タイトル*す
監督:John Schlesinger・・・『真夜中のカーボーイ』『マラソンマン』『ダーリング』
「フリート街の悪魔」との異名を取る19世紀の殺人理髪師スウィーニー・トッド物語。
ロンドンのフリート街で理髪店を営んでいたトッドは、客を殺して金品を奪い、死体は隣の肉屋Lovett夫人に渡していた。人肉を使って作られた特製ミートパイは、近くのロンドンっ子たちに大評判。トッドに殺された宝石商マンハイムの行方を追っていたアメリカ人、カーライルは、調査を始めるうちに事件に巻き込まれていく・・・
Fleet Streetは昔、新聞社が軒を連ねていたことから、新聞社街と呼ばれた。(現在はドッグランド地域に移転した新聞社も多い。)ロンドンの行政・金融の中心地にも程近く活気のある通り。トッドの理髪店があったとされるのは、186番地。Lovett夫人の肉屋は、ベル・ヤードにあったという。
設定がフリート街周辺の下町ということから、窓から汚水を勢い良く捨てたり、大道芸人を見ながらミートパイを食べたり・・・という庶民的な風景が描かれている。
パイ皮の中に挽肉を詰め、パイ皮で蓋をして焼いたもの。その起源は17世紀以前に溯るとも言われている伝統的な食べ物。冷めても美味しくいただけるので、ピクニックに持っていったり、街頭で立ったまま食べるのにうってつけ。現在でもデパートやスーパーのお惣菜コーナーなどでよく見掛ける、英国式人気ファーストフードのひとつ。
→『ハンドフル・オブ・ダスト』でも落ちぶれた上流階級の婦人が、屋台でミートパイを求める場面が。
レシピはこちら:ミート・パイ
*でも使用する肉は牛や豚にしてくださいね。
ダブリン(アイルランド)
Ben Kingsley .... Sweeney Todd (理髪師)
Campbell Scott .... Ben Carlyle (アメリカ人商人)
Joanna Lumley .... Mrs Lovett (肉屋のおかみ)
Selina Boyack .... Alice (Sweeney Toddのが後見をしている娘)
David Wilmot .... Tom (宝石屋)
Sean O'Flanagain .... Charlie (Sweeney Toddの店で働いていた少年)
Katharine Schlesinger .... Lucy (Charlieと仲良し)
Peter Woodthorpe .... Mannheim (宝石商)
(1998年 イギリス)
監督:David Leland・・・『あなたがいたら/少女リンダ』 (監督・脚本)、『モナリザ』(脚本)
脚本:Keith Dewhurst / David Leland
原作:Angela Huth(小説・1994年出版)
撮影:ヘンリー・ブラーム・・・『シューティング・フィッシュ』『ウェイクアップ!ネッド』
音楽:ブライアン・ロックコピー:あなたがいたから、あの時代をのりきれた。
第二次大戦中のイギリス。出征した男性の代わりに農業に従事するよう、ランドガールズと呼ばれる農業促進婦人会に応募した女性たちが農村に派遣された。1941年にドーチェスターにあるローレンス家の農場にやってきた若く魅力的なステラ、アグ、プルーの3人もそんなランドガールズたちだった。
性格も育ってきた環境もまるで違う三人だったが、すぐに大の仲良しに。もうすぐ従軍志願する予定のローレンス家の息子ジョーも気になる存在。戦争と恋はそれぞれの運命を大きく変えてゆくのだが・・・
戦争という過酷な時代を、いやそういった時代だからこそ前向きに生きた女の子たちの、時にコミカルで時にせつない恋模様と友情、そして戦時下の男たちのそれぞれに複雑な挫折や歓び・苦しみを、イングランド南西部の目に染みるような自然の美しさを舞台に描き出している。
第一次世界戦末期に組織され、出征した男子にかわって労働力を補うために広く国中から募集されたボランティアの女性たちのこと。現在も元ランドガールズたちの親睦会が英国各地で開催されているとか。この作品を見ると、ランドガールズを派遣された農場は軍にいくばくかのお金を支払っていたようで、Women's Land Armyの集会ではそのお金は戦闘機(スピットファイア)購入代金にあてられると説明されていた。("Build Spit Fire"という垂れ幕が)
Joeをして「高嶺の花」と言わしめた美しい上流階級の娘。
