story

ロンドンのビル改築現場で働く最下層の労働者たちの人間群像と、そこで働くグラスゴー出身の青年スティーブ(本名はパトリック)と貧しい歌手の卵スーザンとの恋をからめて、350万人もの失業者があふれる(当時の)サッチャー保守党政権下の社会を描いた作品。

Check

Riff-Raffな人々:
工事現場で雇われているのは、地方から食い詰めて出てきた貧しい人間や、アフリカからの移民などのイギリス社会の最下層の人間(=Riff-Raff)ばかりで、みな税金が払えないので偽名を使って働いている。 街にはホームレスがあふれ、ビルを不法占拠して暮らす若者も多い。 社会保険などあるはずもなく、みな日雇い扱い、気に入らなければすぐクビだ。 リバプール出身のラリーは労働環境改善を求めて活動したために解雇される。 こんな状態で雇われている側にもモラルなどあるはずもなく、作業用の電動ドリルを盗んで売ったり、現場で勝手に用を足したりしている。

歌手志望の娘スーザンはアイルランド・ダブリン出身で、神秘主義に傾倒しており、カフェインを気にして緑茶を飲み、部屋にはインド風タペストリー。 小銭を稼ぐために地下鉄の通路で歌う。彼女のように地下鉄の構内でパフォーマンスをする人々は、一応禁止されているにもかかわらず、跡を絶たない。

ラジオの尋ね人コーナーから母の訃報を知り、貧しいスティーブは、「ビリー・コノリーの友」というボードを掲げて、ロンドンからグラスゴーまでヒッチハイクで葬式に駆けつける。(ビリー・コノリーはスコットランドを代表するコメディアンのひとりで、『至上の愛クイーン・ヴィクトリア』、『スティル・クレイジー』などにも出演)葬式では墓は作らず芝生に灰を撒くという珍しい形式だった。

この工事はPrince of Wales Hospitalの建物を高級マンションに改造するというもので、モデルルームをアラブ人女性が見に来る場面がある。不況下でも相変わらず金回りがいいのはオイル・マネーの国の人々だけというわけだろうか。

Awards

ケン・ローチ監督 カンヌ映画祭国際批評家連盟最優秀賞作品。

ロケ地

ロンドンなど

キャスト

Robert Carlyle .... Steve (グラスゴー出身の青年)
Emer McCourt .... Susan (歌手の卵)
Richard Belgrave .... Kojo
Jimmy Coleman .... Shem
David Finch .... Kevin
Garrie J. Lammin .... Mick
Dean Perry .... Wilf
George Moss .... Mo
Willie Ross .... Gus Siddon
Ade Sapara .... Fiaman
Ricky Tomlinson .... Larry
Derek Young .... Desmonde
David Aldar .... Director

参考資料とソフト

imdb.com

VHS

 

(1990年 イギリス 95分)


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