言葉づかいが上品なのはもちろんのこと、父親は銀行の支店長、婚約者は海軍士官・・・といった背景からも、ステラが上流階級の娘であることが分かる。
彼女はケンブリッジ大学卒の才女だが恋には奥手。
弁護士(Solicitor)の父親を持ち、自分も弁護士(Barrister)になる予定。日本語だと同じ「弁護士」だが、イギリス英語では「Barrister(法廷弁護士)」は法廷で訴訟事件を扱う権限のある弁護士、「Solicitor(事務弁護士)」は契約書の作成を行ったり、法廷弁護士と依頼人の間に立って事務を扱う弁護士のこと。Agは父より上を目指す向上心の強い女性ということか。
AgとはAgapanthusの愛称らしい。Agapanthusは"Lily of the Nile"や"African Lily"とも呼ばれるアフリカ原産の個性的な花のことだが、女性の名前としてはちょっと・・・(知識階級に属する親が凝ってつけたのだろうが)
ちなみにAgを演じるRachel Weiszもケンブリッジ卒の才媛(専門は英語学)。
元美容師という経歴を持つワーキングクラス出身の奔放だが純粋な顔も見せる魅力的な娘。ステラのしゃべりかたや語彙と比べてみるのも面白い。
実家はドーチェスターの帽子屋で、23年前に第一次世界大戦が終わると(1918年)退役して農場を手に入れた。彼はボーダーコリーのジャックを連れて、小川が蛇行して緩やかに流れる牧草地(meadow)を散歩するのが楽しみだったのだが・・・
軍の男性たちと、Women's Land Armyの合同パレード・集会の後は、お楽しみのダンス・パーティ。出征間近の軍人たちにはつかのまの娯楽で、また好みの女性をダンスに誘う絶好の機会でもある。
一対一のダンスがひとしきり終わると、有名なミュージカル「Me and My Girl」で使われた「The Lambeth Walk」という曲に乗ってみんなで輪になって踊る。3人のランドガールズたちもパーティからの帰り道に、このうきうきするような「The Lambeth Walk」を口ずさんで余韻に浸っている。
このパーティの夜に日本軍が真珠湾を攻撃。・・・ということは、1941年12月8日の出来事。
ボールを投げながらステラがジョーに言った台詞。非常にイギリス的表現で、「フェアじゃない」という意味。
parsnip・・・ジョーのある部分を指してAgが"パースニップ"と言った。パースニップは白いニンジン状の野菜で、イギリスでは料理の付け合わせとしておなじみのもの。ほのかな甘みがあり、ローストしたり茹でたりして食べる。パースニップは日本では馴染みの薄い野菜なので、字幕では"ニンジン"と訳されている。日本でも輸入食品を扱っているスーパーなら手に入るのでお試しあれ。(東京では青山の紀ノ国屋、広尾のナショナルで発見。)
Mango(?)・・・ローレンス氏がふざけて手にした丸い砂糖大根は"Mango"と呼ばれていたが、イギリスでは一般的なものなのだろうか。<ご存知の方はどんなものか教えて下さい。
イギリス人は日曜の昼食を豪華にすることが多い。教会から帰ったローレンス一家がサンデーランチとして用意したメニューは、ローストビーフにグレービーソース。
頭には新聞紙で作った帽子をかぶり(Daily Mail紙だった)、クリスマスプディングを食べ、ビールやサイダー、ポートワインをいただく。サイダー(Cidre)は林檎から作った発泡酒のことで、イングランド南西部の名物。
ローレンス家の台所にある紅茶ポットには、いつも毛糸で編んだようなカバーがかかっている。お茶を入れる時にストレーナー(茶漉し)を使っているところからすると、ティーバッグでなくリーフティーを使っているらしい。
サマセット、デヴォン、ハートフォードシャー
Catherine McCormack .... Stella(21歳・銀行家の娘)
Rachel Weisz .... Ag(26歳・ケンブリッジ卒のインテリ)
Anna Friel .... Prue (元美容師・庶民的な娘) >Anna Friel Official WebsiteSteven Mackintosh .... Joe Lawrence
Tom Georgeson .... Mr Lawrence
Maureen O'Brien .... Mrs LawrenceLucy Akhurst .... Janet(Joeの婚約者)
Paul Bettany .... Philip (Stellaの婚約者・海軍士官)
Ann Bell .... Philipの母・上流階級の婦人
Nick Mollo .... Barry (Prueがパーティで出会った兵士)
Michael Mantas .... Dezsmond (Agがパーティで出会ったカナダ人将校)
(1998年 イギリス 112分)
原作本 _Land Girls_ by
Angela Huth
Hardcover (June 1996)
Paperback (March 1998)
Audio Casette [UNABRIDGED]
監督:Michael Caton-Jones、脚本:Michael Thomas
はじまりは1959年ロンドン。整骨医ウォード博士は、高級ナイトクラブのショウガールだったクリスティーンに惹かれ、自分のフラットに連れて来て"友人"として奇妙な同居生活を始める。あるときは師と生徒のように、あるときは父と娘のように。
クリスティーンはウォードと暮らすうちに次第に強い影響を受けて行く。 上流社会に顔が広いウォードを通じて、クリスティーンは政界・社交界の名士と次々に知り合う。ソ連の軍人イワノフ、陸相に就任したばかりの保守党のやり手政治家プロヒューモ・・・
やがてクリスティーンは、関係を持った麻薬密売人とトラブルを起こし、1962年のウェストエンド銃乱射事件を皮切りに政界を揺るがす大スキャンダルに発展していく(1964年保守党はこの事件が原因で10年以上続いた長期政権を失う)。
1963年に実際に起きたプロヒューモ事件を題材にした作品。この映画の上映初日には、クリスティーン・キーラー本人が息子を伴って現れたといか。
牧師の息子で、トーキー出身の整骨医。上流階級の人々を診察する機会が多いので社交界で顔が広く、MI5(英国情報部)もウォードの交友関係から得られる情報を求めて接触していた。家の窓につる薔薇を這わせた隠れ家的フラットに住んでいる。
イタリア貴族出身で、オックスフォード卒。保守党の政治家として出世街道を着実に歩み、マクミラン内閣で陸相(the Minister of War)に就任。そのうえ美貌の妻は元女優Valerie Hobson(*)という何不自由ない暮らしをしていたが1963年のスキャンダルで政治生命を絶たれる。引退後は慈善事業に尽力し1975年にCBE叙勲。
*Valerie Hobson: 1954年にプロヒューモと結婚し女優業を引退する。デイヴィッド・リーンの『大いなる遺産』(エステラ役)、ジェームズ・ホエールの『フランケンシュタインの花嫁』(博士の妻エリザベス役)など、華々しいキャリアを重ねていた。
初めてクリスティーンを連れ出す時に、素晴らしいロールスロイスでやってきて彼女を感嘆させる。その後お忍びで彼女の元を訪れる時は、ローバーminiのハンドルを自ら握る。王室御用達アスプレイのライターをプレゼントとして贈る。
18世紀の庭を持つ美しい別荘クリヴデン・コテージをウォード博士に貸している。コテージのギャラリーには美術館並に優れた絵画が揃っており、中にはターナーのゴンドラの絵も。共産圏のソビエトから来たイワノフは、"我が国ではあんなに絵画があれば美術館として公開する"と不快感を示す。このアスター卿の屋敷のプールで、実際にクリスティーンはプロヒューモたちに出会った。
- クリヴデン・コテージ
- (撮影許可が下りなかったので、ロケはWiltshireにあるWilton Houseで行われた)
テムズ川を見下ろす断崖の上に立つ美しいコテージ。過去2回取り壊されたが、1851年にチャールズ・パーリー卿の命により再建された。かつてはアスター卿の所有であったが、現在はホテルとして利用されている。152haの庭園、森林、ウォーターガーデンがある。
Cliveden, Taplow, Maidenhead SL6 0JA(厳密にはBuckinghamshire)
TEL : 01628 605069
>National Trust >UK Street Map
ロンドン駐在ソビエト大使館つき海軍武官補。実際はソ連情報管理本部(GRU)のスパイだったらしい。プロヒューモ事件の功績のためか、帰国後の彼は驚異的な昇進を遂げている。
政界を巻き込んだ大スキャンダルに、ゴシップ好きで有名なイギリスのマスコミは熾烈な報道合戦を繰り広げる。タブロイド紙は刺激的な見出しをつけて、より一層このスキャンダルを煽る・・・
クリスティーンが出演していたショーも、肌も露な踊り子が扇情的なダンスを披露するものだったが、そこに集う紳士たちの自宅での姿もまた、背徳的な香りに満ちていた。(たとえばClive宅での怪しげなホームパーティや、興味本位で深夜に麻薬の蜜売人を捜したり・・・と。)
主題歌"It's a Scandal"をDusty Springfieldが歌っている
・・・クリヴデン・コテージとして
ソールズベリー近郊の17世紀のマナー・ハウスで、建築家のイニゴ・ジョーンズの設計によるもの。チューダー王朝時代の塔と厨房が現存している。ヴァン・ダイクをはじめとする見事な絵画コレクション、チッペンデールの家具など見所も多い。この中の「ダブル・キューブ・ルーム」で撮影が行われた。(このダブル・キューブ・ルームは戦時中にノルマンディ侵攻作戦が練られたことでも有名。)
Wilton House, Whilton, Salisbury, Whiltshire SP2 0BJ TEL : 01722 743115
John Hurt .... Stephen Ward (整骨医)
Joanne Whalley-Kilmer .... Christine Keeler
Bridget Fonda .... Mandy Rice-Davies (Christineの仲間)
Ian McKellen .... John Profumo (陸軍大臣)
Deborah Grant.... Valerie Profumo (John Profumoの妻・元女優)
Jeroen Krabbe .... Eugene Ivanov (ソビエト軍人)
Leslie Phillips .... アスター卿 (Stephenの友人)
Joanna Dunham .... アスター卿夫人
Britt Ekland .... Mariella Novotny (Christineの仲間)
Jean Alexander .... Mrs Keeler (Christineの母)
Alex Norton .... Detective Inspector
Keith Allen .... Kevin (Pictorial紙の記者)
Ken Campbell .... Pictorial紙エディター
Oliver Ford Davies .... Mr Woods (MI5)
Leon Herbert .... Lucky Gordon (麻薬の売人・黒人)
Roland Gift .... Johnnie Edgecombe (銃を乱射した男)
Chris Humphreys .... Clive(Jenniferの夫)
Tacy Kneale .... Jennifer (Cliveの妻)
Jeff Nuttall .... Percy Murray (Christineのいたナイトクラブのオーナー)
Johnny Shannon .... Peter Rachman (Christineの元愛人・大地主)(1989年 イギリス 115分)
監督:Brian Gibson
脚本:Dick Clement/Ian La Frenais
1970年代に一世を風靡したロック・バンド"ストレンジ・フルーツ"。1977年のWisbech野外フェスティバルでで決裂したメンバーだったが、20年の歳月を経てひょんなきっかけから元キーボード・プレイヤーのトニーに再結成の話が持ち掛けられる。早速トニーは苦労して昔の仲間を探し出し活動を再開する。元マネージャーのカレンの尽力でレコード会社に話が通り、ヨーロッパ・ツアーに出かけることになったが、ツアーとは名ばかり、今や知る人もない彼らに用意された会場は小規模なライブハウスばかり。そしてバンドの核となっていた初代リード・ヴォーカルのキースだけでなく、その兄で伝説のギタリスト・ブライアンまでもすでに亡くなっていて、彼らが抜けた穴はあまりにも大きかった。気持ちが荒んでくるにつれ、昔の確執が蘇って混乱するばかり。果たして彼らはかつての栄光を、夢を、取り戻すことができるのか・・・?
トニー(キーボード)・・・イビザ島でコンドームのセールスマン。姉のカウンシル・フラットに居候。ジミー・ヘンドリクスの歯が宝物
レス(ベース)・・・イングランド北部で屋根葺職人。妻はインド系?
ビーノ(ドラムス)・・・種苗場で働く。トレーラーハウス住まい。
キース(初代ボーカル)・・・バンドが解散する2年前に死亡
レイ(二代目ボーカル)・・・歌手としてソロ活動をしているものの家計は火の車
ブライアン(ギター)・・・5年前にガンで死んだという噂
カレン(マネージャー)・・・結婚・出産・離婚を経て現在はホテル勤務。
ストレンジ・フルーツ解散のきっかけとなったこの野外フェスティバルは、おそらくReading(レディング)Rock Festivalのようなものだろうか。
元ドラマーのビーノを訪ねたところ、お母さんに「あの子は"ナーサリー"で働いてるわ」(字幕では"園")と言われる。"Children?"と首をひねりながらでかけると、保育園ではなく種苗場で働いていた。イギリスでは「ナーサリー」という言葉は種苗場、園芸店を指すことも多いからだ。
レイは、娘の結婚式でもレイバンのサングラスをかけ「Hello, Wembly...」とやってしまう。("ウェンブリー・スタディアム"は、ロンドン郊外にある大型スタディアムで、大規模ロック・コンサートが開かれることで有名)
いい屋敷に住みいまだ歌手としてソロ活動をしているようだが、実は最後のアルバムを出してから10年近くたっており、寄る年波に勝てずハーブや薬を常飲。機械にも弱く、リモコンもまともに扱えない。
"再結成会議を開くから"とリムジンでの出迎えにいそいそとついていったレイが送り届けられた先は、何の変哲もないThatched House(かやぶき屋根)のパブ。禁酒中のレイは「エビアンしか飲まん」と頑な。
ビーノの台詞「シェパーズパイでも食って帰るか」に出てきたシェパーズパイは、羊肉を煮込んでマッシュポテトをかぶせて焼いたパブの定番メニュー。レシピはこちら
"ツアー"とはいっても、実のところはただのドサ回りに近い。ツアー・バスは1988年に"サイケデリック・ファーズ"が使っていたバスを塗装し直したもの。
オランダでレイが出席した禁酒会。「My name is Ray...」・・・このように「My name is 」で話を切り出すのが断酒会のやりかた。ケン・ローチ監督の『マイ・ネーム・イズ・ジョー』のタイトルもここから取られている。
ブライアンは作詞した紙をたくさん「センズベリーのポリ袋に突っ込んである」と語っていた。(注:字幕には訳出されていない)
センズベリーは、イギリスの大手スーパーマーケット。>>WebSite
ロンドン周辺、Wessex、スペイン、オランダ
Evening Standard英国映画賞:
Best Technical/Artistic Achievement(Ashley Rowe)
Peter Sellers Award for Comedy(Bill Nighy)
使われている曲はすべて"ストレンジ・フルーツ"のオリジナルで、フォーリナーのミック・ジョーンズ作曲、スクィーズのクリス・ディフォード作詞。
Stephen Rea .... Tony Costello(キーボード)
Jimmy Nail .... Les Wickes(ベースギター)
Timothy Spall .... David 'Beano' Baggot (ドラムス)
Bill Nighy .... Ray Simms(ヴォーカル)
Hans Matheson .... Luke Shand(若いギタリスト)
Bruce Robinson .... Brian Lovell (伝説のギタリスト)
Billy Connolly .... Hughie (ローディ)
Juliet Aubrey .... Karen Knowles(マネージャー)
Rachael Stirling .... Clare Knowles (カレンの娘)
Helena Bergstrom .... Astrid Simms(レイの妻・北欧出身)
Phil Daniels .... Neil Gaydon (カレンの上司・ホテルマン)
Phil Davis .... リムジン運転手
Frances Barber .... ビーノを追う謎の女
Julian Sims .... Steve Greenblatt (ロックフェス・プロデューサーの息子)
Daniel Webb .... Clive (ジャム・レコード)
Sheila Reid .... Mrs Baggot (ビーノの母)
[Strange Fruitsメンバーの若い頃]
Rupert Penry-Jones .... Ray
Matthew Finney .... Brian
Alex Palmer .... Les
Gavin Kennedy .... Tony
Sean McKenzie .... Beano
Lee Williams .... Keith
Virginia Clay .... Karen
Luke Garrett .... Hughie
- ビリー・コノリー
スコットランドの人気コメディアン。映画出演作品『至上の恋 クイーン・ヴィクトリア』- ジュリエット・オーブリー
『Go Now』でロバート・カーライルの相手役を。他に『鯨の中のジョナ』『ウェルカム・トゥ・サラエボ』ハンス・マシソン
『チューブ・テイルズ』最後のエピソード"Steal Away"主演の他、『逃亡者2001』などに出演フィル・ダニエルズ:『さらば青春の光』
ルパート・ペリー・ジョーンズ:『ヴァーチャル・セクシュアリティ』
(1998年 イギリス 95分)
制作:マシュー・ボーン
監督・脚本:ガイ・リッチー・・・『ロック、ストック&ツー・スモーキング・バレルズ』に続く監督第二作
アントワープで86カラットの大粒ダイヤモンドを強奪したフランキー。彼が隠し持ったダイヤを巡って、ロンドンの暗黒街の連中がしのぎを削る。非合法ボクシングのプロモーターや、非情なノミ屋、アイルランド系流浪の民、殺し屋、質屋、宝石商、KGBくずれ、最初にダイヤ強奪を指示したNYのマフィア、そして一匹の犬・・・最後に笑うのはいったい誰だ?!
ロンドンでダグが宝石店を構えるHatton Gardenは、世界有数の宝石商の集まる地区で、ユダヤ人街としても有名。(地下鉄Central LineのChancery Lane駅からすぐ)UK Street Map
『ワンダとダイヤと優しい奴ら』でもこの地区にある宝石商が襲われる。
最初に86カラットのダイヤモンドが奪われたのは、世界のダイヤモンド取引の中心地のひとつであるベルギーのアントワープ。ダイヤモンド取引にはユダヤ人のネットワークが深く関わっている。(たとえば有名なデ・ビアス社も)
ダグはユダヤ人でもないのに、ユダヤ人に憧れている男。彼の店の前にはもみ上げを伸ばしたユダヤ人独特のスタイルをした少年たちがいつもおしゃべりに興じている。
NYに住むアビーは、イギリス人が大嫌い。「イギリスといえばフィッシュ&チップスに、紅茶、まずい食事、悪い天気にくそメアリー・ポピンズだよ(Fish, chips, cup o' tea, bad food, worse weather, Mary-fucking-Poppins London!)」と罵倒する。
小粒のダイヤを捌くためにロンドンを訪れた"フランキー・フォー・フィンガーズ"。せっかくイギリスに来たんだから・・・とばかりに、オーダーメイドの紳士服を作らせている。おそらくSavile Rowあたりの店で注文しているのだろう。Savile Row(サヴィル・ロウ)はスーツなど高級紳士服を商う老舗が集中していることで有名な地域で、日本語の"背広"の語源とも言われている。UK Street map
トミーたちはトレーラー(caravan)の取引に、パイキー(=流浪の民)たちが集まるキャンプ場に出向く。そんなところにレンジ・ローバー(高級なRV車。王室や貴族の人々も愛用)で乗り付けたのだから、さあ大変。わらわらと子供たちが集まってきて、サイド・ミラーなどの部品をくすねようと狙っている。取引の間、ひとりが車にいて部品を取られないように見張っていなければならなかった。
パイキーたちはアイルランド系という設定。"取引には必ず犬をつける"というのも面白い。
イギリス人は賭け事が大好き。ここでは非合法ボクシングから闘犬まで、ありとあらゆるアンダーグラウンド的なギャンブルが登場する。
イギリス人たちには紅茶が欠かせない。さりげないシチュエーションでよくマグカップからごくごく飲んでいる。そしてティーコゼー(ティーポットがさめないようにかぶせておくカバー)が、意外な使われ方を・・・!
バック・ミラーがついていない車がたくさん出てくる。イギリスでは車にバック・ミラーがついていなくても問題ないらしい。(私が以前借りたレンタカーにもミラーが着いていないものがあったし、駐車場などを観察してもミラーなしの車がたくさんあった。)
破格に安いギャラで出演したブラット・ピット、ビッグ・ネームでありながら出番がほとんどなかったベニシオ・デル・トロやジェイソン・フレミング。『ロック、ストック・・・』に引き続き出演した元プロ・サッカー選手のヴィニー・ジョーンズ、ミュージシャンのゴールディーなど、個性的なキャストが話題を集めた。
マン島
ロンドン/ハットン・ガーデン
Jester's Amusement Arcade, West Ealing, London
ガイ・リッチー監督の愛妻マドンナの「ラッキー・スター」をはじめ、OASIS、マッシヴ・アタック、10cc、ストラングラーズなど
Diamond - Klint
Supermoves - Overseer
Hernando's Hideaway - The Johnston Brothers
Golden Brown - The Stranglers
Dreadlock Holiday - 10CC
Hava Nagila - John Murphy
Cross The Tracks (We Better Go Back) - Maceo & The Macks
Disco Science - Mirwais
Hot Pants (I'm Coming, Coming, I'm Coming) - Bobby Byrd
Lucky Star - Madonna
Ghost Town - The Specials
Are You There - Klint
Sensual Woman - The Herbalis
Angel - Massive Attack
F**kin In The Bushes - Oasis
Don't You Just Know It - Huey "Piano" Smith & The Clowns
Jason Statham .... Turkish (非合法ボクシング・プロモーター)
Stephen Graham .... Tommy (ゲームセンター経営者)
Adam Fogerty .... Gorgeous George (見かけ倒しのボクサー)Alan Ford .... Brick Top (非合法ボクシング・ノミ屋)
Brad Pitt .... One Punch' Mickey ONeil(故買商のパイキー・無敵のボクサー)
Sorcha Cusack .... ミッキーの母・パイキー
Jason Flemyng .... Darren(ミッキーの相棒・パイキー)Benicio Del Toro .... Franky Four Fingers (宝石泥棒・運び屋)
Dennis Farina .... Cousin Avi (NY在住・Frankyの雇い主)
Sam Douglas .... Rosebud (Aviの手下)
Mike Reid .... Doug The Head (ロンドンの宝石商・Aviのいとこ)
Nikki Collins .... Alex (Dougの娘)
Teena Collins .... Susi (Dougの娘)Vinnie Jones .... Bullet Tooth Tony (不死身の殺し屋)
Rade Serbedzija .... Boris The Blade(KGBくずれの密売屋)
Lennie James .... Sol (Smith st.の質屋)
Robbie Gee .... Vinny (質屋)
Ade .... Tyrone (Solたちに雇われた運転手・でぶ)
Goldie .... Lincoln (ノミ屋襲撃に巻き込まれる)
Ewen Bremner .... Mullet (トニーの車の窓に頭を挟まれる)
(2000年 イギリス 102分)
『スナッチ・ザ・スケッチ』
ダニエル スミス (著)単行本 (2001/02/01)
監督:スティーブン・フリアーズ
原作・脚本:ロディ・ドイル
ダブリン近郊の町バリータウン。長女シャロンの妊娠したという告白で、8人家族のカーリー家に衝撃が走る。結婚前に子供ができたというだけでもおおごとだというのに、シャロンは頑としてお腹の子の父親の名を明かさない。近所の人たちの好奇の目、家族や友人の戸惑い。そのうちにシャロンの友人の父ジョージが父親だという噂が流れて・・・
ロディ・ドイルによる『ザ・コミットメンツ』『The Van』と並ぶ、ダブリン近郊の町Barrytownを舞台にした三部作の第二部。 「スナッパー」とはアイルランドの俗語で「赤ん坊」のこと。
敬虔なカトリック信者が多い国アイルランドでは、婚前交渉やできちゃった結婚、避妊さえも罪(sin)とみなして忌む人々がまだまだ多い。この作品の撮影当時、妊娠中絶はまだ違法行為(1996年に合法化)。このような社会背景から、父親の名も明かせぬまま"未婚の母"になることは、日本やイギリスとは比べものにならないくらい大問題でスキャンダラスな事件だったということが想像できる。
シャロンたちがカラオケで、マドンナの「Papa Don't Preach」を歌ってはしゃぐ場面があるが、これは10代で妊娠した娘が「パパお説教しないで、誰が何と言おうと私は赤ちゃんを産むわ」という内容の歌。
シャロンがお腹の子について「スペイン人の船員との一晩限りのラブ・アフェアでできてしまった」と説明すると、それを聞いていたジャッキーが「"リヴァプールから手紙"みたいね」とこたえる。『リヴァプールから手紙』は、リヴァプールに住んでいる女性がロシア人船員と一夜の恋(といってもベッドインはしていない)をするという映画のこと。
>>『リヴァプールから手紙』Letter to Brezhnev (1985)
警察署で居合わせた女性は、「二日続けてシェパーズパイを出したら、亭主が怒ってわたしの猫ちゃんに乱暴した」と訴えていた。シェパーズ・パイは羊肉を煮込んで上にマッシュ・ポテトをかぶせてオーブンで焼いた料理で、イギリスやアイルランドでは定番のおかず。>>>レシピ
「好きにならずにいられない」・・・プレスリーのカバー。
ダブリン
1994年BAFTA TV Award2部門受賞(編集賞、音響賞)、1部門ノミネート(Best Single Drama)
1994年仏セザール賞:最優秀外国映画賞ノミネート
1994年ゴールデングローブ賞:男優賞ノミネート(コメディ・ミュージカル部門)・・・コーム・ミーニー
Colm Meaney .... Dessie Curley(父・塗装業)
Ruth McCabe .... Kay Curley(母)
Tina Kellegher .... Sharon Curley (長女・20歳)
Eanna MacLiam .... Craig Curley(長男・軍隊帰り)
Peter Rowan .... Sonny Curley
Joanne Gerrard .... Lisa Curley(次女)
Colm O'Byrne .... Darren Curley
Ciara Duffy .... Kimberley CurleyFionnuala Murphy .... Jackie O'Keefe(Sharonの親友)
Dierdre O'Brien .... Mary(Sharonの友人)Karen Woodley .... Yvonne Burgess(Sharonの友人)
Pat Laffan .... George Burgess(イヴォンヌの父・Sharonと…?)
Virginia Cole .... Doris Burgess(ジョージの妻)
Denis Menton .... Pat Burgess(ジョージの息子)Brendan Gleeson .... Lester(デジーの友人)
Ronan Wilmot .... Paddy
Stuart Dunne .... Bertie
(1993年 イギリス 95分)
_The Barrytown Trilogy :
The Commitments/the Snapper/the Van_
by Roddy Doyle (Paperback - September 1995)
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_The Snapper_
by Roddy Doyle (Paperback - October 1993)
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監督:ティム・ロス(初監督作品)
脚本・原作:Alexander Stuart (>Web)
撮影:シーマス・マクガヴィー・・・『バタフライ・キス』『ウィンターゲスト』
プロダクション・デザイン:マイケル・カーリン・・・『コックと泥棒、妻とその愛人』
新生活を始めるために、ロンドンから北デヴォンの人里離れた一軒家に移り住んできた4人家族。臨月の母、家族思いの父、18歳になる美しい姉ジェシー、そしてロンドンでの生活が恋しい15歳の僕トム。
赤ん坊も生まれ、新天地で穏やかで幸せな毎日がまた始まるはずだった・・・が、トムはある日姉と父が道ならぬ関係に陥っているのを目撃してしまう。激しく詰問しても頑なに否定する姉。トムの中で抑え切れないほど膨らんだ疑念は、やがて家族を崩壊させてゆくきっかけに・・・個性派俳優ティム・ロスが近親相姦と子供への性的虐待という難しいテーマに挑んだ意欲的な初監督作品。
大都会ロンドンを引き上げて、一家が落ち着いたのはイングランド南西部北デヴォンの田舎町からさらに人里離れた一軒家。周りには街灯もないので夜になると漆黒の闇があたりを包む。海岸線は荒々しく荒涼として、まだ若い子供たちには馴染めそうもない。トムはこの地を"Sick world"、"近親結婚でできたような奴"と表現して、ロンドンでの暮らしを恋しがっている。
食事時になると家族が集まるキッチン。ママが出産で家を空けている間、自分でトマトを焼いてトーストに載せた「トマト・オン・トースト」を作って食べている。トマトを焼くのも、また何でもトーストに載せて食べるのも、イギリスでは大変好まれるやり方。戸棚にはティーセットや、陶器製のトーストラックも見える。
出産直後の母親役を演じたティルダ・スウィントンは、この作品の直前に実際に双子を出産しているために、あのような生々しい体型をしていた。ジェシーの張りのある若々しい体型と対照的に。
ジェシーとトム役には、名前の知れている俳優を使いたくなかったとのこと。ジェシー役には2500人ものオーディションを行ったが決まらず、ロンドンのポートベローで買い物をしていたララ・ベルモントがスカウトされたという。
North Devon, England(Bidefordなど)
ロンドン
ベルリン国際映画祭 パノラマ部門 芸術映画国際連盟賞 受賞
カンヌ国際映画祭監督週間正式出品作品
エジンバラ国際映画祭マイケル・パウエル・アウォード最優秀英国映画賞受賞
British Indipendent Film Award: Best New Comer(Lara Belmont)
Ray Winstone .... 父
Tilda Swinton .... 母
Lara Belmont .... Jessie (姉)
Freddie Cunliffe .... Tom (弟)
Annabelle Apsion .... Nurse
Kate Ashfield .... Lucy
Colin Farrell .... Nick (ジェシーのボーイフレンド)
Aisling O'Sullivan .... Carol (ジェシーの年上の友人)
(1999年 イギリス 100分)
Book
Screenplay(Amazon UK)
_The War Zone_ (including a diary of the making of the film)
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